平成23年7月号

さんぽみち7月号目次

・グリーンカーテンで上手に節電!
・ケアセンター朱咲 開設2周年
・今月の事業所便り
・院長先生の健康豆知識
・吾輩はジータである
・委員会便り
・文芸作品
・今月の行事予定
・投稿コラム
・編集後記

 

星辰の家では、夏の思い出作りに、朝顔とゴーヤでグリーンカーテン

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電力不足が懸念される今年の夏、星辰の家でも節電に向けた努力を行っています。
照明については、使用していないエリアは消灯を徹底して間引きをする。使わないコンセントは抜いてしまう。ポットは使用せず、魔法瓶で対応する。空調の設定温度を徹底する、などなど。どれもちょっとした事ではありますが、確実に実行できれば必ず15%の節電につながると思っています。
一番工夫が必要なのはやっぱり空調!節電を意識するあまり、利用者の方々が熱中症や体調を崩されてはまさに本末転倒。その為、上手に冷房効率をあげて、快適に過ごして頂くため、ゴーヤやアサガオでグリーンカーテンを設置しました。夏本番に向けて成長が間に合うか不安ではありますが、無理をせず、工夫をこらした温度設定・節電行動でこの夏の危機を乗り越えられればと思っています。
夏本番の7月、各事業所でも節電に向けた取り組みを行っています。温度ばかりに目を向けるのではなく、目で耳で清涼感を味わえるような取り組みも行っていきたいと思っています。

 

ケアセンター朱咲今まで以上に!

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ケアセンター朱咲は平成23年7月をもって、開設2周年を迎えることができました。これもひとえに市関係者、地域の方々、利用者及び家族の方々のご理解、ご協力の賜物であり、厚く御礼申し上げます。
当施設は、中国の神話で天の四方の方角を司る霊獣(東の青竜・西の白虎・南の朱雀・北の玄武)から当法人の母体の南方に位置する施設として、また前橋南部の方々の守り神になれるようにとケアセンター朱咲(朱雀)と名付けられました。現在、22名の個性豊かな職員が小規模多機能ホームとグループホームで働いています。

開設2周年とまだまだ歴史は浅く、地域の方々との関係や交流もまだまだ足らない部分があると思いますが、この南町の地にしっかりと根を下ろし、『感謝・感動・感激』の気持ちを常に忘れず、これからも地域の方々に信頼され愛される施設になれるよう職員一同努力してまいります。

当法人の『小規模多機能&グループホーム三兄弟』の次男坊として、長男(星辰の家)に追いつき、三男(春らんらん)に追い抜かれないよう頑張ってまいります。これからもケアセンター朱咲へのご支援ご協力の程、よろしくお願いします。

ケアセンター朱咲  管理者 石関 和行

 

今月の事業所便り

春らんらん 県庁へドライブ

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春らんらんでは、6月27日~29日の3日間に分けて、群馬県の県庁へドライブに行ってきました。お弁当を持って、31階で景色を眺めながら召し上がり、いつもと違った雰囲気で気分転換にもなったようです。32階の展望台では「あそこが春らんらんかね~!?」と探してみたり、「栗みたいのがあるよ!!」と眺めを一望し、楽しまれたようです。

 

療養棟2階 父の日恒例??癒しのスナック

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療養棟二階では、6月16日に父の日の催しを行いました。男性利用者に喜んでいただこうと、スナック創春館を開き、選りすぐりの美女(男性職員)五人がもてなしました。それぞれのチャームポイント、源氏名を紹介し、お酒、ジュースを注ぎ、乾杯の挨拶で開会となりました。
それぞれの美しさ?に男性の顔もほころんで、女性の方々にも笑顔がこぼれていました。父の日ということもあり、昨年も作製しましたが、父にちなんだ乳(ちち)プリンを用意し、皆様に食べていただきました。こちらも思わず笑顔がこぼれてしまう食べ物で、とても好評でした。男性の方とはデュエットも披露し、大盛り上がりで楽しいひとときでした。

 

クリニック通所リハビリ 次回作も期待しています!

