平成25年2月号

さんぽみち2月号もくじ

・東京周遊旅行
・今月の事業所便り
・吾輩はジータである
・院長先生の健康豆知識
・行事予定
・文芸作品
・編集後記

 

旅は最高のリハビリ!!

東京周遊旅行に行って来ました!

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「発車~オーライ!明るく明るく走るのよ~♪」年明けの1月11日、第1回リハビリツアーが実現しました。通所サービス利用者・家族様22名、職員6名、総勢28名を乗せた大型バスが名倉院長や職員に見送られ、いざ東京スカイツリーへと出発しました。

「旅は最高のリハビリ」とテーマを掲げ、昨年の7月から準備を進めてきました。それからの5ヶ月間、「東京スカイツリーに行くんだ!」とリハビリへの取り組みは真剣そのものでした。

皆様の夢をのせて定刻に出発、前橋インターチェンジより高速道路に乗る頃には、皆様意気投合され、自己紹介の中で、今回のリハビリツアーに向けた意気込みを述べて下さいました。その後、首都高速で渋滞に巻き込まれたものの、順調に東京スカイツリーに到着しました。当日は、雲一つない晴天に恵まれ、世界最速とも言われる高速エレベーターにて、わずか50秒で展望フロアーへ上り、真っ白に雪化粧した富士山を眺めることが出来ました。また、東京の街並みを一望出来るフロアーで、まるで空中散歩しているような別世界を体験することも出来ました。

昼食は錦糸町のホテルにてビッフェバイキング、中ジョッキ片手に頬を赤らめ、お皿山盛りに召し上がられている方もおられ、その食欲に驚きました。

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昼食後は、東京の名所巡りとしてレインボーブリッジ、お台場、東京駅、皇居、国会議事堂を車中より観光し、増上寺にて下車しお参りした後、帰路に着きました。車中では、カラオケや、はたまたガイドさんとご利用者様による夫婦漫才とも言える掛け合いで、笑いの絶えない道中でした。日帰りでの東京リハビリツアーで、少しハードな面もありましたが、参加された方々からは、目標を達成された充実感と、自信に満ちた表情を拝見することが出来ました。

今回のリハビリツアーに参加された方からのお言葉です。

「行けると思っていなかったツアーに参加できて本当によかった。景色が素晴らしかった。懐かしいもの色々みせてもらった。でも一番の感動はね・・・、朝早くから院長先生はじめ沢山の職員が見送ってくれたこと、遅く帰って来たにもかかわらず沢山の職員が出迎えてくれたこと。本当にうれしかったなー!」

翌日から次回のリハビリツアーへの目標を掲げ、足取り軽く沢山の方がリハビリに励まれています。

今後も皆様お一人お一人のご希望に添えるようなリハビリツアーを計画したいとおもいますのでどうぞ宜しくお願いいたします。最後に無事に事故なくおえることができたこと、この場をお借りして関係方々に厚くお礼を申し上げます。

 

今月の事業所便り

GHゆめさき
温まった鍋パーティー

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グループホームゆめさきでは、新年会を兼ねての鍋パーティーを行いました。利用者様のリクエストにより、もつ鍋としゃぶしゃぶの2つを用意し食堂のテーブルにコンロを置き、目の前で作りながら食べました。新年会なので、ビールも用意しました。「昔は飲んだんだよ」と美味しそうに飲まれていました。「野菜が美味しいね」といつもよりたくさん食べられていました。最後には、デイサービスの職員さんにも参加していただき、一時間ほどで鍋の中は空っぽになりました。また、今年も楽しいイベントを企画し、思い出に残る1年にしていきたいと思います。

 

あかしあの里Ⅰ
初詣&美味しく出来たお餅つき

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あかしあの里Ⅰでは、時沢の安楽寺に初詣に行ってきました。風もなく、快晴の暖かな日で、利用者の皆様はそれぞれ思いを込めて参拝されていました。また、18日にはあかしあの里、わきあいあい合同で餅つきを行いました。集まった利用者様から杵を振り下ろすたびに「ヨイショー!」と元気な声で歓声が上がり、出来上がった餅を「あんこ」・「きな粉」・「からみ」で味をつけて召し上がっていただくと満面の笑みで「美味しくできたね~」と喜んでいただけました。今年も1年、皆様が健康で楽しく過ごせるようスタッフ一同頑張っていきたいと思います。

 

