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創春館新聞 「さんぽみち」

 さんぽみち11月号

さんぽみち11月号もくじ

・感謝祭開催しました!

・今月の事業所便り

・吾輩はジータである

・院長先生の健康豆知識

・行事予定

・文芸作品

・編集後記

 

第16回感謝祭開催しました!

   これにて、一件落着!

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 10月14日(日曜日)に恒例の感謝祭が創春館にて行なわれました。今年のイベントは、利用者様が参加し、楽しんでいただけるよう、体操や簡単なクイズ、カラオケ等、内容が盛り沢山でした。中でも盛り上がったのは、利用者様と職員による水戸黄門の劇でした。今回黄門様の役をやっていただいた方は、現在103歳、前橋在住の男性では最高齢になられる方です。職員は、緊張からか、台詞を噛んでしまったり、忘れてしまったりしましたが、黄門様だけは、ご自分の台詞は、毎回決まっていて、特に、最後の「これにて一件落着!」の台詞では、会場は拍手喝采でした。その他の体操も皆さんで行い、一体感がありましたし、カラオケでは利用者様にも数名唄っていただき、とても楽しまれていました。

 バザーでは、去年より品数が少なく、来客数も少なかったのですが、売り上げは44,850円と大健闘しました。バザー会場に来ていただいた方々は、ゆっくりと会場内を巡り、スタッフと会話を交わしながら商品を吟味されていました。午前中のほうが品数が豊富なので、たくさん買っていただいたお客様には、スタッフが車まで品物を運んでいました。人気のある商品は乾物、洗剤などの日用品、タオル、シーツ類でした。野菜類も、来ていただいた方々は必ず購入してくださいました。午後に来ていただいたお客様にも楽しんでいただけるよう、値下げやまとめ売りなど、午前とは違う方法で、買い物を楽しんでいただけたかと思います。来客数は昨年よりやや少なかったのですが、途切れることなく人が訪れていました。バザー会場を訪れていただいたお客様も、対応したスタッフも楽しいひとときを過ごせました。

 模擬店も昨年と同様のメニューで行いました。今年は、外に設けた飲食スペースを沢山の方に利用していただき、楽しまれたと思われます。

 また、創春館の廊下には、各部署で利用者様に作っていただいた作品の数々を展示しました。作品はお神輿や貼り絵があり、中には、職員が趣味で造られた五重塔も飾ってあり、とても賑やかな廊下となりました。

 今年も無事盛大に行えたのは、スタッフの協力はもちろんですが、利用者様やご家族の協力もあったからこそ盛り上がったものだと思います。今年の感謝祭にご協力いただいた皆様に、この場をお借りし心からお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

 

今月の事業所便り

 あかしあの里Ⅲ

   お玉を使ってのボール渡し

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 10月24日に運動会をしました。全員で紅白に分かれハチマキをまき、代表のOさんの選手宣誓に始まり、パン食い競争や玉入れ、お玉を使ってのボール渡し等を行いました。皆さん真剣な表情で競技に望まれ、上手に出来たときには「うまいな。」失敗しても「がんばれ。」と声援を送って楽しい時間を過すことができました。体を動かしてお腹がすいたところで、昼食にお寿司を食べれば、皆さん「毎日運動会をしたい。」と元気な声も聞かれ、来年の開催を楽しみに終わりました。

 

 あかしあの里Ⅰ

   快晴のピクニック

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 グループホームあかしあの里Ⅰでは10月15日に赤城ユートピアの公園にお弁当を持ちピクニックに行ってきました。現地に到着し散策を予定していたのですが、入居者皆様の強い要望ですぐに食事をすることに変更。快晴の天気にも恵まれ、広い芝生の上で食べるお弁当は、格別に美味しかったようで、皆様お腹いっぱい召し上がられていました。園内を散策すると、「空気がおいしいね」と散歩の好きな入居者が言われるなど皆様自然を満喫されたようです。秋も深まってきましたがまた美味しい食事をしに出かけて行きたいと思いました。

