平成28年11月号

・ゆめさき特集!

・今月の事業所便り

・今月の行事予定

・院長先生の健康豆知識

・文芸作品

・リハビリコラム

・編集後記

ゆめさき特集!

GHゆめさき  ハッピーハロウィン

十月三十一日、グループホームゆめさきではハロウィーンパーティーを開催しました。朝から、職員・利用者様共にメイクや仮装し一日を過ごしました。魔女やゾンビ、変なおじさん(?)等々、皆で個性豊かな仮装でハロウィーンを楽しみました。自分の顔がどんな風にされるのか、楽しみな反面、不安そうな面持ちでメイクをうけていました。仮装後お互いの顔を見合わせながら、「酷い顔しているね。」と笑い合いながらも「こんな経験したことないから、こういうのも楽しいね。」との言葉から、初めての仮装を楽しんで頂けた様子がうかがえました。昼食にはジャック・オー・ランタンやお化けをモチーフにしたハロウィーン料理で食でもハロウィーンを楽しみました。午後には、利用者様の手により職員にメイクをして頂きました。やはり、お化粧は皆様慣れた手つきで「こうした方がかわいいんじゃない?」と、いつになく真剣に取り組み普段ではなかなか見れない一面を発揮していただけました。これからも流行を取り入れ、皆様の活躍できる場をつくっていきながら、季節の行事を皆で楽しんでいけるよう企画していきたいと思います。

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DSゆめさき  頑張った!大運動会

デイサービスセンターゆめさきでは、十月十三から十五の三日間に分けて秋の大運動会を行いました。利用者様、職員共に紅白にに分かれて頂き、メンバー紹介、競技種目、注意事項等の説明が行われた後、紅組、白組のキャプテンの利用者様による選手宣誓を行いました。そして、準備体操の後、ゲーム開始です!最初は物送り競争です。各チームに送る物が渡され、それを隣へと渡していくゲームです。最初に送るのはビーチボールです!皆様、次々に送られあっという間にゴール!!次は底の浅い大きな缶です。最初よりも少し難易度の高い物でしたが、皆さん真剣な面持ちで最後まで運べました。そして、次は応援合戦です。カラフルなボンボンや、鳴子等の鳴り物を使った応援で、紅白共に、拍手と笑い声が絶えませんでした。その後は、運動会の定番「パン食い競争」です。こちらの競技も白熱した対戦となりました。続いて職員による「けつ圧ゲーム」です。ゲームのユニークさと職員それぞれのアクションが重なり会場は大爆笑でした。最後の競技は、「玉入れ」です。円形に座って頂き、制限時間一分の間にどれだけ籠の中に玉をいれられるかを競いました。利用者様の皆様、籠を目掛けて一心不乱に玉を投げ込んで、今回の運動会の中で一番盛り上がり、一番白熱した競技となりました。三日間とも三試合行いましたがほぼ引き分けでした。最後に、円形のまま「オクラホマミキサー」にあわせて座ったまま全員でフォークダンスを踊りました。両チームとも全員が優勝に相応しい競技と頑張りを見せてくださいました。秋の心地良い天候の中、全員の思いでに残る運動会になったと思います。

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今月の事業所便り

涼風の家  今シーズン最後の締めくくり?

涼風の家では毎年自家菜園で野菜を作って、収穫した野菜を食材の一部に利用しています。今年もきゅうり、ナス、ピーマン、トマト、スイカにメロンに里芋等、色々な野菜を収穫して、おいしくいただく事が出来ました。なかでも一番の出来はスイカでした。一個しか収穫できませんでしたが、二十センチ以上もある大玉が収穫でき、一日では食べきれない大きさに皆さん大満足でした。メロンも一個実がなっていたのですが、悪天候が続いたことで収穫のタイミングを外してしまい残念な結果に・・・。その代わりに苗を植えたはずの無いカボチャが大量に収穫できました。その数なんと十個以上!!植えていないのになぜカボチャ?と思い調べてみると、メロン、スイカはカボチャの苗に接木しているとの事で納得しました。そして今シーズン最後に里芋掘りを行いました。職員よりも慣れた手つきの入居者様にも手伝っていただき、(職員の方がいろいろと指導していただいていました)里芋を掘り起こすと・・・、小ぶりではありましたが、いくつも収穫する事が出来ました。今年の菜園は全て収穫が終わりましたが、来年は今年の反省を踏まえてもっとたくさんの野菜を収穫したいと思います。