涼風の家
涙と笑顔のお誕生日会

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涼風の家では、関 作重様の85回目のお誕生日をお祝いしました。お昼の時間に、入居者の皆様と一緒にハッピーバースデイを歌い、「おめでとう♪良かったね。長生きしてね!」と声をかけられると、「ありがとうございます」と、涙、涙で、蝋燭の火を消すのも大変な程でした。プレゼントは、職員の子どもさんで小学一年生になる可愛い女の子から手作りの花を貰い、また涙…。他の入居者の方も貰い泣きし、涙と笑顔が入り交ざる、思い出に残る一時となりました。

 

ケアセンター朱咲
朱咲で初めての鍋パーティー

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朱咲では今回初めての鍋パーティーを行いました。準備から皆さんに手伝っていただき、お昼に温かい鍋を食べました。テーブルをつなげて、皆で和気あいあいと、ふーふーしながら食べました。「鍋を食べるなんて本当に久しぶりだよ」と、皆さん笑顔で召し上がっていました。余ったうどんで作った焼きうどんも「初めて食べたけどおいしいね」と喜んでいただけました。寒い日に皆で囲む鍋は本当に美味しかったです。

 

わきあいあい
みんなで初詣

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わきあいあいでは総社神社へ初詣に出掛けました。毎日寒い日が続きますが、この2日間は天気も良く、穏やかな日で「日頃の行ないが良いのかしら?」と皆さん笑顔でお参りされていました。今年も元気にすごせますようにとお祈りしました。

 

あかしあの里Ⅱ
真っ白になったうどん打ち

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あかしあの里Ⅱでは、うどん打ちを行いました。入居者の皆さんは慣れているようで、手際よく準備をしていただいて、「昔はよくうどんをうったんだよ」と力強くうどんを捏ねたり、棒でのばしていただきました。うどんを切る作業も均等になっていて、とてもいいうどんがうてました。作業の途中では、皆さん顔が小麦粉で真っ白になっていて、顔を見合って大声で笑う姿も見られ、とても楽しそうに参加していただけました。やはり手打ちのうどんはこしがあり、ゆでて食べてみるととても美味しかったです。

 

クリニック通所リハビリ
初のリハビリツアー

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リハビリツアーに、クリニック通所リハビリからは、利用者様4名とそのご家族様、また職員が2名同行して参加しました。行く前日まで職員も含めドキドキわくわくしながら迎えた当日は、とても天気が良く気持ちの良い日でした。初めて目にするスカイツリーは、とても素晴しいものでした。クリニックの利用者様の中には、最上階まで行った方もおり、よい景色を堪能できたご様子です。場所によっては、足元が透けて下の様子が見えるところもあり、高所恐怖症の方には近寄りがたい場所もあったようです。ツアーに参加された方々には、帰ってきてからお土産話をたくさん聞かせてもらいました。また、このようなツアーに参加することを目標にして、リハビリを頑張っていただきたいと思います。

 

星辰の家
お餅をついて新年会

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星辰の家では、餅つき・新年会を行いました。前日から準備し、当日は餅つき前に新年会の準備として、お汁粉・甘酒を用意しました。午後からリハビリ室で餅つきを開催しました。餅つきには利用者様方も参加して、楽しんでいただきました。終了後は新年会として利用者様にお汁粉・甘酒を振る舞いました。甘酒は好評で何度もおかわりする方もいました。また1月22日は、誕生日会外食ツアーに行きました。当日は天気も良く気持ちよく出かける事が出来ました。利用者様も気分よくお酒も飲まれて楽しく食事が出来ました。これからも利用者様が楽しめるイベントを提供して行きたいと思います。

 

療養棟2階
みんなの笑顔と大喜利

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療養棟2階では1月のお誕生者が多数にて、お誕生日会を2回に分けて行いました。前半は利用者様と職員全員の笑顔の写真を撮り、投票する「笑顔コンテスト」を、後半は職員が大喜利を行いました。どちらも利用者様の笑顔いっぱいのお誕生会をする事が出来ました。利用者様、皆さんの笑顔は私達職員の元気の源です。これからも利用者様が笑顔で過ごせるよう頑張っていきたいと思います。

 

明月
明月!冬の料理特集!

