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創春館新聞 「さんぽみち」

 平成22年3月号

3月号もくじ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・
・特集!小規模多機能ホームとは!
・今月の事業所便り
・今月の事業所行事予定 
・投稿コラム
・名倉院長の健康豆知識
・文芸作品
・ボランティア紹介
・リハビリ便り
・編集後記
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特集!小規模多機能ホームとは!

 

最近、介護の現場では地域に溶け込んだ、小規模で家庭的で、 お年寄りの方々一人ひとりを尊重したケアに関心が集まっています。
 介護が必要になっても、住み慣れた家・地域で安心して生活できるように、必要に応じて「通い(通所)」を中心に 「泊まり(ショートステイ)」「訪問(訪問介護)」を組み合わせて利用できる在宅介護サービスを受けることが出来る、 ケアを実現した小規模多機能ホームについて特集してみました。


小規模多機能ホームの歴史


 小規模多機能ホームは、法制化される前は、「宅老所」 という名称で存在していました。「宅老所」は、大規模な施設とは違い、 介護を必要としている高齢者に既存の民家などを改築してサービスを提供することにより、 気の知れた近所の仲間同士と家庭的な雰囲気で過ごすことができるというものでした。大規模な施設整備が進む中、 理想的な介護を実践したいという理念が「宅老所」という形となって実現されていたのです。
 介護が必要な高齢者にとって、気をつかわず、信頼関係が構築しやすい、小規模の「宅老所」は理想的な形態となっていました。特に、 要介護者の半数を占めるといわれる認知症高齢者にとっては、 できるかぎり環境を変えずにケアを受けることができるということが重要視されてきたのです。「宅老所」が実践してきた、 小規模ならではの家庭的な雰囲気にこだわったケアが評価され、平成18年に地域密着型サービスとして法制度化する運びとなりました。
 小規模多機能ホームの事業所は、ゆくゆくは利用者の生活圏内、つまり、小・中学校区ごとに整備することが必要だとされています。 24時間365日体制で、切れ目無く介護サービス(通い・宿泊・訪問)を提供できる小規模多機能ホームは、 在宅生活を送る要介護者の強い味方になっています。
しかし現在、前橋市では六事業所の整備に留まっているのが現状となっています。

 当法人では平成19年に、ケアセンター星辰の家、 21年にケアセンター朱咲の2箇所の小規模多機能ホームを開設いたしました。

ケアセンター星辰の家

前橋市富士見町時沢703-1
TEL:027-212-8800
FAX:027-212-8811
グループホーム(1ユニット)、小規模多機能ホーム(登録25名/1日定員15名(泊り9名)の併設施設です。中庭から差し込む光、 自然の風がとても爽やかな施設です。


ケアセンター朱咲

前橋市南町一丁目12-7
TEL:027-289-3100
FAX:027-289-3101
グループホーム(1ユニット)、小規模多機能ホーム(登録25名/1日定員15名(泊り7名)の併設施設です。前橋駅から徒歩10分。 住み慣れた地域での生活実現のための多彩な機能を持った施設です



小規模多機能ホームとは

1、「通い」「泊まり」 「訪問」どのサービスを利用しても、 いつも顔なじみの職員がケアを行います。少人数登録制(25名)のため、家庭的な雰囲気の中で、 他の利用者・職員と楽しく過ごすことができます。
通いには固定された時間の枠がなく、本人や介護者の都合に合わせて、サービスの提供時間や方法を変化させることが出来ます。
また、通いの時間延長という考え方で、通いからそのまま泊まることができ、 なじみの場所でなじみのスタッフに介護 して貰えるというメリットがあります。
  通いの機能の延長線上にあるのが「出向く機能」です。従来の訪問介護とは異なり、 通いのサービスを利用するだけ では支えきれない時間帯を個別にフォローする役割を持っています。つまり、利用者様の状態の変化によって、 急に通えなくなった際に、スタッフが自宅に赴き安否を確認したり、一緒に時間を過ごすことができます。

2、月額定額制のため、介護保険利用限度額からはみ出す心配がありません。(他サービス利用の場合を除きます。)
3、24時間、年中無休なので、いざという時にも対応可能です。下記の利用スケジュール(一例です)のように、サービ スの利用回数・ 時間に決まった枠はありません。ご利用者・ ご家族の状況にそって決めていきます。通いは、送迎時間や延長(夕食後など) もしくは急な泊まりにも対応できますので安心して在宅生活が送れます。