 

 涼風の家

   伝統芸能、獅子舞見学

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10月13日、水沼神社獅子舞の見学に行きました。昔からの伝統芸能はとても素晴らしく、入居者の皆さんは歓声をあげて喜んでいました。地元青年団からふるまわれた甘酒で体も温まり、地域の方たちと話もはずみ、楽しい夜を過ごすことができました。

 

 あかしあの里Ⅱ

   はにわの里へコスモス見学

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 あかしあの里Ⅱでは、10月30日に群馬町にある『はにわの里』へコスモス見学へ行きました。少し時期は遅くなりましたが、コスモスはまだまだ沢山さいていました。入居者の方には、自分でコスモスを摘んでいただいてホームで飾ることにしました。皆さん、はにわの里は初めてで「とても綺麗で沢山咲いているね」と笑顔も沢山見られました。コスモス見学のあとは、「とんでん」で外食を楽しんでお話も盛り上がり、余裕をもって、帰宅することができ入居者の皆さんにも、久しぶりの外出を楽しんでいただけたようでした。 

 

 創春館通所リハビリ

   通所リハビリ 運動会

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 10月10日 晴れ、日頃のリハビリの成果を発揮すべく、創春館 通所リハビリ、秋の大運動会が行われました。赤、白に分かれた選手団の代表が選手宣誓を行うと、フロアに緊張が走り、ハチマキを締めなおす手に、力が入ります。火薬の臭いが懐かしいピストルの合図と、運動会では定番の音楽「天国と地獄」、「クシコスの郵便馬車」が賑やかに流れると、ワクワクして、足踏みをしたくなるのは、私達だけではないと思います。さて、運動会の始まりです。玉入れでは、まるで的が職員なの?というくらい、職員の頭に玉があたり、その悲鳴が、また、笑いを誘っていました。今日のメインイベント個人競技の借り物競争です。ロンドンオリンピックにも負けない重さの金、銀のメダルをかけての戦いです。熾烈な戦いの末、勝ち取ったメダルをテレビの画面で見るようなポーズ(メダルをかじる)で、記念写真。笑顔が輝いていたのは、言うまでもありません。次は、職員対抗の三輪車レース、小さい三輪車にまたがる姿は、罰ゲームさながらです。ペダルを漕げない人や、転倒する人。普段、笑顔を見せない利用者様も大笑いをしていました。〆に全員で力を合わせ、赤白対抗ボール送りをして決着がつきました。今年は、2日間とも、赤に優勝旗が授与され、運動会は終了しました。

 

 ケアセンター朱咲

   事務長とどんな競技したんですか?

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 10月10日に1階、2階合同で第3回朱咲運動会を行ないました。当日、事務長のゲストもあり、更に盛り上がりました。紅組、白組に分かれていただき、どの利用者様も玉入れ、パン食い競争と元気一杯に行なっていました。最後は事務長と職員の競技を見ていただき、大爆笑で怪我なく終わる事ができました。 

 

 グループホームゆめさき

   紅葉ドライブに行ってきました!

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 グループホームゆめさきでは、10月25日に赤城ふれあい公園へ紅葉ドライブに出掛けました。天候にも恵まれ、とても良い日でした。当初は、木の家にてお弁当を食べる予定でしたが、外の公園で食べる事が出来ました。外で食べるお弁当は、いつもより美味しく、普段、食の細い方も完食され、おかわりをされるほどでした。昼食後は、ローラー滑り台で遊んだり、遊歩道で散歩をしたり、歌を歌ったりと皆さんゆったりと過ごす事が出来ました。紅葉もちょうど見ごろを向かえており、「綺麗だね、あの上の方まで歩いて行きたい位だよ」という声なども聞かれており、帰るのがもったいない位でした。今後、また皆さんの笑顔が多く見られる様な行事を沢山考えていきたいと思います。

 