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クリニック通所リハビリでは、リハビリの合間に手芸に取り組む女性利用者様が多くいらっしゃいますが、今回はじめて男性の利用者様が手芸に取り組まれました。手先の器用な方で、色々なことに積極的にチャレンジされています。完成された「棚田」の作品も、女性の方に負けないほどとても綺麗に仕上がっています。ご本人はすでに次回作品への意欲も見せておられます。次に続く男性利用者様のチャレンジをぜひ期待しています。

 

あかしあの里Ⅱ テルテル坊主がききました。

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あかしあの里Ⅱでは、6月23日に「食創庵」という食堂に外食へ行ってきました。何日も前から入居者の方々も楽しみになさっていて、みんなで、テルテル坊主を見て「晴れるといいね。」「久しぶりの外食だから行きたいね」などとワクワクしながら当日まで過ごされていました。みんなで作ったテルテル坊主のお陰で晴れて行くことが出来ました。国道17号線を通る時に、あじさいが咲いていて「きれいだね」「やっぱり花はいいね」と言いながら見られていました。無事に「食創庵」に着き、一人一人食べたい物を注文して、楽しそうにおいしく召し上がっていました。今後も入居者の方に喜んでいただける行事を企画していきたいと思います。

 

星辰の家 あじさい見学ツアー

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星辰の家では、6月のイベントとして20日~24日の間、荻窪公園あいのやまに、利用者様とあじさい見学ツアーへ行って来ました。天候にも恵まれ、雨に降られる事はなく、ゆっくりと公園内を散策する事が出来ました。青・紫・白など鮮やかな色で私達を出迎えてくれました。途中、直売所にて、ソフトクリームを皆さんと食べ、楽しい時間を過ごす事が出来、思い出深い行事となりました。

 

明月 夏の餅つき大会

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まだまだ暑い日が続きますが、6月29日、明月では、臼と杵を用いて本格的な餅つきとして「餅つき大会」を開催しました。
利用者様と職員との協力で杵を振り下ろすたびに、「ヨイショ!ヨイショ!」と周りから声援も聞こえてきました。腰のあるお餅に「美味しいですね。」「おかわり下さい。」と好評で終わることが出来ました。

 

デイサービスゆめさき ありがたいボランティアさんの慰問

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今年6月の慰問で原東カラオケ愛好会様、フラサークル・リノ様、軽スポーツクラブ様、民謡連盟様と4団体のボランティアさんが来館され、色々な趣向を凝らして歌や踊りを披露して頂きました。皆様の衣装も艶やかな色合いのもので、踊られるとゆめさきの中が華やかになりました。ゆめさきにボランティアで慰問に来たいと言っていただく方々が多いので、本当に有難いなと思います。利用者様方々も中々出かけて何か見ようという機会がないので、楽しみにされています。今後もいろいろなボランティア様の慰問を待ちたいと思います。

 

デイサービスわきあいあい 父の日にパンバイキング

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デイサービスわきあいあいでは、6月23、24日に日頃の感謝の気持ちを込めて父の日のイベントを行いました。
昼食会ではパンバイキングを行いました。普段少食の方も、たくさん召し上がられていらっしゃいました。
午後は、赤城山へつつじ見学ドライブに出掛け、楽しいひと時を過ごしました。今後も、利用者様に喜んでいただけるような行事を企画していきたいと思います。

 

あかしあの里Ⅲ これからもお元気で!笑顔の誕生日会

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あかしあの里Ⅲでは、6月13日に誕生日会をおこないました。83歳を迎える入居者の方に、花束とバースディケーキをプレゼントすると、「年取って恥ずかしいなぁ。でも祝ってもらうと嬉しいよ。」と満面の笑顔でした。いつまでもお元気に過ごしていただけるように、これからもしっかりとお世話していきたいと思います。

 