4、小規模多機能型居宅介護に登録すると、他に利用できるサー ビスは、「訪問看護」「訪問リハビリ」「福祉用具貸与」   「居宅療養管理指導」「特定福祉用具購入」「住宅改修」になります。 それ以外のサービスとの併用はできなくなります。

5、ケアマネージャーも小規模多機能ホームのケアマネージャーが担当させて頂きます。





利用プランの一例

 

月曜日

火曜日

水曜日

木曜日

金曜日

土曜日

日曜日

通い

8:30~17:00

 

 

通い

10:00~18:30

 

 

泊まり

 

 

12:00~13:00

 

訪問18:00~18:30

 

 

 

ベッド等の福祉用具貸与・ポータブルトイレ購入・ 玄関に手すりの設置等




 

今月の事業所便り

 

 デイサービスゆめさき   節分の思いでは?

デイサービスゆめさきでは3日「節分会」を行いました。節分の由来をお話したところ利用者様から 「昔は近所中で大きな声を出し豆まきをしていた」「けんちん汁を作ったよ」等、節分に関して色々なお話を聞くことができました。 鬼の登場では鬼の身体めがけ豆を投げ腰や肩の痛みを退治しました。また、今年の恵方は西南西でしたので豆まきが終わった後、 恵方巻を作り無言で食べる姿は真剣そのものでした。今年一年の無病息災と健康は皆様同じ思いだったことでしょう。




 グループホームゆめさき    ご家族も一緒の誕生日会

 グループホームゆめさきでは、20、27日に誕生会を行いました。ご家族様、利用者様、 スタッフと皆で花と手作りの飾りでいつもと違った雰囲気の中、誕生会を楽しみました。プロフイールと共に生まれた年の出来事、 流行していた物や歌、食物と紹介され、「そうそう、そうだったね」としばし昔に戻っていただきました。誕生者様のお好みの昼食を用意して、 今回はカツカレーというリクエストで、豪華カツカレー膳で身も心もご満腹でした。お祝いのお礼の民謡と詩吟のデュエットに思わず聞き惚れ、 一緒に口ずさみ楽しい一時でした。これからも御家族様と利用者様共に楽しめる思い出に残る催しにしていきたいと思います。




 あかしあの里Ⅰ   ドラえもんといい勝負!?

 グループホームあかしあの里Ⅰでは2月20日におやつ作りを行いました。ホットケーキ風のどら焼きで、 間に小豆クリームを挟んで食べて頂きました。入居者の方が一生懸命ホットケーキミックスをホイップしてくれたお陰で、 ダマにならず美味しく焼き上がりました。たまたまこの日は出張美容の日だったので、 入居者のみなさんの髪をカットして頂いた後で美容師さんにも召し上がって頂いたのですが、 とても好評で皆さんのカット代がチョット安くなったとかならないとか・・・。そんな美味しいどら焼きも考えようによっては困りもの、 おいしさのあまり皆さんチョット食べ過ぎてしまったかな。




 星辰の家    楽しい豆まき

 星辰の家では3日に節分行事を行いました。鬼に扮した男性職員が館内と中庭を走り回り、利用者様に「鬼は外、福は内!!」 と豆を投げて頂きました。「おかしいね~」と笑顔で豆まきされる方もいれば、何度も現れる鬼に興奮され、 むきになって豆を投げ返している方もいて、賑やかで楽しい雰囲気のなか豆まきを行うことができました。豆まきのあと恵方巻きを食しました。 目を閉じ願い事を思い浮かべながら恵方を向いて食べる恵方巻きですが、「健康」を願い召し上がっていた利用者様が多かったのが印象的でした。 職員一同、利用者様の健康を祈りながらこれからも元気で過ごして行ければと思っております。




 あかしあの里Ⅲ    プルプルで美味しい

 あかしあの里Ⅲでは22日に、手作りおやつでわらび餅を作って食べました。プルプルした触感、きな粉の香ばしさ、 黒蜜の甘さにみなさん大感激のおやつタイムでしたが、きれいにたいらげた後を見ると、口の周りはきな粉だらけで大笑となりました。 次回も楽しんでいただけるおやつメニューを考えて、提供していきたいです。