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今年は雪が多い、冬の伊香保ケアセンター明月。外出が困難な日も増えてしまっているこの状況を打開すべく、今月は料理をして利用者様に楽しんでいただきました。まずは、毎日の食事メニューの中で好評をいただいているすいとん作り。ある利用者様の「もっとこうした方がおいしいよ。」を受け、秘伝の方法を伝授していただきました。やわらかい!!次は皆様からリクエストのあった、ホットケーキ作り。出来上がったケーキを食べる利用者様を見て、食の大切さを改めて感じました。明月ではまだまだ寒い日が続きますが、来月も「見て美味しい、食べて美味しい。」イベントを行っていきたいと思います。

 

DSゆめさき
大盛り上がりの新年会

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デイサービスゆめさきでは18日に新年会を行いました。昼食はバイキング形式で行い、いつもと違う雰囲気を味わいました。午後は乾杯に始まり、利用者様何人かに物当てゲームをやって頂きました。物当てゲームでは箱の中にたわし、こんにゃく、折りたたみ傘を入れ、何が入っているかドキドキしながら考えて皆さん正解を出していました。その後、職員の余興でジュースの早飲み対決、二人羽織を行い利用者様、職員ともども盛り上がり楽しい一日となりました。その他にも、初詣に出かけたり、書初めをしたり、お正月の行事が盛り沢山でした。

 

通所リハビリ
AKGがやって来た!

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1月二16日(土曜日)に初めての慰問「AKG」を迎え若さ溢れるパフォーマンスを披露して頂きました。群馬発の本格派ご当地アイドルを目指し2011年に結成した女性グループです。

ユニット名のAKGは『赤城団』の頭文字から名付けられたそうです。福祉施設向けの慰問チームですが、平均年齢なんと9歳という若さの14名のグループです。利用者様はもちろんのこと、スタッフもこの日を楽しみにしておりました。

さあ、ステージの始まりです!若さいっぱいの歌とダンス。可愛らしい衣装とプロ並みの笑顔に圧倒されました。ありがとうを手話でメッセージに変えて送ってくれたり、会場中を巻き込んでのじゃんけん大会もありました。最後まで勝ち抜いた、2階入所中のMさんは、AKGのメンバー全員と記念写真を撮り、その日のうちにプレゼントされ、それはそれは嬉しそうでした。若い人の曲だけでなく、利用者様に向けての曲も用意してくださり会場一体となって楽しむことができました。会場は、拍手と笑顔であふれ握手しながら涙を流される場面もあちこちで見られました。

たくさんの元気をありがとう、AKG万歳!

 

しらさぎ
今年も元気で過ごせますように

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新年を迎え、しらさぎではおせちや雑煮を食べ、おとそでお祝いをしました。利用者様もほんのりと顔を赤らめ、笑顔で「今年も元気で過ごせますように。」と言いながら飲まれている方もいらっしゃいました。その後、みんなでカルタ取りを行ないました。たくさんの札を取った人や、目の前の数枚を懸命に取った人、みなさん笑顔で楽しまれている様子でした。

今年も利用者のみなさんが、元気でケガもなく過ごせるよう、スタッフ一同より一層頑張り、一緒に楽しんでいきたいと思います。

 

あかしあの里Ⅲ
手作りおやつ(クレープ)

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手作りおやつでクレープを作りました。スタッフが焼いたクレープに、好みの果物やチョコレートをかけていただきました。遠慮して少ししか果物を取らない方や、逆にあれもこれものせる方がいて個性豊かなクレープが出来上がりました。最後に皆さんで大きな口でかぶりつき、楽しい時間が過せました。

 

療養棟3階
創春館神社に初詣

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専門棟3階では、「新年会」を行いました。創春館神社と名した鳥居にお参りし、新年の目標を絵馬に書き、一人一人奉納しました。

その後は、温かい甘酒やジュースに舌鼓を打ち、利用者様だけでなく、職員も一緒に新年の目標などを語り合いました。今年1年、皆さんに怪我なく楽しんで過ごしていただきたいと思います。

 

春らんらん
お雑煮派、それともお汁粉派?