創春館 通所リハビリ

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6月18日土曜日、通所リハビリルームにて「父の日お祝い会」を開催しました。日頃からデイケア利用されている「創春館のお父さん」に感謝する時とさせていただきました。「お父さんの思い出話」については釣りに連れて行ってもらった日のお父さんについて話して下さる方、父のげんこつがこわかったと話して下さる方、「こわがりの父は東日本大地震を避けるように逝ってしまった」と話す職員と、しばし思い出にひたる時となりました。

その後はゲーム大会です。利用者様には「スカットボール」に挑戦していただき、4チームに分かれた選手が日頃の腕を競い合う熱戦となりました。
ゲームに夢中になっている最中、なにやらあやしげな仮装をしたスタッフが登場!テーマは「もしもこんなお父さんがいたら・・・」スーツ姿のお父さん、作業着姿のお父さん、あれ?お母さん?と思えるお父さんがいて、おおいに盛り上りました。
チームリーダーとなったお父さんには「ワンパット大関」(ゴルフのパター練習)で得点を競い合っていただいたものの、なかなかカップインせず大苦戦しました。大きな笑いの渦の中、それぞれのゲームの得点発表、続いて利用者様による仮装したお父さんたちの人気投票となり、汗と泥にまみれた作業服のお父さんが見事一位を獲得しました。ゲームで優勝した利用者様にかつらやお面などをかぶっていただき、記念撮影して終了となりました。
創春館の大切なお父様方がこれからもお元気で過されますように。

 

あかしあの里Ⅰ バラ園で楽しい交流

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グループホームあかしあの里Ⅰは、6月14日にバラ園に行きました。
晴天でしたが、途中から天気雨が降ってきたため、皆で屋根の下で雨宿りしながらバラの歌を歌っていると、同じように雨宿りしていた家族連れのお婆さんが一緒に歌いだすなど、ホーム以外の人たちとの楽しい交流もありました。雨上がりに濡れた花びらから蒸発する良い香りに、バラに近付き匂いを嗅ぐ姿も見られ、バラの色や香りと人との交流を楽しめたバラ園見学でした。

 

療養棟3階 日頃の感謝をこめて

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6月16日に、父の日&おやつ作り(じゃがいももち)を行いました。男性入所者にスタッフからの感謝の言葉の入ったカードが贈られ、驚きと喜びの表情を表す人もいて、こちらまで嬉しくなる場面がありました。
おやつ作りではじゃがいももちを作りましたが、ふかしてつぶされているじゃがいもを皆様で俵型に形作り、真剣でありながら楽しそうな様子でした。ホットプレートで焼いたあと、しょうゆとみりんと片栗粉で作ったたれにつけ、もちもちとおいしそうなおやつが完成し、皆様、美味しそうに召し上がりました。中にはお夕飯が心配になるほど召し上がる方もいて、ちょうど来所していたご家族様からも、おいしいとの賛辞をいただくことができました。みんな楽しく過ごす事ができ、数日早めではありますが、有意義な父の日を過ごせたと思います。

 

涼風の家 楽しいマス釣り

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涼風の家では、6月1日に倉渕の小池養魚場へ、マス釣りに行きました。例年より早く梅雨に入ってしまったため、曇り空での決行となりました。少し肌寒く、今日来たのは失敗したかと思っていたのですが、マス釣りが始まると「かかったよ」と声が響き、竿がしなり大きなマスが釣れました。その後も次から次へとマスが釣れ、寒さを忘れ夢中で釣りをしました。雨が降り始めたころ釣りを終了し、バーベキュー小屋で獲れたてのマスを塩焼きにしました。利用者様に感想を伺うと少し寒かったけど、自分で釣った魚は味が格別に美味しかったと話されていました。

 

グループホームゆめさき バラ園見学&ドライブ

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GHゆめさきは、6月9日にバラ園へ出掛けました。当日は天候も暑すぎず、快適にバラを観賞、散策する事が出来ました。様々な色のバラを観た入居者の皆様は、「綺麗だねぇ」「いろんなバラがあるのね~」と大変喜ばれ見入っていました。また、青空のもと食べたお弁当はとても美味しく、ほとんどの方が完食され食べ終わるのも早いように感じました。これからも花や景色、食べ物など季節を感じて頂けるイベントや外出を計画していきたいとおもいます。