 療養棟3階

   笑顔の絶えない運動会

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10月18日(木)に専門棟では、「秋の大運動会」を行いました。競技は、利用者によるパン食い競争・玉入れ、職員による叩いてかぶってじゃんけんポン・飴玉探しでした。利用者の中にはパン食い競争で獲得したパンを玉入れの時に玉の代わりに投げる方や叩いてかぶってじゃんけんポンに挑戦する方もいらっしゃいました。利用者だけでなく、職員も笑顔が絶えず一緒に楽しめた運動会になったと思います。これからも、利用者と職員が共に楽しめるイベントを継続していきたいと思います。

 

 療養棟2階

   こちらは真剣勝負の運動会?

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 療養棟2階では、24日に秋恒例の運動会を行ないました。今年は利用者様の意見で、赤組は男性利用者、白組は女性利用者に分けて、各代表者の選手宣誓後にボール渡しや、玉入れ競技、パン食い競争など行いました。競技前から「がんばるぞ、絶対勝つ」など多くの発言も聞かれ、参加者は真剣に、時には笑顔で楽しまれていました。今年は赤組の男性利用者の方々が勝利され、万歳三唱を行い、白組の女性利用者の方々は小さい万歳にて終了し、「今度はいつやるの?」「面白かった!」などの発言も聞かれていました。今後も皆さんが楽しく行なえる企画を開催していきたいと思います。

 

 クリニック通所リハビリ

    芸術の秋、書道にチャレンジ

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 秋が深まり、紅葉も奇麗な季節となりました。クリニックでは、皆様、様々な作品にチャレンジしていますが、本日は「芸術の秋」ということで、書道について紹介したいと思います。書道は、ペン字に比べ、筆も太く半紙に大きな文字を書くことが求められるため、難易度は高いものと思われます。しかし、うまく動かない手でチャレンジしている方、脳梗塞の後遺症で右手が動きにくく、左手でチャレンジしている方など、皆様一生懸命取り組まれています。みなさんも、今秋の取り組みの1つとして挑戦してみてはいかがですか?

 

 星辰の家

   みんなで楽しい運動会

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 星辰の家では10月10日に運動会を開催いたしました。グループホームと小規模多機能の利用者様と職員を紅白の組に分け、輪投げ、玉入れ、パン食い競争で競いました。普段は大人しい利用者様も、職員参加のパン食い競争の時は「がんばれ~~!」と大声を上げて声援を送っておりました。玉入れも利用者様同士協力し、多くの玉をカゴの中に入れておりました。短い時間だったかもしれませんが、とても盛り上がり利用者の皆様には楽しいひと時を過ごして頂けたかと思います。

 

 明月

   ファイト一発!明月秋の大運動会

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 「位置について、よーいドン!」にぎやかにスタートしたのは10月16日~19日に行われた明月秋の大運動会。紅白の鉢巻きをして、チーム対抗で競技開始。玉入れに、輪渡し、パン食い競争など盛り沢山の対戦に、利用者様も子供の頃を思い出したかのように熱中されていました。パン食い競争で獲得したあんこやクリームのパンは、おやつでとてもおいしそうに召し上がっていました。ある利用者様からは「いい思い出になりました。ありがとうございました。」とお褒めの言葉もいただき、来月も思い出、印象に残る行事を明月ではしていきたいと思います。

 

 デイサービスゆめさき

   おいしかったね、外食ツアー

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 デイサービスゆめさきでは、10月29日から31日の3日間、外食ツアーを実施しました。場所は源氏レストランです。事前にメニューを借り、食べたいものを選んで当日を迎えました。普段なかなか外食は出来ないので、皆さん嬉しそうでした。たまには外で食べるのもいいね。また来たいなどの声もありました。食後は、ドライブがてら、吉岡のコスモスを観にいきました。お腹もいっぱいになり、満開のコスモス畑で皆さん笑顔。いい思い出になりました。皆さんに楽しんでいただけたのでよかったです。

 

 わきあいあい

   榛名湖紅葉ドライブ

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 わきあいあいでは、10月19日金曜日、誕生日会のイベントとして榛名山へドライブに出かけてきました。河鹿橋~榛名湖周辺に行ってきました。まだまだ紅葉が早いと思いましたが、山頂の方は大分色がついていました。利用者様から「綺麗だね~」との声も聞かれ、とても喜んでいただけたようでした。これからも楽しく過ごしていただけるよういろいろ計画していきたいと思います。

 

 しらさぎ

   大盛り上がりの運動会!

