平成23年9月号

さんぽみち9月号目次

・ゆめさき 納涼祭
・今月の事業所便り
・感謝祭のお知らせ
・院長先生の健康豆知識
・吾輩はジータである
・文芸作品
・今月の行事予定
・委員会便り
・編集後記

 

納涼祭で暑さを吹き飛ばして元気いっぱいです!

デイサービスセンターゆめさき  納涼祭は大盛況

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デイサービスセンターゆめさきでは、8月6日に納涼祭を行いました。今年は初の試みとして、3日を1日にまとめ、多くの利用者様に来ていただき盛大に行いました。今年はお祭りのゲームとして、定番のヨーヨー釣りや輪投げを用意し、皆さん楽しそうに笑いながら童心に帰ってゲームを楽しまれていました。昼食の時間には、職員が鉄板で焼いて作った焼きそばやフランクフルトで、楽しい食事の時間を過ごしました。昼食後は、みんなで御神輿の練り歩きを行いました。「わっしょい!わっしょい!」と大きな声を出して館内を練り歩き、お祭りを盛り上げました。また、今年はボランティアの方に八木節音頭を披露して頂き、活気のある踊りと演奏に会場は大盛り上がりとなりました。そして、最後に全員で大きな輪になり、盆踊りを踊って閉会となりました。利用者様の素敵な笑顔がたくさん見られ、今年の納涼祭は大盛況の内に幕を閉じました。

 

GHゆめさき  ゆめさき納涼祭

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グループホームゆめさきでは、8月7日に家族会を兼ねた納涼祭を行い、今年は初めての試みとして地域の方々を招待しました。

しかし当日はあいにくの雷雨のため、外での屋台は中断となり、DSフロアーにて歌謡ショーを見学。カラオケ上手な方達の歌にうっとりと酔いしれながら御家族の方々と楽しそうに焼きそばや、冷汁、焼まんじゅう、かき氷などを食べられる利用者様の姿が印象的でした。今回の最大の盛り上がりである歌謡ショーでは、皆が知っている「熱海の夜」や「愛のままで」など沢山唄って頂き、最後の曲「マツケンサンバ」では皆でタンバリンを叩きながら唄ったり踊ったり、普段おとなしい利用者の方もこの時はノリノリで参加され、生き生きとされていました。 雨天のせいか地域の方々の参加人数は少なかったものの、沢山の笑顔が見られ、私達も初めての試みではありましたがやって良かったと充実感がありました。また、ボランティアで参加して頂いた方々にも大変お世話になりました。来年こそ、熱い熱い太陽の下で行いたいと思います。

 

今月の事業所便り

春らんらん  そうめんの 上だ下だで いとおかし

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8月24日、春らんらんでは季節感を味わって頂くために流しそうめんを行いました。
利用者から「こんなので本当に流れるの~??」と不安な声も聞かれましたが、無事に流すことができました。そうめんを箸で掴めず素手でとられる方もいましたが、「美味しかったし、楽しかったよ~」と喜んで頂けました。今後も利用者様に楽しんで頂ける様な行事を企画していきたいと思います。

 

療養棟2階  暑い夏もこれで乗り切れる?

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療養棟2階では、8月17日に皆様と一緒にうどん作りを行いました。猛暑と節電の夏を乗り越えるには、栄養をしっかり取らなければとの思いを込めて、うどんを作ってみました。職員のほとんどが未経験なのに対し、利用者の皆様は昔からの卓越した手さばきで、見る見るうちに粉から塊になり、麺棒を手にすると麺板よりも大きく広げられ、見事に太さのそろったうどんを切り刻んでいただけました。夕食時に添えられたうどんは、ズルズルという音と共にあっという間に胃の中へ。これなら2階の皆様は夏バテせずに、夏を乗り越えられると思います。美味しかったので、また機会があったら作りましょうね。

 

クリニック通所リハビリ  とっておきのリハビリ「屋外歩行」

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クリニック通所リハビリでは、個別リハビリの時間に屋外歩行練習として、散歩に出かける利用者様がいらっしゃいます。普段なかなか屋外を歩く機会がない方もいらっしゃいますので、咲いている花や季節の変化を楽しみながら歩いています。花を採ってきてクリニックに飾ったりもしました。散歩のコースとしては、日輪寺や南橘公民館の方まで行くこともあります。近所の方に挨拶をしたり、路面の状況に合わせて歩いていただいたり、周囲の安全確認も行っていただいています。これからも転倒や熱中症に注意しながら、身体機能向上のために続けていきたいと思います。