 

ケアセンター朱咲 中学生のボランティア

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ケアセンター朱咲の家では6月13日~16日の4日間、群馬大学付属中学校の生徒さんが3名ずつ計12名、体験学習としてボランテイアに来てくれました。
午前中は、2階のグループホームで利用者様とコミュニケーションを取り、午後は1階の小規模にて利用者様とレクリエーションを楽しみました。また、生徒の方々も出し物を考えてくれて、歌やソーラン節を踊ってくれました。利用者の方々も大変喜ばれ「また来てほしい!」と皆様がおっしゃっていました。

 

グループホームしらさぎ 恒例、明月ドライブツアー

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6月26日、足湯ツアー、伊香保ケアセンター明月へ利用者様全員とスタッフで出掛けました。前日から仕込みをした鳥弁当を持ち、お世話になる明月へ手作りおやつをお土産に出発。道中紫陽花を観ながら明月に到着。入口には「しらさぎ御一行様歓迎」と手作りの垂れ幕に暖かく迎えて頂き、皆で感激。施設内では明月の利用者様と歌を歌い交流ができた事を喜んで下さいました。足湯は皆興味深々!談笑して入っていると、体がぽかぽか体の芯まで暖かく、利用者様は大満足。明月のスタッフの方々のご協力で楽しく過ごす事ができ良い1日になりました。

 

院長先生の健康豆知識

「女性は嘘つき??」

私の医学生時代、各大学の医学部教授の中には、○○天皇と名字に天皇をつけて呼ばれる方がいたようです。高度に細かく専門化された現在の医学では、医療情報については教授といえども、年下のその道の研究家に聞かなければ分からないほどで、とても天皇という圧倒的な存在にはなりえないのですが、当時であれば全てを知っていそうな、そんな圧倒的な存在の教授がいたのです。
私の所属した五十代、内科の教授が、天皇と呼ばれるその人だったのですが、当時の教授の事を偲んで、改めて天皇と呼ばれる条件を考えてみますと、

① 恐そうで無口であり、滅多に笑わないこと。

② 近づいて気さくに話すには、恐れ多いような存在であること。 

③ 圧倒的臨床能力を持っていること。

などが挙げられます。③の臨床能力というのは、患者さんの状況を的確に判断できる能力のことを言うのですが、患者さんの判断と治療を討議するカンファレンスでは、日頃天皇に接するのは週に一度の回診だけに、そこで語られる天皇の抑揚のない言葉は、長く記憶に残ります。ある日のカンファレンスでこんなことがありました。カンファレンスでは、症例呈示の研修生が学校の先生のように、15畳ほどの教室の前に立ち、真向かいの席、前列中央の席には教授、助教授 講師などが座り、それを取り囲むように30名程の医局員が居並ぶ事になっています。立ち見の人もいて週に一度の緊張感と熱気がかもし出されます。

A研修医「えーっ、この28歳の女性患者さんは、十二指腸の潰瘍による出血後の貧血と診断しました。」

天皇「胃の検査では、潰瘍は確認されたのですか?」

A研修医「バリウム検査にて、十二指腸のひきつれがみられています。これがその写真です。」

天皇(うつむきながらボソッと)「写真はあてにならないからねぇ。マルク(骨髄穿刺)は?」

写真はあてにならないと言われたA研修医はとまどいつつ、

A研修医「マルクはやっていません。」

天皇(やはりうつむき加減でボソッと)「マルクはやらなくていいんですかねぇ?」とつぶやくと、あわてたようにA研修医のオーベン(指導医)