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 19日にグループホームしらさぎでは、第5回しらさぎ運動会を行ないました。当日は芳賀中学校の職場体験学習で来ていた生徒さん3名も加わり、賑やかに行なわれました。運動会の定番の玉入れから始まり、職員も加わった借り物競走では可愛らしい衣装から、変な格好まで色とりどりの仮装をさせられ、だんだんと怪しい集団に・・・。中学生も競技に参加してもらって、慣れない車椅子の操作を体験する貴重な(?)学習の場になりました。マシュマロ探し競走では全員顔に粉を付け、真っ白になりながら、頑張っていました。勝負は僅差で赤組の勝ちとなり、運動会は大盛り上がりでした。最後には皆でテーブルを囲んで、美味しいお弁当を食べながら、話に華が咲いていました。

 

 

 吾輩はジータである そしてまた貴方に恋している

  
                                 東郷 彦四郎



    第22章 「甲子園への道(2)」

 1985年、7月夕刻、夏の大会に向けての壮行会が、学校の食堂で行なわれた。この壮行会から夏の大会は始まるのである。リンさんにとっても、毎年ワクワクした気持ちで迎える会であった。関係者や父母達が待ち構える中、約60名近い選手の一団が、晴れがましい顔で入場してくる瞬間、言いようのない感動で胸がいっぱいになる。丸坊主の選手達は、どの顔も黒光りするほど日焼けし、白の半袖シャツと黒のズボン姿は、青春の躍動美にあふれていた。選手達が、弁当やお菓子、そしてお茶などが並べられた、テーブルの前に着席する頃には、食堂内には、若いエネルギーの匂いが満ちあふれ、「あの子ったら、あんなだらしないズボンのはき方をしてるんだから。」とか、「3年間って早いわねぇ、でも考えてみたら、4月に入学して7月に試合だから、実際は2年と3カ月しかないのね。」とか、「なんかこれで高校野球も終りと思うと、さみしい気持ちね。」などと、興奮した父母のささやきを聞くのも、リンさんの楽しみの瞬間だった。リンさんは、毎年、父母達の後ろから選手達の姿をのぞき見つつ、熱気と興奮に包まれる壮行会が大好きだった。

 最初にマイクを握ったのは、柳澤敏幸校長だった。ずんぐりむっくりの田舎のオヤジ風の、アイヌの面影も感じる顔立ちだが、意外にも、趣味はピアノと英語と言う、風流な一面もある校長だった。「校長の柳澤です。本日は一言激励の言葉をおかけしたく、まいりました。今まで本校は、幾度もチャンスがありながら、甲子園の道を阻まれてきました。春の大会は惜しくも決勝で負けましたが、その後の部員達の頑張りを見ていますと、今年こそ、夢がかなえられるのではと期待しています。この暑さです、体調を崩さないよう、万全の体調管理で、夏の大会に臨んでいただきたいと思っています。また、御父母の皆さん、日頃は学校行事にご協力いただき、誠にありがとうございます。朝早くからの弁当作りとユニフォームの洗濯など、日頃のご苦労を考えますと、皆様方のご苦労が、何とか報われますよう祈っています。今年の夏の優勝を信じている、とのメッセージを伝え、私の挨拶とさせていただきます。」前列に居並ぶOB会長や後援会会長からも、今年こそ甲子園、という挨拶が続いた。主催者の父母会から選手達に千羽鶴が贈られ、選手たち全員の、夏の大会に臨むにあたっての決意が述べられた後、最後に今年度主将、諸田竹夫(富士見中出身)が、マイクを持って進み出て来た。1年の時からリンさんが面倒をみてきた男である。小柄な身体で、キャッチャーというポジションのせいか、ケガが絶えることなく、春の大会の時には、右手の小指が骨折していると診断されたのに、「おばさん、監督には内緒にしておいて下さい。」と言って、手袋でごまかして試合に出場した男である。毎晩リンさんは、メリケン粉にお酢を、こねまわし、10cm四方くらいの布に塗りつけた、特製の湿布で手当てして励ました。