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わきあいあい  ちょっとした贅沢を

デイサービスわきあいあいでは、時々、お昼のメニューに麺類をプラスして利用者様に提供することがあります。今回は、ちょっぴり贅沢に天ぷらをのせた温かいうどんを日にち限定で提供させて頂きました。皆様、やはり上州育ちという事も有るのか、うどんが大好きな方が多く、喜んで頂けました。これからも決して回数は、多くありませんが、スタッフ一同、洋風メニューにもチャレンジして、美味しい麺メニューが提供出来る様に頑張っていきたいと思います。

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明月  笑顔沢山の日々

○○の秋と言えば、読書の秋、食欲の秋等、利用者様の〇〇を伺いましたが、明月の秋はと伺うと、「紅葉ドライブ」・「運動会のパン食い競争が楽しみだ!」との事でした。今年も十月十七日~二十日、十七日はデイサービス・グループホーム合同にて盛大に、明月大運動会を実施する事が出来ました。種目も四日間実施の為、共通の種目は、例年パン食い競争を行っております。毎日が違う種目で楽しまれていました。毎日MVP賞を利用者様に選出して頂き、表彰式を行いました。最終日は職員種目を実施、日々の介護技術や日常の環境整備等の実施が自主的に行えているかを、借り物競争風にしてゴール前にパンの早食いと、ジュースの早飲みでゴール。職員も利用者様も終始笑顔で楽しい時間を過ごす事が出来ました。

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通所リハビリ  秋の大運動会

十月十三日・十四日と二日に渡り、秋の大運動会を行いました。白組・赤組の各選手代表が宣誓し、いよいよ競技開始。まず最初の競技は毎年白熱した戦いが繰り広げられる玉入れからです。利用者様の投げた玉は勢い良く籠のまわりを舞い、職員は、地面をはうように懸命に玉を拾いました。その後、ボール送り競争、借り物競争と続き終始笑顔あふれる楽しい時間となりました。最後に職員対抗の障害物リレーを行いましたが、スタートから小型のバットを額につけぐるぐると回り、ふらふらな状態で網を潜り、片栗粉の中にためらいなく顔を突っ込みまっしろになりながら雪見大福を探し出しました。おたまで玉をすくい次の選手へとバトンタッチ!そして、アンカーは三輪車での激走対決となりました。白熱した戦いに、笑顔と歓声が会場にあふれていました。接戦の末一日目は、白組。二日目は、紅組の優勝という結果になりました。お互いを思いやり競技を最後まで楽しむ事のできた運動会となりました。

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星辰の家  白熱の運動会!

星辰の家では十月十二日に運動会を行いました。競技は「紅白玉入れ」「扇げやあおげゲーム」「落とさないでねゲーム」「パン食い競争」を行い、白組・紅組十名ずつに分かれて玉入れからスタート。皆様真剣な表情でカゴに玉をどんどん投げ入れ序盤から白熱した戦いとなります。続いて扇げやあおげゲームは利用者様全員が手にうちわを持ち三十センチ位の棒からお花紙の輪っかを下からあおいで早く棒から外したチームが勝ちというゲームです。皆様あおぐ力がとても強く日頃から練習してきた成果を発揮されていました。中盤に差し掛かり団長が学ランを着て「えいえいおー!!」と応援合戦をし、運動会の雰囲気は最高潮です。次に落とさないでねゲームで盛り上がり、最後の種目はパン食い競争です。利用様、職員全員参加で行いました。なかなか口でパンが取れずに手で掴もうとされる方もおられ声援や笑いが沸き起こり競技は終了。どの種目もとても盛り上がりました。利用者様の笑顔をたくさん見る事ができ楽しい秋のイベントとなりました。