Aのオーベン「マルクは来週やる予定です。」と後ろから叫ぶ。

天皇「貧血はあまり鉄欠乏パターンには見えないけど、それでいいんですかねぇ?レチクロ(網状赤血球)は増えていますか?」

A研修医「レチクロは増えていません。」

天皇「鉄欠乏であれば鉄剤に反応するはずですがねぇ。もう鉄剤は投与しているのですか?」

A研修医「投与しています。」

天皇「鉄剤は1錠ですか、2錠ですか?」

A研修医「1錠です。」

天皇「鉄剤は1錠でいいんですかねぇ?」

あわててAのオーベン、後ろから

Aのオーベン「2錠で3ヶ月くらい飲んでいただく予定です。」

天皇「もう鉄剤は投与しているのに、どうして反応しないんですかねぇ?・・・」

A研修医呆然としてオーベンのほうに目を向け、助けを求めるが、オーベン黙っている。しばらくして

天皇「患者さんにはどういうふうに処方しているの?」

A研修医「朝の服用ということで処方しています。」

天皇「鉄剤はのみにくい薬だからねぇ。患者さんがのむところを確認しましたか?」

A研修医「いえ見ていません。本人に確認したところ、しっかりとのんでいるとのことです。」

天皇「しっかりのんでいるところを実際に確認してください。」

そして、最後に天皇からそこいる全員があっけにとられ、言葉を失ってしまう一言が、抑揚のない低いトーンでさりげなく語られた。
「女性は嘘つきだからねぇ。」

医学的格言には「女性を見たら、妊娠を疑え。」という、医学の経験を経るにしたがって、ますます重みを増す言葉がありますが、「女性は嘘つき」という天皇の言葉は、何年たっても輝きを増すことはありません。天皇の言葉とはいえ、いかにも乱暴で軽い言葉だと思うのですが、天皇はボロッと自分の個人的うらみの本音が出たのかなと、今では天皇の言葉をなつかしく、そしてほほえましく感じているのです。

 

吾輩はジータである  ―そしてまた貴方に恋してる―

東郷 彦四郎

第五章  ラブレター

何時、海外の戦地へ送られるか分らない状況の中で、真一はリンと上野でデートした。

デート後、真一がリンに宛てた手紙。

「前略、あなたとお別れして1週間以上経ってしまいました。会っていただいたお礼の気持など、すぐにお伝えしたかったのに、こんなに遅くなり申し訳ありません。実は、今迄内緒にしていたのですが、兵舎内からの手紙は、全て検閲されている為、女性への手紙などは、女々しい軟弱な奴と、配達されるどころかビンタがきそうなので、日曜日の休暇外出の時に、市内の食堂の片隅で書き、ポストに出していたのです。そのため、どうしてもすぐに手紙を書くという訳にはいかないのです。ご安心ください。外からの手紙は滅多な事では開封される事はありませんから。それにしても上野でお会いできたのは楽しい時間でした。あの時上野駅のホームでお別れしたのは、午後4時を過ぎていたと思いますが、前橋に着いた頃は、外も真っ暗だったでしょう。おばさんには叱られずに済みましたか?当方は祖父の13回忌の法事という理由で、休暇計画を提出し、無事計画時間内に帰舎する事ができたものですから、とがめられる事はありませんでした。お会いした時、そうした事をお話しする時間はありませんでしたが、休暇計画については結構細かく質問されます。法事のお坊さんが帰る時間まで聞かれるのですから大変です。幸いな事に、実家の萩まで帰るには、交通の便が悪く、充分時間がかかるものですから、何とか上手にごまかす事ができました。今度の休暇の時には、誰の何回忌の法事にしようかと、今思案中です。上野の精養軒のあずま屋で食べたアイスクリーム、忘れられません。目の前にアイスクリームが来た瞬間、「まあーっ」と言って、あなたの目がきらきら輝くのを見て、とても嬉しく思いました。私達兵隊は、人前で笑って食べるなど許されませんから、いくらかぶすっとしていたかも知れませんが、本当はとてもおいしく、感激する程でした。あの時、横でおいしそうにアイスクリームを食べているリンさんに、前橋ではアイスクリームは食べられるのですか、とか、どこで売っているのですか、とか、色々聞きたい事があった筈なのに、横に女性がいるという感激に、何の言葉も浮かんできませんでした。あなたが側にいるだけで、自分でもよく分からない沢山の思いで一杯で、あふれる程の思いが胸に詰まりながら話している、そんな初めて経験する時間でした。