 「本日はこの様な壮行会を開いて下さり、ありがとうございます。昨年、キャプテンに指名された時は、私でつとまるのかと不安でいっぱいでしたが、皆はついて来てくれました。チームワークと団結力ではどこにも負けません。今年は必ず甲子園に行きます!」との思いつめたような、決死の決意が述べられると、会場全体に、揺れるような万雷の拍手が響き渡った。リンさんは、毎年行なわれるそんな会を眺めながら、今年は何かが違うと感じていた。甲子園を狙うという、言葉の真剣味がまるで違うのである。今まで感じたことのない感情が湧き起こった。戦争中、出征兵士をみんなで送った頃のことが、思い出されたのである。今年の選手の顔つきは、死を覚悟した兵士の匂いがした。選手も、彼らを応援する父母も、皆が真剣だった。最後に、選手はもちろん、校長先生や父母も、全員が踊った、あの名物『大根踊り』だって、みんな大笑いしながらも、一生懸命足を交互に上げていた。リンさんだって生れてはじめて、見つからないように足を上げていたくらいだもの。

 「第64回、夏の全国高等学校野球選手権群馬大会の開催です。選手入場!」のアナウンスに、前橋市敷島球場に集まった選手達の入場行進が始まった。リンさんは、みんなんに内緒で、たった一人バックネット裏に腰かけ、選手達の入場を眺めていた、「東京N大二高」の名が告げられると、身を乗り出すように選手達の姿を追った。出場選手15名中、実に10名がリンさんが寮で世話をしてきた選手だった。先頭のキャプテン諸田をはじめ、どの顔にも晴れやかな笑顔が見られ、諸田と仲のいい、長身のファースト山中文夫も、ニコニコ笑いながら何事か諸田に話しかけていた。「1、2、1、2」というかけ声に合わせ、上げられる足は、見事に揃っており、サック、サックというスパイクの音が聞こえるかのような行進であった。「入場からして、気合いと団結が他の高校と違ってる。気持ちが一つになった良い行進だ。」とリンさんは嬉しくなった。

 開会式から3日目、いよいよ二高野球部の戦いの幕が切っておとされた。1回戦の相手は前橋C央高校、打っては7点の猛攻、エース鎌塚賢二(大間々出身、星辰中学)の完封により、7対0のコールド勝ち、2、3回戦は、相手投手を打ちあぐね、終盤まで、1球1球に手に汗握る戦いだったが、前橋I英高校を3対0、T林高校を1対0と下した。二高の鎌塚は力投を見せた。鎌塚も寮生だった。リンさんは鎌塚を信じていた。毎日、あんなに走った子を見た事がなかった。学校の裏山を、毎日まるで忍者のように走っていた。

 準々決勝は、北毛の雄、T根商業が相手だった。この試合は、前半、鎌塚が打たれ、2対2の接戦となったが、後半、今まで不調だった4番北島規光(サード)の長打が出て、9回裏まで3対2とリードしていた。9回裏のT根商業は2アウトになりながらも、鎌塚を攻め立て、2,3塁と一打逆転のランナーを貯めていた。T根商業の3番バッターが、鎌塚のカーブを捉え快音を響かせた時、打球はライト中澤大八郎の頭上をはるかに超えた、と、誰もが思い、T根商業のスタンドからは歓声が湧き、二高のスタンドはシーンとした。