 

あかしあの里Ⅱ

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8月4日に、食堂でお昼に合わせて流しそうめんを行いました。6名の方が流しそうめんに参加され、楽しまれました。流しそうめんが、初めての入居者の方もおり、「とても美味しかった。」とおっしゃっていました。また、「子供の頃に戻ったようで楽しかった。」という声もきかれました。参加者全員が、「またやりたいね。」とスタッフに言っているのが印象的でした。今後も、入居者の方々に楽しんでいただける行事を、考えていきたいと思います。

 

星辰の家  花火大会

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星辰の家では昨年に続き、今年も施設中庭で花火大会を開催しました。当日は夕方から大粒の雨が降り出して開催が危ぶまれましたが、開催時間の夜7時には雨も上がり開催することが出来ました。花火は安全を考えて吹き出しの花火を中心に、職員が点火をする形で楽しみました。色とりどりの花火が勢いよく吹き出すと、利用者様からは歓声が聞こえて、楽しんでいただけたものと思います。手持ち花火は職員の工夫で、洗濯ハンガーにまとめて吊るしてミニナイアガラとして楽しみました。

 

あかしあの里Ⅲ  誕生会

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8月12日に、誕生会をおこないました。87歳を迎える入居者の方に、花束とバースディケーキをプレゼントし、全員で記念撮影しました。「私はいくつになったんだっけ。」とおっしゃり、お歳を伝えると「そんな年寄りになったんかい。」と驚いていらっしゃいました。「恥ずかしいねぇ。」といいながら、笑顔で写真撮影に応じてくださいました。いつまでも元気に過ごしていただけるように、これからもしっかりとお世話していきたいと思います。

 

デイサービスゆめさき  モンゴルからの留学生

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8月13日~9月14日までモンゴルから女性2名の留学生が体験アルバイトに来ました。新潟の大学に通っていて1ヶ月のみのアルバイトです。初めは利用者様、スタッフ共々戸惑いましたが、2人とも気さくで良く気の利く子達で、リハビリ、レクリエーション、お茶入れ等手伝ってもらい利用者様方と仲良くなり、会話や笑いが絶えない1ヶ月になりました。9月14日で帰ってしまいますが、新潟にいても2人共元気で健康に過ごして頂き、幸せであるよう願っております。貴重な体験有難うウヨンソプド、有難うジョウエイ。

 

デイサービスわきあいあい   好きな食べ物はやっぱりお寿司

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8月16日に夏のイベントとして外食ツアーに出かけました。皆さんの好きな食べ物を伺い、希望の多かったお寿司を食べに行くことに決定。場所は荒牧町の回転寿司「かいおう」、富山産の魚介類が食べれるお店です。席につかれてからは皆さん思い思いに好みのお寿司を注文されお腹いっぱいになられていました。しかし、デザートは別腹。お好みのデザートを注文し皆さん笑顔で召し上がられました。うだるような暑い日でしたが、その暑さを吹きとばすような楽しい1日でした。

 

明 月   流れ流され流しそうめん

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明月では、8月18日に夏の風物詩の「流すそうめん大会」を開催しました。昼食に流しそうめんを行い、利用者様には「あ!もう流れちゃった。」と大はしゃぎで楽しみながら、そうめんを召し上がっていただきました。その後は、スイカ割りを行い「右!左!」と回りからの声援の中で利用者様方は、とても満足そうな表情で笑いが絶えないまま無事に終わることができました。

 