 わきあいあい   餃子のヒダはコツがあるんです

デイサービスわきあいあいでは、2月の3~5日と節分にちなんで職員が鬼になり豆まきを行いました。「鬼は外、福は内!」 と声を出して落花生を職員(おに)に向かって投げ、その後は落花生を食べながら昔の話で盛り上がりました。また、 おやつ作りでは利用者の皆さんと一緒に餃子を作りました。餃子のヒダをつけるのが難しく大変でしたが、 一人一人違う形の餃子が出来て楽しく作る事が出来ました。おやつの時間になり焼き上がった餃子を食べながら「やっぱり手作りは美味しいね」 「この形はチョットね・・」等と言いながら楽しいひとときを過ごす事が出来ました。




 三階療養棟    ベテランには敵いません

療養棟三階では4日に豆まきと恵方巻作りをを行いました。豆まきでは、大きな鬼の的を職員が首から提げて、 利用者の皆さんに元気に豆をまいていただき、厄を追い払いました。その後に皆さんと一緒に恵方巻作りを行いました。 慣れない手つきで作る女性職員に、ベテラン主婦の皆さんが、優しく手本を見せながら教えて下さり、上手に出来ました。 もちろん味も最高でした。




 二階療養棟   美味しい恵方巻き

 17日の水曜日に、療養棟二階では「恵方巻き作り」を行いました。当日は卵焼き・かんぴょう・きゅうり・人参・ さくらでんぷを焼き海苔や薄焼き卵で酢飯と一緒にまきすで巻きました。初めは「手が痛いから出来ないよ」「出来るかなあ」 とやや引き気味だった方も自ら手を出し、最後には「良く出来た」「美味しそう」と笑顔がこぼれていました。卵巻きは彩が良かったためか、 いつもはなかなか食事に手を出さない方が自ら手を出し、恵方巻きをほおばっている姿も見受けられました。




 伊香保ケアセンター明月   みんなで作ったカレーの味は?

10日に、DS・GH合同食事会を行い昼食は、利用者の方にも手伝って頂きカレーやサラダなどを作りました。利用者のみなさんからは 「おいしいね~」「また作ってたべたいね」「次はシチューがいいよ」などの声が多数あがり、喜ばれていました。今後も、 このような機会を増やし、利用者のみなさんに楽しんでいただけるイベントを企画していきたいと思います。




 ケアセンター朱咲  節分に玉入れ??

 ケアセンター朱咲では、3日に小規模・グループホーム合同で節分会を開催しました。まず、豆まきの前に赤鬼・ 青鬼チームに分かれて玉入れと言葉ゲームを行いました。玉入れは、両チーム白熱した試合になりました。言葉ゲームは、 漢字の読みや各国の首都を当てていただくなど、皆様に好評でした。豆まきは、職員が扮した鬼に皆様元気よく「鬼は外!!」 と言って豆をまかれました。皆様、邪気を祓って良い年にしましょう!!




 グループホームしらさぎ  皆でドライブツアー 

しらさぎでは17日に、お正月に行けなかった東照宮へ初詣に行ってきました。その後、 2月にお誕生日を迎える利用者の方が4名いらっしゃるため、合同で回転寿司に行き、お祝いをしました。 それぞれお好きなお寿司をおなかいっぱい食べ、楽しく過ごされました。




 あかしあの里Ⅱ  鬼のお面で撮影会 

 3日の節分の日に以前より準備し、入居者の皆さんに作っていただいた、鬼の面をかぶり記念撮影を行いました。上手く顔に面をかぶれた人、 頭に乗せた人、面が顎まで下がってしまった人と、それぞれで顔を見合わせ大賑わいでした。豆まきには、 入居者の皆さんの食べやすいポン菓子を準備し、鬼を退治して今年一年の無病息災を願いました。




 創春館通所リハビリ  お内裏様とお雛様 二人並んでどんな顔?   

26日、3ヶ月に一度のお楽しみとなる、ちぎり絵教室が行われました。湯浅先生をはじめ、7名の先生方が来館されての今回のテーマは、 『おひなさま』。かわいらしいお内裏様とお雛様の下絵を見本に、手でちぎった和紙を張っていきます。手先が器用な方も、そうでない方も、 思い思いに紙をちぎります。ちぎり方も違えば、張り方もそれぞれです。仕上がった雛人形は、利用者様の思いをうけて、 それぞれが豊かな表情で並んでいました。