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春らんらんでは鏡開きを行いました。神仏に感謝し、無病息災を祈って、お汁粉やお雑煮をいただくなど、鏡開きの由来を説明すると、「鏡開きといったらお汁粉を食べるのが風習だった」という声が聞かれました、そのせいか、お雑煮とお汁粉を作ったのですが、お汁粉の方が圧倒的な人気で、利用者の皆様も「おいしいね」といって召し上がっていらっしゃいました。今回、大好評だったので3月にもお汁粉を作って食べていただくことにしました。

 

吾輩はジータである そしてまた貴方に恋している

東郷 彦四郎

第25章 「ロマンチックな旅・その①(京都の夜)」

振り返ってみれば、リンさんは気が付けば七十を過ぎ、思いもかけない骨折入院で、あれよあれよという間に老いていた。心も身体も自然に老いていたのである。そんなリンさんを呼び覚ますように、上原院長の鈴の音が鳴り響いた。

戦死という形で引き裂かれた、恋人の故郷への旅。そして、そんな旅を誘ってくれたのが、忽然とあらわれた、初恋の人の現身(うつしみ)の姿、上原院長。リンさんの心に、戦争という慌ただしい世相の中で、眩いばかりに輝いた、初恋の炎がよみがえった。炎が希望という薪に燃え移り、身体を動かした。一生の記念となるであろう日が近づくにつれ、足の力がつき、付き添って貰えば、数メートルなら歩ける程になっていた。

平成十一年十月十六日(木)、午前七時、創春館出発、京都へは昼過ぎに到着予定、八人乗りエスティマ車での旅である。

「リンさん疲れたらいつでも言って下さいね。すぐに横になれるよう布団の準備をしますから。」と、諸田師長。

「そうですよ。トイレも遠慮なく言って下さいね。」と、小林、常木両氏。いずれもこのロマンチックな旅を楽しみにしていたのか、声も身体も上ずっていた。

「リンさん、こんな豪華な旅は、滅多にできるものじゃありませんよ。何せ、医者に、看護師、介護士付きなんですから。お金を払うなら百万円はかかるかも知れませんよ。」と、木暮氏。

「あらまあ大変、そんなお金ありませんよ。」と、ちょこんとシートに腰かけ、にっこり微笑む和服姿のリンさん。

「全く、人生って何が起きるか分らないでしょう、ねえリンさん。」と、運転しながら木暮氏が言えば、すかさず、

「まだ二十代のくせに、人生なんて、生意気言ってるわよねえ、リンさん。」と、諸田氏。

「リンさんは、確か、新潟出身ですよね。実は、諸田婦長も新潟出身なんですよ。松の山温泉という所です。」と静かな口調で、上原院長。

「ええ、最初にお会いした時、うかがいました。」

「リンさんの所と比べると、松の山は辺鄙な所でしょう?」

ただニコニコしているだけのリンさん。

「あの辺は、昔はトンネルもなかった筈ですし、山を越えるのは大変だった筈ですよ。松の山の人達は、私達のように猿から進化したのではなく、多分熊か狸から進化したんですよ。婦長さんの祖先は熊ですよ、リンさん。」

「まあひどい!いつもこんな風にいじめられるんです。ひどいでしょう。リンさん。」

「ええそうですね。熊よりもっと可愛いものにして貰いたいですね。」車内大爆笑。

調子に乗って上原、真面目な顔で「それにリンさん。あの辺はつい最近電気がついたばかりで、信号機だってありません。婦長なんかは、蛍の光で勉強したんですから。だから目を悪くしたんです。」

「リンさん嘘ですよ!ずっと前から電気も信号機もあります!」と、婦長必死の抗弁に、

「オホホ・・・」とリンさん笑いこける。更に木暮氏

「リンさん、常木さんは・・・」と四十代後半の、肉付きのいい常木氏を振り返りながら、

「今だにご主人とラブラブで、何せ寝る時は手をつないで寝るそうですよ。」

「まあ、そんなの嘘ですよ。手なんてつなぎませんから」と、顔を赤らめ、身をくねらせる常木氏。冷静に、静かな口調で小林氏。「でも本当に常木さんは御主人思いなんですよ。」

「小林さんだって御主人のため、急いで帰ってらっしゃるじゃないですか。」と、常木氏反論。

「まあ、みんなうらやましい話ですね。いい話じゃありませんか」とリンさん。 そんな沢山の楽しい会話と共に、一行は京都に着いた。お昼は、清水寺へ登る途中の有名な豆腐料理をいただく事になり、清水寺へ向った。湯豆腐定食を食べた後のリンさんの一言。

「豆腐だけで二千円もするなんて、高いわねえ。」

京都の夜の宿舎は、鴨川近く、通りをはさんで先斗町入口と書かれた路地が見える和風旅館であった。夕刻、橋の上から、鴨川沿いの歩道を散策する人々を眺め、リンさんの車椅子を押しながら、先斗町の路地裏をそぞろ歩きし、夕食の卓を囲んだ。