通所リハビリ  合同の納涼祭

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創春館通所リハビリでは、8月3日から6日の4日間クリニックデイと合同の納涼祭が行われました。
「踊り踊るなーら♪♪」と軽快なリズムに乗った盆踊りで始まった納涼祭。今年はお神輿に代わり、中央に櫓を据え男性職員が太鼓をたたきました。2曲目は院長先生の炭坑節で、お祭りムードは、さらに盛り上がりました。
模擬店では、「お好み焼き」「ところてん」「かき氷」が、ふるまわれ、ゲームコーナーでは、「射的」「蛙がピョン」「金魚釣り」が行われました。ハッピや甚平を着てはちまきを巻いた男性職員、髪を結い涼しそうな浴衣を着た女性職員らが、さながら的屋のように大きい声で、呼び込みをし、その声に誘われて、利用者様もそれぞれ、好みの模擬店でお祭り気分を味わいました。
「射的」は2m程先の3種類の的にたまを当て、それが落ちたら当たり。
「蛙がぴょん」はシーソーのような台の先についた籠に蛙を入れて、てこの原理で蛙を飛ばし、はすの葉に何匹乗せることができるかで競う。
「金魚釣り」はクリップつきの折り紙の金魚を磁石のついた釣竿で釣り金魚についた○×で点を競う。といったゲームでした。
内輪話を明かせば、ゲームの準備には知恵を絞り時間をかけました。地域の納涼祭と同じ楽しみを味わって頂く為にどうするかが、今年のテーマだったからです。
その後はお楽しみ抽選会が行われ皆さんにささやかですが、景品をお持ち帰りいただきました。
〆は、始まりと同様、盆踊り、草津湯もみ歌と百歳音頭で幕を閉じました。
今年は震災などの影響で、暗いニュースが多く利用者様の心も沈みがちだったと思います。ひととき童心に帰って楽しい時間をお過ごし頂けたなら、とても嬉しいです。

 

あかしあの里Ⅰ  納涼祭

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8月28日、東京音頭や祭りのビデオが流れる中、水風船釣りをして祭り気分を味わってもらいました。昼は、外に出て日陰でバーべキューをし、子供ビールで乾杯しました。希望者にノンアルコールビールをお酌すると、久しぶりのビールの味に「酔った気分になっちゃった」と、上機嫌でした。夕方は、線香花火や打ち上げ花火をし、皆様の花火の歌の合唱で納涼祭をしめくくりました。今後も皆様の楽しい思い出になるようなサプライズを提供したいと思います。

 

療養棟3階  美味しく出来たうどん作り

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療養棟3階では18日に利用者様とうどん作りを行いました。まず午前中に利用者様と生地を作り、良く捏ね、午後になって、捏ねたものを麺棒でのばしていき、丁度良い厚さになったところで切っていきました。作業中皆さん真剣で、「もっと捏ねたほうが良いね。」「昔は良く作ったんだよ」などの声が聞かれ、楽しそうに取り組まれていました。出来上がったうどんは、夕食に冷やしうどんにして召し上がっていただきました。また皆さんに楽しんでいただけることを企画していきたいです。

 

涼風の家

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涼風の家では流しそうめんを行いました。利用者のみなさんはそうめんをすくうのがとても上手で、スタッフががんばって流しても追いつかない程でした。ねぎやみょうがをたくさん入れてみんなで食べるそうめんはとてもおいしくて、みなさんおなかいっぱい食べたようでした。スタッフもご相伴にあずかり、気が付くと保科、新井、そして金井のお腹はふくらんでいました。ほどほどにしないとね。

 

GHしらさぎ

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しらさぎでは31日にミニ納涼祭を開催しました。輪投げ、ヨーヨー釣りゲームでおおいに盛り上がりました。皆さん真剣な眼差しで輪を投げたり、ヨーヨーがたくさん釣れた時には子供のような笑顔で喜んでいらっしゃいました。模擬店では、やきそば、たこ焼き、フランクフルト、焼きとうもろこし、カキ氷など色んなものを楽しみながら、「おいしいねぇ」と召し上がってました。初めての納涼祭でしたが、大盛況で楽しく過ごす事ができ、夏の思い出が出来ました。

 

ケアセンター朱咲  スイカ割り大会

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目隠しをすると「何も見えないね」と言う利用者様、「もっと前だよ!」「もう少し後ろだよ!」「右だよ!左だよ!」周りの利用者様も声援を送ります。思いっきり叩くが割れません。力強く叩いて少しヒビが入り「わぁー!!」と歓声が上がりました。もう1回叩くと割れました。「皮が厚いね、割れないはずだよ」「種が一杯だね」「赤くて美味しそうだね」と話しは絶えません。その場で一口食べて頂くと「美味しいね!!」と舌鼓を打っていました。