 そのすぐ後、奇跡のプレーが見られたのである。打球が打たれた1秒程の間に、くるりと背を向けた中澤は、打球をみることなく、一目散にフェンス方向に走った。再びくるりと振り向いた瞬間、ボールは中澤のグラブに入り、そのまま中澤はフェンスに激突し、倒れた。見ている人全員が信じられない事が起こったと感じた。中澤に駆け寄った審判も、数秒間手を挙げるのを忘れ、グラブの中にボールがあるのを確認し、しばらくして高々と手を挙げ、「アウト!」と大きな声でコールした。決死の判断と決断がもたらした、奇蹟と呼ぶにふさわしいプレーだった。照れ笑いを浮かべたオジサン顔の中澤が戻ってくるとき、敵のT根商業からも拍手が湧き起こった。そうした奇蹟のプレーでベスト4へ進んだ。

 準決勝は、同じ高崎の、格では圧倒的に向こうが上の、名門中の名門T崎商業高校であった。この試合はついていた試合であった。ドラマは1塁側スタンドにいた、リンさんの目の前で起こった。9回裏まで2対1と、リードされていた場面、ランナー1塁、二アウト。9番山中文夫(ファースト)が振りぬいた打球は、フラフラとライト前に打ちあがった。捕るのに難しい打球ではなかった。スタンド全員の誰もがこれで試合は終わったと思った。リンさんも思わずため息をつき、ライトがまさにボールをグラブにおさめようと構えた時、一陣の風がバックネット方向に吹いたのである。ライトの選手は、つんのめるようにボールをグラブの土手に当て、落とした。リンさんはその風に奇蹟を感じた。いや、何か不思議な気配を感じた、といった方が正しいだろうか。2アウト1、3塁となって、その後あろうことか、ピッチャーが暴投、土壇場で同点となったのである。落胆した相手投手に、もう投げる気力は残っていなかった。続くバッターにヒットを打たれ、二高の劇的なサヨナラ勝ちとなった。ホームベースでの挨拶のあと、ベンチに戻ってきた選手達は、全員、肩をたたき合い、抱き合いながら勝利に浸った。

 「まだ終わってない、もう一戦あるぞ!」との監督の声が響いたが、選手達の興奮は浮かれたものではなく、次の試合への更なるエネルギーになっているように感じられた。いよいよ決勝戦である。対戦相手は予想通り、春の覇者M橋工業となった。いよいよ最後の決戦の時がやってきたのである。

 

 

院長先生の健康豆知識

 