「リンさん、京都では建て前と本音というものがありましてね。家を訪問して、『まあ、ぶぶ清けでも一杯召し上がっていって下さい。』ぶぶ清けというのは、お茶清の事ですがね。そう言われたら、『もうそろそろ帰って下さい。』という事で、真に受けてご馳走にでもなったら、『気のきかんやっちゃな。』という事になるそうですよ。」と上原。

「まあ、大変なところですね。群馬だと本心からしか言いませんがね。」と、りんさん。

「先斗町は、私の父親が大学時代よく遊んだ所だと祖母が言っていました。何でも病気だからお金を送ってくれと言われ、祖母が大変な思いをしながら、当時であれば、電車があったとしても、兵庫の家から半日はかかったでしょう。お金を持って下宿に行ってみれば、もぬけの殻で、先斗町で遊んでいた、と、何度も祖母が同じ話をしていました。」と上原話しながら、更に「リンさん、もう一杯お酒をいかがですか。」とリンさんに向かって言った時である。

リンさんの言葉に、一同あっと一瞬息をのんだ。

「私を酔わせてどうしようというの。」別に色っぽくもなく、さり気なく、冗談として出た言葉であるが、若い女性が吐くような思いもかけない言葉に、リンさんをじっとみると、ほんのりと赤く染まった顔と華奢な身体からほのかな香気が漂い、まわりの息をのませたのである。否、二十代で脂ぎった木暮氏には、この色気はとうてい伝わる筈もなかったに違いない。

「リンさん、酔っぱらって下さいよ。私が夜襲いますから」と、上原が追いうちをかけると、次の言葉は更に周囲を圧倒した。若い頃の可憐さをしのばせる様な表情と声で言ったのである。

「そんな勇気もないくせに。」上原は、名前のように凛として、端然と微笑みつつも、そこはかとない色気の漂う女性の挑発的な言葉にたじろいだ。

そんな風にして京都の夜は更けていったのである。

 

院長先生の健康豆知識

「ロコモティブシンドローム」 (運動器不安定症)とは?

「メタボリックシンドローム」という言葉は、流行語になり、広く知られる言葉となりましたが、「ロコモティブシンドローム」という言葉は、余り知られていませんし、今後流行語になるとも思えません。「メタボ」といえば、お腹周りに肉のたっぷりついた体型の人が想像されるのですが、「ロコモ」といっても、象徴的な身体の姿が想像できないせいのようです。

「ロコモティブシンドローム」は、日本語に訳すと、「運動器不安定症」というのですが、「メタボ」が、内科的な生活習慣病予防のために作られたのに対し、整形外科的な生活習慣病予防のために、最近作られた言葉です。

「メタボ」が改善されれば、糖尿病、高血圧、心臓病、等々沢山の病気の予防につながりますが、「ロコモ」が改善できれば、末長く元気で動きまわれるという事です。「ロコモ」の予防は単独では困難で、「ロコモ」と「メタボ」は相互に密接につながっています。「ロコモ」は、長い間の運動不足で、筋肉の力が落ちたり、腰や膝の関節の痛みで動けなくなったり、骨粗鬆による骨折や痛みで歩けなくなったり、立ち上がれなくなった状態を指します。

日本整形外科学会が提唱する、「ロコモ」を疑う七つの自己チェックというのを紹介します。

 

1、2キログラム程度(1リットルの牛乳パック二つ程度)の買い物を持ち帰るのが困難である。

2、掃除機を使ったり布団の上げ下ろしなど、家事労働が難しくなっている。

3、家の中で、つまづいたり、滑ったりする。

4、片脚立ちで靴下がはけない。

5、階段を上がるのに手すりが必要である。

6、横断歩道を青信号で渡りきれない。

7、15分続けて歩けない。

 

以上、7項目のうち1つでも該当するものがあれば、「運動器不安定症」という病気になったと覚悟しなければいけません。右の項目で強調されているのは、下肢筋力とバランス力の重要性です。したがって、「ロコモ」対策のトレーニングとしては、「片脚起立訓練」と「スクワット」が推奨されています。この2つの基本動作をベースとして、個々の力量に応じたトレーニングが大切です。

関節炎や骨折、その他整形外科病気のある方は、治療と併行して、いつまでも歩けるよう、トレーニングする事が大切です。同時に、どうして筋力が落ちたの?どうして腰や膝が痛くなったの?どうして骨粗鬆なのと、自己反省する事も重要な事です。「ロコモ」の前に、「メタボ」の管理が必要ではなかったでしょうか?