 

感謝祭のお知らせ(続報)

8月も終わりいよいよ感謝祭が近づいてきました。
9月に入っても残暑が厳しいですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?先月お伝えいたしました、感謝祭の詳細が決まりましたので知らせいたします。

日程  平成23年10月2日(日)
場所  メイン会場 創春館1階
    模擬店   創春館前の駐車場
    バザー会場 富士たちばなクリニック
                通所リハビリ室
時間  バザー、模擬店 午前11時30分より
    メイン会場   午後1時30分より<

バザーは昨年同様、職員の皆さんからたくさんの出品物が集まっていますが、関係者だけではなく是非皆様方からも出品をお願いしています。
出品物の条件ですが、両手で運べる程度の大きさ、重さの物まででお願い致します。衣類の場合、古着等はご遠慮下さい。また、新品でクリーニングされたものならば大丈夫です。出品数の制限は御座いませんので出品希望の方がおられましたら職員まで出品物の内容をご連絡下さい。販売価格に関しては当法人の判断にて決定させて頂きます。なお、売上金に於いては全て東日本大震災の義援金として寄付させて頂きますので予めご了承下さい。ご家族・ご親戚お誘い合わせの上ご来館頂きますこと、職員一同心よりお待ちしています。

 

院長先生の健康豆知識

慢性便秘について

「先生、慢性の便秘で困っているんです」と言われると、ヤブ医者はその訴え困るんですと答えたくなります。慢性便秘がどうして起きるのか大体の経過とメカニズムは分っているのですが、ロボットでない人間の身体は、治療に機械的に反応してくれるわけではありません。
便秘はまず第一に、腸に癌などができてないかどうか確認します。そして、腸の中に特別な変化がない時、結腸や直腸が正常に動いてないからだと判断します。次にどういう風に正常でないのか区別します。大まかに3つの型があります。

 ①腸がぶるぶる震える動きをするため、中のものをうまく送りこめない。
 ②腸の動きが悪いかほとんど動かない。
 ③直腸で便意を感じる反射が起きない。

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したがって、逆から言えば、正常な排便とは腸が内容物を送るのに有効な動きを行ない、そうして直腸に貯まった便を出したいと感じ、出そうと思ったらすんなり出る事と言えます。

①の便秘は若い女性に多いタイプで便意と下痢が交互に起こりやすく、自律神経のアンバランスが原因と考えられています。②の場合、当たり前ですが食べた物が長く腸にある為、水分が吸収され硬い便となります。こうしたタイプは年寄りや身体の弱い人、運動の少ない人に多いようです。③の場合、仕事の都合などでしょっちゅう便意をがまんしてしまう人や排便反射が弱い人に多いようです。治療として①のタイプの人は、野菜などの繊維を多く含む食品を勧め、便をやわらかくする薬を処方し、②のタイプの人には腸を動かす薬と腸をふくらます薬を併用する。③のタイプの人には便意を感じたらすぐにトイレに行くように、もしくは決まった時間に便器に腰かけるよう促す。以上が治療の大要で、そんな風に治療するのですが、大抵の慢性の便秘の場合、それで治る訳ではありません。だからヤブ医者は困るのです。
慢性の便秘の場合、ストレスや不安が原因の自律神経障害が背後にある事が多いのです。ちなみにストレスに対処する方法として、医学部教授が勧めている心理療法を紹介しましょう。

 1.ささいなことに苦しむな。
 2.すべてのことはささいなことだ。
 3.それに対処することも逃げることもできないなら 流れに身を任せろ。

私など永遠にできない心理療法です。
私自身、予備校の1年間頑固な便秘に悩まされました。大体週末の土曜日から日曜日になるまで便意を感じないのです。息ばんで出そうとしたので脱肛気味になった事もありました。月に1度は貯め込んだパンツ30枚位を洗って貰いに、下宿先の赤羽から水戸の姉の所まで行くのですが、姉の家に着くなり便意を催し、1時間位は便器に座っていました。ストレスが解放されたのでしょうね。大学入学と共に便秘に悩むことはなくなりました。
ストレスはいつかはなくなったり、新たに出現したりするものです。名医と呼ばれる人は、患者さんに寄り添いながら、ストレスや不安の一つ一つを解消しつつ、先程述べた治療の原則に則って対処していくのでしょうね。しかし、慢性の便秘には、患者さんの側にも根気づよい努力が必要とも思います。自分がどのタイプに相当するか確認しながら、同時に、ストレス解消の方法を色々試しては如何でしょう。