 クリニック通所リハビリ  私達がお手伝いします 

クリニック通所リハビリでは、利用者様の個別リハビリを行っています。利用者様一人一人の身体の状態に合わせたリハビリの計画を立て、毎回、 1人20分ずつ、リハビリスタッフと利用者様が一対一で、リハビリを行っています。現在、神山幸恵(作業療法士)、荒井友梨(理学療法士)、 神道志保(理学療法士)、大竹彩(言語聴覚士)の4名のリハビリスタッフが皆様のリハビリのお手伝いをしています。身体のことについて、 また、日常の生活での心配事等がありましたら、気軽に相談して下さい。より良い生活を送れるように、一緒に考えていきましょう。




 涼風の家  どれにしようか?寿司バイキング 

涼風の家では、17日にお寿司バイキングを行いました。入居者様は、テーブルに並べられた沢山のお寿司を見て「どれにしよう?! これが良いかな?でも、こっちも食べたい!」と、とても喜ばれていました。沢山おかわりをし、「もう入らないよ~!美味しかったね~♪」と、 とても素敵な笑顔を見せて下さいました。




今月の事業所行事予定

 

☆あかしあの里Ⅲ☆

 3日 ひな祭り
15日 誕生日会
23日 手作りおやつ(道明寺)
未定 外食&ドライブ☆ケアセンター朱咲☆



☆あかしあの里Ⅰ☆

 3日 ひな祭り
14日 ホワイトディ(おやつ作り)
月末 外食or梅見ドライブ予定


☆星辰の家☆

 3日 ひな祭り
26日 誕生日会

24日 たこやきパーティー



☆デイサービスゆめさき☆

 3日 ひなまつり
 8~10日 映画上映会
18~20日 おやつ作り
25日 誕生日会
27日 富士見歌謡連盟


☆3階療養棟☆

 3日 大正琴慰問
 4日 ひな祭り、おやつ作り
18日 お茶会
25日 誕生日会


☆2階療養棟☆

 3日 おやつ作り
14日 外食ツアー
31日 誕生日会


☆ケアセンター明月☆

デイサービス
 3日 ひな祭り
14日 ホワイトデードライブ
   買物ツアー

グループホーム
 3日 ひな祭り
18日 イオンツアードライブ
   梅見ドライブ


☆わきあいあい☆

 2日 ひな祭りパーティー
     (ブッチーライブ)
12日 梅見ドライブ
13日 誕生日会
16日 ブッチーライブ
18日 ホワイトディ(鮨バイキング)
26日 外食会


☆GHしらさぎ☆

 
3日 ひな祭り
 9日 誕生日会
下旬 ドライブ


☆ケアセンター朱咲☆

 3日 ひな祭り
未定 誕生日会



☆涼風の家☆

 
3日 ひなまつり
15日 手作りおやつ
未定 寒梅ツアー


☆グループホームゆめさき☆

 3日 ひな祭り
25日 外出


☆通所リハビリ☆

 4日 ひな祭り
 6日 光友会発表会
 8日 民謡踊り教室
16~19日 誕生日会
未定 芙謡会発表会 



☆あかしあの里Ⅱ☆

 3日 ひな祭り
13日 誕生日会
15、17日 梅見ドライブ
未定 パンバイキング


 

投稿コラム

 


  老人の思い
             坂本 正之助

 私は79歳になる老人です。老人という言葉に抵抗があるのだろうか、会員数の減少を背景に、県老人クラブ連合会は、会の愛称を 「さわやか群馬」と名付けてイメージアップを図っている。他県でも、いきいきクラブ茨城、あすなろクラブ石川など同様の動きなのは、 シニヤ千葉、うずしおクラブ徳島といった地域色豊かな愛称も登場して、微笑ましい優しさと落ち着きのある言葉の響きが歓迎されるらしく、 不思議と平仮名四文字の名前が続く。高齢者福祉施設や運営団体を見ると、あおぞら、おりづる、ことぶき、こもれび、ふるさと、ほほえみ、 ゆうあいと例示しきれない。一方、平仮名の幼稚園名を電話帳で調べると、「あさひ」「すみれ」「ひばり」「みどり」と三文字が多く、 大学の学園祭は「翌檜祭」「雑草祭」など漢字が力強く並ぶ。言葉の響きやその感じ方には何とも言えない法則があるようだ。 年末回顧の重大ニュースを選ぶ時期になりました。忘れもしない昨年の3月に10人が死亡した渋川市内の「静養ホームたまゆら」 の火災があらためて思い起こされる。「たまゆら」は揺れる玉が触れ合う少しの間を意味する。 困窮するお年寄りにしばしの平穏を届けようとの思いだったのだろうか。繰り返してはならない悲劇、混迷の時代だからこそ、いちずに 「名は体を表す」地域社会でありたい。また二度とこの様な災害があってはならない事を願って、災難に会った方々の冥福をお祈り致します。