合理的精神で動くアメリカでは、ずっと前より国民の健康の為、医療費削減の為、この「ロコモ」の予防が、国家的事業として推進されています。 日本でも、老人予備軍の団塊の世代を中心として、個別的に取り組まれていますが、未だ「メタボ」のように浸透していないのが実情のようです。私にとって、生涯スポーツとして、テニスにめぐり会えたのは、「ロコモ」予防のためには、とても幸運でした。

沢山の人が、身体を動かす趣味(家事労働も含まれます)を持たれるようお勧めします。老人の域に入ると、「毎日がリハビリ」という自覚を持つ必要があるというのは、運動器の障害を持つ持たないに関わらず、とても大切な自覚であると自戒しています。

 

今月の行事予定

☆あかしあの里Ⅱ☆
 2日 節分豆まき
14日 バレンタインおやつ作り
 7、28日 お誕生日会

 

☆GHゆめさき☆
 3日 家族会・豆まき
14日 バレンタイン
16、18日 お誕生日会

 

☆あかしあの里Ⅰ☆
 3日 節分 豆まき
13日 バレンタインお菓子作り
27日 バイキング

 

☆あかしあの里Ⅲ☆
 2日 豆まき
14日 手作りおやつ
20日 紙芝居

 

☆わきあいあい☆
 1日 節分会
 7日 ちらし寿司パーティー
12日 バレンタインチョコレート作り
23日 お誕生日会

 

☆GHしらさぎ☆
 3日 節分
下旬 お誕生日会
未定 おやつ作り

 

☆通所リハビリ☆
 2日 節分会
 5日 民謡踊り教室
 7日 アンサンブルそよ風
 8日 ちぎり絵教室<
21日 ぽらりす保育園発表会<
23日 晃峰会

 

☆DSゆめさき☆
 4日 節分
 5日 久保さんカラオケショー
 7日~9日 上映会
11日、16日、27日 お誕生日会
14日 ポラリス保育園交流会
18日 カラオケ愛好会慰問
19日、20日 おやつ作り

 

☆療養棟二階☆
 6日 節分
13日 おやつ作り
27日 お誕生日会

 

☆朱咲の家☆
 3日 節分 豆まき
 8日 合同お誕生日会
18日~ 買い物レクリエーション

 

☆春らんらん☆
 3日 節分、豆まき
14日 バレンタインデー
20日 お誕生日会
23日 手品ショー(慰問)

 

☆涼風の家☆
 3日 節分
14日 バレンタインデー
25日 お誕生日会

 

☆星辰の家☆
 6日 節分
中旬 バレンタインイベント
下旬 お誕生日会外食ツアー

 

☆療養棟三階☆
 3日 節分
21日 おやつ作り
28日 お誕生日会

 

☆明月☆
 3日 節分イベント
14日 バレンタインイベント
未定 ドライブ(箕輪梅林方面予定)

 

文芸作品

よき日和 続きて正月 はや七日

感謝する こころおのずと 冬日和

何事も なきが幸せ 暮るる冬

増田 静江様

 

賀状のみ 交はし続けて 六十年
     君の面輪も おぼろとなりぬ

いくたびも 聞き返しする わが耳に
      妻は会話に 疲れをかこう

塩麹 カブラきゅうりに 漬け込みて
      長寿ねがふや 古き麹は

影山 えいじ様

 

人生とは かくなるものよ 早明戦

だるさとは 心まで負けぬ 涙も枯れて

政治など 云うべくもなし 被災地守れよ

今井 ミチエ様

 

編集後記

さんぽみち2月号は、いかがだったでしょうか?

日に日に寒さが増してきました。肉布団たっぷりの私は元気いっぱいですが、皆様、風邪などひいてないでしょうか?

インフルエンザも流行っているようなので、手洗い、うがいをきちんとして予防をしていきましょう。まだまだ寒い日が続きますが、暖かくしてお過ごしください。また、私達の温かい心も受け取って、ほっかほかになって下さいね。それでは、来月号のさんぽみちもよろしくお願いします。

広報委員 廣田 千恵