 

我輩はジータである  そしてまた貴方に恋している

東郷 彦四郎 

第8章 「出征」 ( 妹 トシの話 )

兄が中等学校卒業後、海軍に志願すると言った時、両親は必死になって反対しました。「お兄ちゃんが徴兵で中国に行っているのに、何で20歳まで待てんのか。2人共死んでしまったら家は誰が継ぐんだ。」と言って。その頃、勉強や運動のできる子は、志願兵として村の役場の兵事係の人に目がつけられていましたから、兄も学校の先生から勧められていたんでしょう。また村にはかっこいい水兵さんのポスターがありましたから、兄も水兵さんにあこがれていたんでしょう。野球が上手で、ガキ大将だったんです。ひきちぎられたユニホームで野球をしている姿を見た事もあります。私が学校からの帰り道、男の子にからかわれている時なぞ、遠くからくる兄の姿を見ただけで逃げていきました。
呉の師団に入隊した兄が、戦地へ出征のため萩の実家へ帰って来たのは終戦の前の年の4月でした。ちょうど桜の花が満開で、前の日家族や親戚一同揃ってお墓参りした時、そこかしこで桜の花びらが舞っていたのを覚えています。家の裏山の斜面に、10メートル四方の、屋根瓦をのっけた白壁に囲まれた先祖の墓があります。急な坂の石段を30メートルも登っていくと、真正面に、日露戦争で戦死した長男の墓が、がっしりと組み合わされた城の石垣の様な土台の上にそびえていて、その右側には、寄り添うようにおじいさん夫婦の墓がこじんまりと立っていました。
「真一、墓石にはおじいさんの思いが書かれておる。おじいさんの長男は優秀で師範学校を出て先生になっていたが、召集され、奉天の戦いで亡くなったと。どんな思いで言葉を刻んだか。長男が死んで男がいなくなったため、お母さんが婿を貰った。それが私だ。朝鮮や満州はそんな犠牲を払って、ロシアをやっつけて取った土地だ。奪われる訳にはいかんのだ。」「真一、死ななくていいの、帰ってきておくれ」とすぐに母が言った時には、みんなしーんとなってしまい、父も下を向いて黙っていました。

出征する日の朝、近くの神社の境内に地区の人達が集まり、見送ってくれました。区長さんはお国のためにと言うばかりで、無事に帰ってくれとは言ってくれませんでした。兄が「皇国のため立派にご奉公してまいります」ときっぱり話した時には、その姿がかげろうのように大きく立派に見えました。お父さんの姿を探しましたが見つかりませんでした。父は多分人目につかない所で泣いていたのではないでしょうか。母は玄関で見送りました。どうして神社まで一緒に行かないのと変に思ったのですが、多分泣いてしまうと困ると思ったのでしょう。当時、出征する家族が、涙を見せようものなら国賊と言われる、そんな時代でした。あの日の朝の母の顔、目が変だと思ったのですが、多分夜ずっと泣いていたんでしょうね。
神社から駅までは、近くの村々から、大人も子供も沢山の人達が集まってきて、小旗や軍艦旗を振り、軍歌を歌いながらの行列となりました。あの時ほうぼうの村々から集まってきた出征兵士さん達は10名程だったでしょうか。駅の近くの家々には、日の丸が掲げられ、プラットホームには制服を着た青年学生や、エプロンに日の丸たすき掛けの国防婦人会の人達や、在郷軍人さん、出征軍人家族さん、村長さんなどが、どの顔もにこやかな笑顔を浮かべながらずらりと並んでいました。手に手に日の丸の旗を持った人達でホームから人があふれんばかりでした。
ゆっくり列車がホームに入り、兄達が乗り込むと、楽隊が君が代を演奏し、みんなで精一杯合唱しました。最後にドドーンと花火が打ち上げられ、列車が動き出そうとする瞬間、婦人会の方々がどこに隠していたのか、沢山の日用品を手に持って窓にかけ寄り、兄達兵士さん達に渡していました。そんな事は式次第になかったのでしょう。確か誰か男の人が止めに入ったかと思いますが、女の人達の必死の形相にあきらめて見ていた様に思います。そんな風に兄達は故郷から出征し、私の家では、2人の兄の写真の前に、毎食御膳が並ぶことになりました。