名倉院長の健康豆知識

 

  「母との別れ」(2)

 母が亡くなりほぼ2ヶ月が経ちました。90の長寿を達成したのだから、 治療のしようのない癌だから、あんなに私ほど幸せな人はいないと言ってくれていたから、もうたくさん親孝行したと思っていたから、 心置きなくその死を受けとめられるだろうと想像していました。しかし、その後時々思いもかけない寂しい気持ちが沸き起こり、 それはちょうど娘が嫁ぐ前の数ヶ月の気分に似ているのに驚きました。あの時、娘が何故か別の世界に旅立つような「別れ」を感じ、 ふと幼い頃や中学、高校の時の姿が浮かんできて、ぐっと胸が詰まったのですが、そんな風な感情がふとした瞬間に沸き起こり、 あんな事やこんな事がしてやれたのではと後悔の思いと交錯するのです。長姉なども同じように感じているのか、 四十九日の相談をしていると突然「四十九日までは私が母の遺骨を守るから安心してね」と涙声で絶句するのです。 誰もいない実家の仏壇の前でしくしく泣いているのが手に取るように想像できるのです。 誰にとっても母親というのは大きな存在に違いありませんが、私にとってはとりわけ因縁の深い母子の関係でした。以前にも話しましたが、 母と私は1年後になくなる事になる舅(祖父)の介護のために、父や姉達と別れて実家に移り住みました。父親が亡くなる。5年前のことで、 父親が合流するまでの3年間は2人して、荒れ放題の古い家を何とか住める状態に努めた年月でした。そして、父が移り住んで2年後、私が17、 母が48才のときに父が亡くなり、私が当主となり、喪主の挨拶もしました。一時は生活のため大学進学も諦めるのかと悩みましたが、 停年退職後父が経営して数年の、小さな下請け会社を母が引き継ぐ事になり、経済上は何とかなる目途は立ちましたが、 何せ一度も仕事をしたことのない女性が、いきなり溶接や、製缶という荒くれ男の集団のボスになるわけですから、 毎日のように様々な問題が食卓や食後の話題に上り、その都度私がそれなりのアドバイスをするという日々でした。母と私、 そして姑という家族構成では、生活を支えるため、夫を亡くした悲しみを癒す時間とてなく、必死に仕事を覚えていった母にとって、 私の存在がとてつもなく大きな存在であったに違いありません。こんなこともありました。 ある晩会社の現場を取りしきっていた男が数人の部下を引きつれ、、我が家に押しかけ、会社を俺に譲れと迫ってきたのです。 元相撲取りで幕下近くまでいったようですが、巨体を揺すらせ、ブルドッグのような顔ですごむ姿に、身の危険さえ感じましたが、 母を守る一心で立ち向かったのでした。母子の姿を不憫に思ってくれたのか、暴れることなく帰ってくれましたが、 17才の身で後ろに誰もいない状況で体を張ったのですから、なかなかの若造だと、すっかりしょぼくれた現在、 あの頃の自分をいとおしく感じているのです。東大紛争で激動の受験を失敗し、浪人する事になったのですが、無性に東京にあこがれ、 東京の予備校へ行くこととなりました、予備校での一年間は、家のことや母のことも忘れ、ひたすら目標達成のために勉強する日々でしたが、 結局のところ、志望校に受からず、掲示板に自分の番号がないのを確認した夜、実家に電話を入れたら、家にいるはずのない長姉が電話に出て、 「実はあなたの受験に差しさわりがあるといけないと思って、内緒にしていたんだけど、今年に入って母の様子が変で、 夜中突然起き出して外に飛び出したり、訳の分からない事を話し出したりして手に負えない状態になったので、 大阪のおじさんに頼んで精神科に連れて行ってもらったら、精神分裂病との診断でおじさんの家で療養しているところなの」 と全く思いもかけない話を聞かされました。受験に成功していれば受けとめ方が違っていたかもしませんが、実際は、受験に失敗し、 母が狂ったというのですから、その時人生で最悪の心境だったに違いありません。今から振り返ってみますと、分裂病ではなく、 相談する人とていない状況で、背負いきれないほどのストレスに不眠が続いたための夜間せん妄という状態だったと診断できるのですが、 当時としてはとてつもない業病に取り付かれてしまったような心境でした。とるもとりあえず、大阪に急行しましたが、そこで見たのは、睡眠薬、 鎮静剤のせいでぼうーっとして受け答えもぼんやりとした母の姿でした。以前とは全然違う母の姿を見たとき、 母が全く別の世界に旅立ってしまったような、そんな痛切な恐怖と、自分はひたすら自分の事だけ考えていて、 この人を放ったらかしにしていたから、こんな事になってしまったという、申し訳ない気持ちが衝撃として心に刻印され、 同時にあの時私の中で母との別れが強烈に意識され、母が去っていく恐れが植えつけられました。
 以前、認知症になりかかったお母さんのために仕事をやめて介護に専念するつもりだという方に、 そこまでしなくてもあなた自身の人生も大切にされたらどうですかと言ったことがあります。でもその方もやはり、お母さんとの「別れ」を感じ、 別れたくないという思いが強く出てきたのだと理解できるようになりました。 