上野駅から、にぎやかな商店街の通りや、静かな林の中を歩く道すがらでは、まわりの景色がただ通り過ぎるだけで、私の耳には、後ろからついてくるあなたの足音だけが聞こえ、嬉しい気分が風船の様にふくらんで、まるで身体がフワフワ浮いている様な気分でした。そして、上野駅であなたと別れて以来の私には、いつもあなたのおもかげが離れる事なく、無性に楽しく、力が湧いてくるのです。こんな事がありました。あの日、五時頃の広島行きの汽車に乗ったのですが、途中、車内で酔っぱらった40代位の男に「若い兵隊がこんな所で何をブラブラしてやがるんだ」とからまれたのですが、ちっとも腹が立たないのです。また兵舎に帰ってからは、私達初年兵は、ほんのささいな事でビンタを貰ったり、朝六時の集合時間に、誰かが1分1秒でも遅れると、団体責任といって、堅い樫の木で作られた精神棒で、お尻を5回たたかれるのですが、あれ程痛かったお尻の痛みも、それ程痛くないのです。あなたのおもかげを思い浮かべると、楽しく元気が出て、苦労を忘れさせてくれるのです。思い切ってお話しますが、リンさん、恋する気持ってこういう事を言うのでしょうか。初めて味わう不思議な気持なので、お伝えしました。今までの全てが不思議な出来事です。一つの慰問袋が、遠く離れた私達を引き寄せ、2人きりで会えた事。2人きりで話ができた事、2人きりでおにぎりが食べられた事、2人きりで歩いた事、本当に素敵な時間を有難うございました。今は何時戦地に召集されてもおかしくない状況の為、思はず、思っている事をそのまま書いてしまいました。失礼であればお許し下さい。ここの食堂の女主人はとても優しく、こうして食堂で長く居座っていても優しくながめていてくれます。またお会いできる日を楽しみに毎日の訓練頑張ります。元気でいて下さい。」

リンさんからの手紙

「前略、毎日の訓練ご苦労さまです。上野へ行ったのは、私にとってもとても楽しい時間でした。思い切って行ってよかったです。私が作ったおにぎり、とてもおいしそうに召し上がっていただき、嬉しうございました。あなたのお姿やお言葉から、必死にお国の為にの心が感じられ、私も負けないように銃後の守りをと、身のひきしまる思いが致しました。でも、こんな事は言ってはいけない事かも知れませんが、できれば外地への召集がない事を祈る日々でございます。ビンタや精神棒のお話、初めてお聞きする話に、どれ程痛くてつらい事でしょうと、涙がでてきました。どうか怪我なく元気でいて下さいませ。リンもまたお会いできる日を楽しみに、お待ちしています。」

こんな手紙のやりとりが数回続いた半年後に、真一に外地への派遣命令が下ったんじゃ。送られる場所は、真一にも、家族にも知らされる事はなかった。ただ1943年5月、横須賀に集結という事じゃった。そして真一が召集される前の4月、2人は2度目の、最後になるかも知れぬデートをする事になる。それについて話すのは次回の事としよう。今と違って、若者にいつも「死」という文字が浮かんでくる時代の話じゃ。そんな時代を生きのびた孫もいれば、若くに亡くなった孫もいる。そしてこれから何十年も生きていこうという孫もいる。ジータはどんな孫にも「救い」があればと願っているんじゃ。

 

「委員会便り」

環境美化委員会

今年度の活動内容 

 ①施設周辺の草取り
 ②水やり
 ③次季節の花・植物を選定し植え替える
 ④施設内の清掃・故障・破損 場所のチェックを行う。

四季折々の花や植物で、利用者様に和みと癒しの空間を提供できるよう心掛けて行きたいと思っています。また、環境の整い、清潔感のある施設になるよう活動を行っていきたいと思いますので、皆様、御理解・御協力の程宜しくお願い致します。
みんなで少しづつ植えた苗が、いつの間にか、たくさんの花が咲くようになっています。