 「iPS(人工多能性幹細胞)雑感」

 友人で、30歳の頃から、腎不全で、透析治療を受けている人がいます。現在63になりますから、30年以上の透析生活です。1回の透析時間が約4時間、それを週3回やらなければなりません。毎回、色鉛筆の芯よりも太い針を2本刺され、透析時間中はベッドから離れる事はできません。透析患者の大部分の方は、一滴の尿も出ない為、のどが渇いたからといって、ガブガブ水を飲む事もできません。「もうこんな生活はうんざりだ。」と思うのが普通の心情でしょう。実際、彼も格別うんざりだと思うようになったのでしょう。最初に父親の腎臓を貰ったが、数年してその腎臓はダメになりました。次に、腎臓移植希望者に登録し、ドナーの腎臓を2回貰いましたが、いずれも数年ももたず、機能を果たさなくなりました。最後には、奥さんの腎臓まで貰いましたが、やはり失敗に終わりました。壮絶な闘病生活を省みますと、彼にかける言葉もない、というのが実情です。そんな彼ですから、一瞬でも、iPS細胞で自分の腎臓が作れれば、と、空想したに違いありません。もし、自分のiPS細胞から腎臓が作れれば、今迄、移植失敗の原因となった、拒絶反応もなく、免疫抑制剤ものむ必要はなく、透析を離れた生活ができる、と。現在では、空想ではなく、iPS細胞から腎臓の細胞は作られる筈です。しかし、それはあくまで、バラバラの腎臓細胞が作られるという事で、器官となって目にできる、あのそら豆のような腎臓が作られる訳ではありません。ちょうど、積木の材料は作られるが、積木そのものは、作られないといった現状です。実を言うと、積木は作ろうと思えば作れるんです。大きな声では言われませんが、iPS細胞は1人の人間になれる細胞です。自分と同じ人間を作り、その臓器を自分に移植すればいいという話ですが、こうして書いていてもおぞましい話で、だから誰もその事に触れないんです。人間あっての臓器なのに、人間に触れないで、臓器だけの問題で処理しようとする胡散臭さがあります。積木の一部の修復であったり、組み立てなくてもいい臓器、もしくは、バラバラの細胞だけの問題であれば、おぞましい話を持ち出される事もなく、実用化の道がすぐにでも開けそうです。バラバラの細胞という事でいえば、血液ですね。私が医者になりたての30年程前、骨髄移植の現場では、さかんに血液幹細胞という言葉が飛びかっていました。赤血球、白血球、リンパ球等々の大もととなる、大親分です。この大親分から、赤血球組、白血球組、リンパ球組、という組長が生まれ、それぞれの組長から様々な構成員が生まれる、というのが、血液の血球成分の成り立ちです。したがって、大親分を見つけ、つかまえれば、あとは自動的に組長、組員ができあがるという訳です。大親分を見つけようと必死の時代でした。白血球のガンである、白血病の治療として、骨髄移植があります。その場合、まずは、例えばN組にまぎれ込んだ、多数の増え続けるガン組員をやっつける為、N組そのものの構成員、ガン組員、両方共、根こそぎ殺す事になります。もし、N組の大親分を見つけ、確保する事ができれば、放射線と化学療法で無人となった骨髄に、大親分を戻してやる事で、N組の再生は可能となります。残念ながら、当時はもちろん、現在でも、大親分がどこに住んでいるか分からない現状では、大親分を確保できず、他人の骨髄から、大親分を貰うことになります。骨髄移植では、そうして、他人の大親分が住みついて、組員を構成するのです。したがって、赤血球、白血球…、全ての血球が他人のものになります。血液型だって、移植後は、貰った人の血液型になります。「私は以前はO型だったけど、今はB型なの」という人がいても、嘘だと思わないで下さい。自分のiPS細胞から血液幹細胞を作れば、他人の骨髄は必要ありません。自分の細胞から作った大親分を、空になった骨髄に移せばいい訳です。

 それにしても、30年前は、血液の大親分とそのファミリーを、必死になって同定しようとしていた時代でした。大親分が組長になって、色々な役割を果たす組員になっていく様子を眺めていました。血液の世界では、ヤクザの世界とは逆に、役割の決まった組員が、組長に、そして大親分に舞い戻る、なんていうのは、想像外の世界でした。iPS細胞とは、取り立ての組員が(ドラマだけの世界でしか見た事はありませんが)、大親分に変身したようなものです。ノーベル賞山中教授は、組員を大親分に変身させる方法を見つけたのです。こうして作られた大親分は、自然に生まれる大親分と、ほぼ同等の力を持っている事は、確かなようです。しかし、この大親分が、今後どのような災いをもたらすか、沢山の危惧も伝えられています。遺伝子操作という、命を扱う研究には、とてつもなく大きな危険性が孕んでいると、漠然とした不安を感じているのですが、こうした不安が、杞憂に終わるよう、みんなで見守っていく必要があります。

 

今月の行事予定

 

☆あかしあの里Ⅱ☆

17日 お誕生日会

中旬 秋の大運動会

未定 外食

 

☆通所リハビリ☆

 8日 芙謡会による民謡発表会

10日 アロハエンジェルス

14、16、17日 お誕生日会 

20日 民謡踊り教室

22~28日 紅葉ドライブ

30日 さくら筝の琴の演奏会

 