文芸作品

 

雪解けの 路地に色濃く 福寿草
立春の 寒波で梅の 花凍え
立春の 雪に降られた 庭の隅
     小さなだるま 二つ並んで
寒空に 春つげ鳥の 声近く 
     花の匂いも 小庭に舞いおり
             高橋 三佐男様

金柑を じわじわ煮つめ 妻無言
ミモザ咲く 少しうきうき 歯科の道
             河村 義郎様

やわ肌の 鏡に映りし 紅の色
             村田 順子様

百才の 祝いに集う 子供達
石ころの とげとげしたる 霜の道
             小野澤 キミ様

雪とけて おし車だし 背あぶりす 
             金井 マキ様

明月は笑いあふれてほんわかと
     ひとあし早く春風ぞふく
             柳澤 照子様

早春や 青い芽をふく ふきのとう
             石黒 こと様

孫達に 教えるつもり 教えられ
欲しい服 鏡で試着 いやになる
泣きつらも 笑顔に変える 創春館
             石田 マツ様

創春館 思い出話に はなざかり
日だまりで 縄跳ぶ子等の 笑い声
             石井 フサ様
 
 今月もたくさんの作品をありがとうございました。
   また来月もお待ちしています。


ボランティア紹介

 

 ぽらりす保育園お遊戯会

 2月24日、創春館通所リハビリに元気な声が響き渡りました。さんぽみち新聞の記事の中で、何度も登場している「ぽらりす保育園」から、 今回もかわいい園児のみなさんが来館されました。当法人と、ぽらりす保育園の社会福祉法人一真会とは、それぞれ名倉院長が理事長を務め、 お互いの交流を深めてきました。ぽらりす保育園は、未来の子供達の成長をお手伝いできるようにと、 平成17年4月1日に開所してから5年目を迎えようとしています。すくすくと育つ園児達の教育の一環で、創春館通所リハビリでのお遊戯会や、 当法人の感謝祭での発表会、療養棟での七夕会と、利用者様との交流がもたれています。今回のお遊戯会でも、 弾けんばかりの元気なうたとダンスは、癒しと活力をわけていただきました。また、利用者様一人一人へ手作りの贈り物は、 心を温めてくれました。園児さんの成長を見守りながら、今後も、お互いに心を通わせていきたいと思っています。 



リハビリ便り

 

   『脳の活性化』

 家族や友人と楽しく頭と体を使って交流し、生きがいを持って生活できていますか?脳を活性化させることは認知症の進行を遅らせたり、 予防にも役立ちます。
   《脳活性化の5原則》
 ①快刺激 →笑顔や意欲を引き出す
 ②褒める →やる気を引き出す
 ③コミュニケーション →安心感を生む
 ④役割 →生きがい・尊敬の創出
 ⑤失敗しない課題 →達成感や自信を与える

 脳を活性化させて、毎日を楽しく生活できるようにしていきましょう。
                理学療法士 多原 由美  


編集後記

 

今月のさんぽみちでは、小規模多機能ホームについて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。多様なサービスのひとつとして、今回の 『小規模多機能ホーム』をご理解いただけたら幸いです
 季節が移り、寒かった日も段々春らしくなってきました。新しい芽生えの時期になっていきます。私も「恋の芽生え」を予感し、 ワクワクしているところです。沢山の新しい芽生えの記事がお届けできるように頑張っていきたいと思います。                                               
                                           広報委員会   岡田藍