介護の仕事も、目に見えないものですが、長い時間をかけていくうちに、大きな成果となって現れ出てくるものと信じて頑張ります。

 

文芸作品

紫陽花の 花の谷間に 梅雨の粒
      音も静かに 蛙も跳ねる

色変り 咲く花梅雨の 風物語
   来る年夏は どの色つける

吊り忍ぶ 風鈴下げて 涼感じ

梅雨過ぎて 盛夏到来 蝉しぐれ
     入道雲も 急ぎ挨拶

高橋 三佐男様

 

今日もまた はやる心を 抑えつつ
     筋トレ、脳トレ 1、2、3!

藤林 秀夫様

 

幼き日 メダカ取りにし この小川
   語る友逝き 水また汚る

影山えいじ様

 

紫陽花を 飾りて皆が 癒される

柳澤 照子様

 

雨音と 競う蛙の 賑やかさ

佐藤 美恵子様

 

青田にも 蛙の声にぎわいて

    暮れゆく初夏の 夕日しずにむ

原田 カヅヱ様

 

七夕に 願いばかりを 書く十年
   たまには恋に 心のぞかせ

村田 順子様

 

今月の行事予定

☆療養棟三階☆
 7日 七夕(おやつ作り)
14日 買い物ツアー
28日 お誕生日会

☆療養棟二階☆
 6日 七夕会(おやつ作り)
14日 買い物ツアー
17日 春らんらん交流会
27日 お誕生日会

☆朱咲の家☆
 1日 外食レク
 4日 お誕生日会
 7日 七夕
未定 流しそうめん

☆星辰の家☆
 7日  七夕 
21日 アロマセラピー
22日 お誕生日会
28日 夜の集い

☆明月☆
DS・GH合同 
 7日 七夕祭り
   映画上映会

 DS      GH
ドライブ     ドライブ
お誕生日会    お誕生日会

☆GHしらさぎ☆
13日 おやつ作り
中旬 外食会
下旬 そうめん流し

☆春らんらん☆
7日 七夕
24日 食事作り
30日 町内祭り
8月7日 町内清掃

☆DSゆめさき☆
 6日 ブッチーライブ
 7日 前橋七夕祭り見学
11日~13日 映画上映会
14日~16日 おやつ作り
18、19日 お誕生日会

☆GHゆめさき☆
 5日 流しそうめん(七夕)
 9日 誕生日会
14日 外食ツアー
21日 訪問理容
24日 お誕生日会

☆あかしあの里Ⅰ☆
 7日 七夕(ところてん作り)
 12日 おやつ作り(おまんじゅう) 下旬 寿司パーティー

☆あかしあの里Ⅱ☆
 7日 七夕祭り
18日 「海の日」バイキング
    紙芝居
    おやつ作り

☆あかしあの里Ⅲ☆
 2日 ドライブ&外食
 7日 七夕
11日 ドライブ&外食
16日 手作りおやつ
24日 お誕生日会

☆通所リハビリ☆
7日 七夕のイベント
12日 芙謡会
14日 水野先生のハーモニカ教室
16日 富士見ハーモニカクラブ
20~22日 お誕生日会
29日 アンサンブルそよ風

☆わきあいあい☆
 4~ 6日 あじさい見学ドライブ
 7、 8日 お寿司バイキング
16日 おやつ作り
19・20・21日 流しそうめん
27日 お誕生日会

☆涼風の家☆
 7日 七夕祭り
15日 子ども園お遊戯

 