☆GHゆめさき☆

 4日 朱咲との合同運動会

 9日 避難訓練

18日 お誕生日会

20日 掃除の日

21日 外出

 

☆わきあいあい☆

 8、9日 運動会

16日 誕生日ドライブ

20日 パンバイキング

 

☆明月☆

 5日 大正琴慰問

未定

 紅葉狩り

 収穫祭

 外食ツアー

 ドライブ

 

☆療養棟三階☆

 8日 買い物ツアー

22日 おやつ作り(ホットケーキ)

29日 お誕生日会

 

☆春らんらん☆

 5、~7日 紅葉ドライブ

16日 お菓子作り

29日 芋煮会&バーベキュー

 

☆GHしらさぎ☆

10日 お誕生日会

13日 紅葉ドライブ

21日 外食&リンゴ狩り

 

☆療養棟二階☆

 8日 買い物ツアー

14日 おやつ作り

28日 お誕生日会

 

☆星辰の家☆

 5~9日 紅葉ドライブツアー

27日 お誕生日会

 

☆あかしあの里Ⅰ☆

11月上旬 食事&紅葉ドライブ

 

☆あかしあの里Ⅲ☆

13日 手作りおやつ

21日 日輪寺町文化祭見学

日程未定 外食&ドライブ

 

☆DSゆめさき☆

 1~3日 おやつ作り

 5、6、8、10日 紅葉ドライブ

 9日 避難訓練

 7、13、15日 お誕生日会

19、21日 映画上映会

20日 久保さんカラオケ慰問

 

☆朱咲の家☆

 5~9日 紅葉ドライブ

12日 焼いも(1、2階合同)

18日 お誕生日会

19~23日 外食レク

 

☆涼風の家☆

18日 お茶会

23日 やまなみ祭見学

日時未定 紅葉狩りドライブ

 

 

文芸作品

 

  「龍蔵寺門前にて」

青く澄む 空に飛び交う 小鳥達 

      塒(ねぐら)に帰れと 寺鐘に追われ


  「晩秋」

風に哭く ススキの花と 野の花と 

      頭を垂れて 浮雲泳ぐ

                                 高橋 三佐男様


高麗川の せせらぎに沿う 巾着田

      燃ゆるが如く 彼岸花咲く


幼子を 前後に乗せて 若いママ

      雨降るなかを 自転車で行く


父母よりも はるかに超えし わが齢よ

      大事に生きん 終の日までは

                                   影山 えいじ様



秋の空 流れし雲を 目で追えば

      若かりし頃の あの人想ふ

                                   原田 カヅヱ様



秋晴れの 今日もよき日で 終わりけり

虫の声 消えつつ闇の 迫りきし

日短かと なりつつ今日も 無事に暮れ

                                 増田 静江様



良き人生と 思わば思へ 少々無理

子供守らず 己を守る 教育者

行く先も なきと活断層の 上に居る

                                 今井 ミチエ様 



病んで知る 妻への思い しみじみと

つまずいた 段差に腰を 叩かれる

年ごとに 診察券が 増えていく 

病んで見て 三欲みんな なくなって 

                                 菅野 邦夫様

 ※ 菅野邦夫様の作品は介護川柳に投稿しました。

 

編集後記

 さんぽみち11月号いかがだったでしょう?暑さが過ぎ、寒さもまだ厳しくはないこのいい時期に、旅行に行かれる方も多いと思います。私のいる伊香保では、紅葉が見頃を迎え、連日観光客で賑わっています。利用者様と外出の際もそうですが、旅行で一番困るのはトイレですね。コンビニ等の普及によってトイレを見つけるのは容易にはなっていますが、ただトイレだけ使うのは申し訳ないと、余分なものを飲み食いし、出費と体重を増やしてしまっている今日この頃です。
 さて、今年も残り僅かになりました。寒さも厳しくなってまいりますが、皆様風邪等ひかぬようお気を付け下さい。来月のさんぽみちもよろしくお願い致します。

   伊香保ケアセンター明月 布施 和也