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( 戦地からリンさんへの真一の手紙 )

「出征の時、私の村からは、同級生で一緒に野球をやっていた石川聖君が一緒に、乗り込みました。豆タンクのような石川君は、捕手といって、私が投げる球を受けとめてくれた男です。座ると鏡餅のようにまん丸く見えるので、とても投げやすいのです。試合の時、彼がグーとか、パーとか、チョキを出して投げる球を決めるのですが、時々意地悪をしてずっと首を振っていたら、困った顔をしながら何度もグー、チョキ、パーを出すんです。その様子がおかしいので何度もやっていたら、ある時「どうしたんだよ」と怒って駆け寄ってきた事がありました。「いやー、相手をじらそうと思って」と言うと、うなずくように帰っていきました。そんな気のいい奴なんですが、女性については進んでいるらしく、ある日麦畑で年輩の女性といるところを見つかり、それ以来「麦畑の石」と呼ばれるようになりました。「おい真一、おばあさんが立ちションする時どうするか知っているか」と聞かれたので、裾をまくってお尻を出す格好をしたら、「それが一般的だが、裾の前をはだけてやる人もいる。どうも人によってオシッコの出る方向が違うらしいんだ」などと、突然変な事を言うこともありました。
駅までの途中、「勝ってくるぞと勇ましく~、誓って故郷を出たからは~、手柄たてずに死なれよか…」や「万朶の桜か襟の色 花は吉野に嵐吹く 大和男子と生まれなば 散兵線の花と散れ…」などの軍歌を歌いながら、男として生まれてよかったと思いました。多分石川君も同じ気持ちだったのでしょう。彼には珍しくきりりとした横顔で頬が赤くなっていました。
みんなの万歳の声の中、2人は列車に乗り込みましたが、過ぎ去っていく故郷の景色を眺めている時は、2人共話す事ができませんでした。あなたにお会いしたのは、そんな出征の日から2日後のことでした。あの日、今生の別れを覚悟してお会いしたのに、まだいくらか生きたい気持ちが残っているのか、恋する思いがつのるばかりで消える事がありません。軍の機密事項なので、私がいつ横須賀を出航し、今どこにいるかお話しする事はできません。あちこちでガスが噴き出し、水や緑の乏しい所です。ムシムシする暑さの中での作業は大変ですが、石川君もいるので頑張れます。それでも夜になるといくらか涼しく、きらめくばかりの星空を眺めるのが最大の喜びです。「それではみなさん、そういうふうに川だと言われたり、乳の流れたあとだと云われたりしていたこのぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。…」「銀河鉄道の夜」という本の出だしの文句です。夜空の天の河を見ているといつもこの先生の言葉が浮かんできます。ここでは天上への入口「南十字星」もよく見えます。星空を眺めながら、耳もとであなたにいただいた鈴をリンリンと鳴らし、銀河ステーション、銀河ステーションと口ずさんでみます。私とあなたが天の河を走る列車の中から赤や青などキラキラ輝く星々を見つめています。乳白色の河を南十字星へ向う列車の旅です。いつかあなたと一緒に南十字星を見たい。今はそんな思いで一杯です。」

 

文芸作品

秋風達て 思うことごと 新しく
   稲穂はこごみぬ 夏は去り

原田 カズヱ様

頑張れば 頭と一緒 リハビリだ

リハビリも 毎日やれば 楽しみだ

田中 愛子様

残暑あり 暦は秋を 告げている

秋を呼ぶ すすきの穂波 ゆれている

クマゼミが 夏の終りを 告げている
   遠雷聞こへ 和してにぎやか

高橋 三佐男様

久かたに 呑んでさわいで 時が過ぐ

窓べりに かざられてしか 花一輪

星野 武司様

 