投稿コラム

国定一家赤城の山を追出し

坂本 正之助

さて浅太郎が叔父勘助の首を持って忠治親分、日光円蔵、三木の文蔵、清水の頑鐡、山王の民五郎の前に差し出し、これで浅太郎と勘助との叔父甥の間に二つ心の無かったことが一件落着したように見えたが、浅太郎にしてみれば親分に疑われたことが心に残り「これで浅太郎に二心の無かったがお解りでしょう。今日限りで親分乾分の盃を水に流しておくんなせえ」と忠治に言った。忠治はここで浅太郎に山を下りられたら国定一家の片腕を取られたのも同然、忠治にしてみれば今は1人で多くの乾分の欲しい立場にあった。
そこで忠治は「浅、今一度思い直してくれ、その代わり勘坊は忠治が命に掛けても堅気に育てるから」と深々と浅太郎に頭を下げた。これが忠治に取って一生の不覚であった。浅太郎もここ迄親分に頭を下げられては所詮親分を好いて今を掛けて乾分になったのだから「親分良く解りましたでござんす。親分今1度親分について参りますお願いします」と忠治に頭を下げると「浅、良く言ってくれた ありがとうよ」と浅の肩を叩いて喜んだ。時は天保13年8月20日の夜明け前、勘助に小遣いを貰って町に遊びに出ていた手下の捕手達数人が勘の在所に戻ってみると、首のない勘助の骸がらが横たわっており、捕手達は驚き大変な騒ぎとなった。直ちに官八州を取締まる代官 中山誠一郎の所に通達して勘助の骸の始末をした。さて通報を受けた中山誠一郎は、これは忠治一家の仕業ではないか、おのれ忠治め博打打ちの分際でお上に逆らうとはなにごとだと。ここで官八州の役人に集結を求め、いよいよ赤城の山の山狩りとなった。中山誠一郎は高崎、前橋、渋川、大胡、伊勢崎、桐生、各地区の役人を集結させ、又江戸から指揮を取る富田錠之助に依頼して捕手達の手配をお願いした。
与力同心月明を含めて総勢300人が集結し、これで赤城の山狩りは整い、西は渋川、南は大胡、東は大間々の三方から山攻めの配慮が決まった。こうして赤城山中を虱潰しに攻める攻略で手配された。その頃忠治は日光円蔵を頭に二十数人の乾分と今日か明日赤城山を下りるのもこれが最後かと、あの忠治の名台詞「赤城の山も今日限り、生れ故郷の国定村を捨て縄張りも捨て、かわいい乾分のお前達とも別れ別れになる門出だ」と乾分達に告げた。その夜田部村の名主の宇右衛門が厳しい役人の目を掠て忠治の籠もる洞窟に訪れ「親分、勘助殺しがあってから厳しい取締りでござんす。でも今のうちなら山から散る事が出来ます。どうか親分今のうちに山を下りてください。今ここで役人達と騒ぎごとを起こしたら、民百姓にまで被害を被り磔台が増えることになります。どうか今のうちに山を下りて下さい」と宇衛門は忠治に頭を下げた。
だが忠治は「いろいろ心尽くし有難うござんす」と頭を下げが「今の忠治にはあの悪代官、中山誠一郎を上州から追い出すまではなんとしても山から下りる訳にいかない。今の心境をお察しください」と宇衛門に告げた。宇衛門は「よく解りました。それでは親分くれぐれもお体を大切に」と述べ山を下りた。そこで忠治が官八州の役人を相手に波乱を起こすか、このまま速やかに山を下りるのか、これから忠治一家の先途はどうなるのか、この先のお話は次回のさんぽみちをお楽しみに。

 

編集後記

7月のさんぽみちはいかがだったでしょうか。「あじさいドライブツアー」や七夕の笹飾り、また、短冊に願い事を書いたりと色々な行事に利用者の方々も楽しまれたことと思います。今年の夏は節電が叫ばれておりますが、熱中症や食欲の低下など心配されます。こまめに水分を摂ったりして体調管理に気を付けていきましょう。施設ではグリーンカーテンを作って、暑さ対策に取り組んでおります。皆様も一緒に取り組んでみてはいかがでしょうか。
今年は、広報委員1年目として施設を盛り上げていきたいと思っております。

星辰の家 樺澤 美香