今月の行事予定

☆療養棟三階☆
 8日 買い物ツアー
 9日 老健作品展見学ツアー
15日 おやつ作り
22日 お誕生日会&敬老会

 

☆療養棟二階☆
 8日 買い物ツアー
 9日 老健作品展見学ツアー
14日 敬老の日イベント
21日 おやつ作り

 

☆朱咲の家☆
11日 朱咲祭り
19日 敬老会

 

☆星辰の家☆
 4日 納涼祭
21日 お誕生日会

 

☆明月☆
 3日 DS・GH合同感謝祭
   DS・GH合同敬老の日パーティ
 DS       GH
 お誕生日会   外食ツアー
 ドライブ    お誕生日会
         ドライブ

 

☆GHしらさぎ☆
19日 敬老会
23日 おやつ作り
27日 外食会

 

☆春らんらん☆
12日月見団子作り
19日敬老会
28日ハワイアン慰問

 

☆DSゆめさき☆
 3日 田口町寿会
 7日 ブッチーライブ
 8日 久保さんのカラオケ
 9日 長寿の日
12日~14日 映画上映会
14日~17日 おやつ作り
19日 敬老会
21日、22日 お誕生日会

 

☆GHゆめさき☆
 3日 お誕生日会
 9日 流しそうめん
19日 敬老会

 

☆あかしあの里Ⅰ☆
10日 そば打ち
19日 敬老の日(お赤飯&和菓子)
22日 お誕生日会
下旬 外食

 

☆あかしあの里Ⅱ☆
19日敬老の日紙芝居
23日おやつ作り
10月1日ドライブ

 

☆あかしあの里Ⅲ☆
11日 お誕生日会
12日 お月見
20日 お誕生日会
27日 手作りおやつ
日程未定 外食

 

☆通所リハビリ☆
 3日 歌謡ショー
12~14日 お誕生日会
17日 南橘フォークダンスクラブ
19日 敬老会
22日 晃峰会
24日 前橋アコーディオン
27日 民謡踊り教室

 

☆わきあいあい☆
 7日 パンバイキング
13~15日 運動会

 

委員会便り

食事サービス委員会

食事サービス委員会の主な活動は、利用者の皆様に美味しく安全な食事を提供出来る様に、栄養課と連携を取りながら活動しています。特に季節にちなんだイベント食に力を入れています。
また、今期よりゼリー粥を取り入れています。ゼリー粥は今まで使用していたペースト粥に比べおかずや練り物を混ぜても水っぽくならずムセにくく、喉越しがよいと好評です。これからも美味しいお食事を召し上がっていただけるように、創意工夫していきたいと思います。

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お粥ゼリー食に関して

☆喫食対象者
今年の8月1日から導入開始。創春館内でペーストを喫食されている利用者様。

☆導入の経緯
栄養課からの提案で、給食会議にて会議出席者を対象に2回試食会を行い、7月から約1ヶ月に渡り創春館でペースト食の方を対象に喫食していただき、正式に導入しました。

 

☆トロミとの違い(お粥ゼリー)

・トロミ・・べたつき感がある。 口腔内に残渣が残る。

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・ゼリー・・つるっとしている。 口腔内に残渣が残りづらい。(半固形状態なので、食事後の口腔ケアが以前より容易になる。)

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☆特 徴

全粥ミキサー、お粥ゼリー、でんぷん食品特有のべたつき感を、大きく改善できるゼリー食の素です。喫食時の唾液による影響が少なくなります。でんぷんを含む食品から含まない食品等もゼリーにすることができます。

 

☆原 材 料

デキストリン、ゲル化剤(増粘多糖類)、酵素
※あまりに大きい半固形状態で喫食させると、誤嚥になる恐れがあるので、注意してください。

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編集後記

9月号のさんぽみちはいかがでしたか?暑かった夏も次第にフェイドアウトし、ようやく秋の気配が感じられます。秋と言いますと、読書の秋、スポーツの秋、芸術の秋、と言う事で色々な行事が目白押し!様々な行事を楽しみ秋をエンジョイしたいですね。あぁ、実りの秋もありました。感謝の気持ちを感じながら、野菜、果実など、食欲の秋を満喫していただければと思います。が!くれぐれも食べすぎには注意したいところですね。

広報委員  黒岩 綾