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あかしあの里Ⅲ  秋の大運動会

十月十九日、運動会を行いました。入所されたばかりの利用者様に選手宣誓をお願いすると「いいよ」と快諾して下さり、みんなの前で高々と手を上げ「今日は頑張りましょう!」と宣誓してくださいました。逆さに吊るした傘にお手玉を投げ入れる競技では、普段穏やかな方が力強い投球を見せて下さったり、戸惑いながらお手玉を投げた方も、上手に入ると嬉しそうな笑顔を見せて下さいました。皆さんの頑張りを称えて、お昼は巻き寿司を召し上がって頂きました。頑張った後のお寿司は、格別に美味しかったようです。競技の時よりもいい笑顔で「美味しいね」と喜んでくださる方もいらっしゃいました。スポーツの秋、食欲の秋を堪能して頂けたと思います。

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しらさぎ  素敵な誕生日会

グループホームしらさぎでは、十月一日に九十八歳を迎える入居者様の誕生日会を家族も交えて開催いたしました。少し前まで体調が良くなかった為、無事に誕生会を迎えられるか、私たち職員も家族もとても心配していたのですが、体調が回復し無事に九十八歳の誕生日をお祝いすることが出来ました。蝋燭は家族によって消して頂きましたが、ケーキは御本人が全部召し上がることが出来たので、家族も涙しながら、祝福されとても素敵な誕生日会でした。また、十月二十三日に「しらさぎ」初のカラオケ大会を行ないました。前日にカラオケの機械を借りて来て準備していたのですが、最初は恥ずかしいのか、なかなかマイクを持って歌えなかったのですが、面会に来られた家族の飛び入り参加等もあり、なかなかマイクを持って唄おうとしなかった方々もマイクを持って唄い始め、昔を思い出したのか泣いてしまう場面もありました。予定時間を超過してしまう程沢山歌い、楽しい時間をすごすことが出来ました。

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あかしあの里Ⅱ  秋の運動会とお団子作り

あかしあの里Ⅱでは十月十一日秋の運動会そして、十月十七日みたらし団子作りを行いました。運動会では利用者様スタッフ一緒になって、紅組、白組に分かれてはちまきを巻き競技に参加して頂きました。まずはパン喰い競争です。位置についてよーいドン!の合図で始まりました。ニコニコと笑いながら取り組まれている方、真剣な表情で大きな口を開けてパンをかじっている方、口で取れないので手で取っている方と、様々でした。玉入れは楽しく三回戦行い、引き分けでした。又、みたらし団子作りでは皆さん上手に丸めて下さり、おやつの時には美味しそうに召し上がっていました。これからも、利用者様に楽しんで頂ける企画を考えていきたいと思いました。

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あかしあの里Ⅰ 楽しいドライブ

あかしあの里Ⅰでは十月六日に外食&コスモスドライブに出掛けました。少し風がありましたが天気も良く景色を見たり、皆様に食べたいものを色々聞いたりしながら車中も盛り上がり、あっという間にけやきウォークに到着しました。フードコートにて各自好きなものを食べていただきました。海鮮丼、うどん、中には肉を食べたいとステーキランチを食べられた方もいらっしゃいました。食事後はドライブをしながらコスモス畑に向かいました。風が強く車中からの見学になりましたが「綺麗に咲いているねー」「いろんな色があるね」と話されておりました。またこれからの季節に合った行事を考えていきたいと思います。

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クリニック通所リハビリ  《可愛いスキルスクリーン》

クリニック通所リハビリでは、利用者様が個々に手芸をされています。手芸の種類は多岐にわたり、きめ込み・刺し子・メタリックヤーンなど、その利用者様にあったものを担当職員と相談し、熱心に取り組まれています。先日、九十一歳を迎える利用者様がスキルスクリーンを約半年かけて完成されました。スキルスクリーンとは、ビーズで作る“のれん”のことです。十月のご自身の誕生日を目標に完成を目指し、フロアに作品が飾られた時の笑顔はとても印象的でした。明るい色合いで、他の利用者の方々からも大好評です。現在は、ご自宅用にもう一つとのことで、二つ目を作成中です。完成された作品はクリニックに展示してありますので、ぜひ見に来て下さいね。

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療養棟二階  どら焼きとカラオケでお誕生日会

療養棟二階では、お誕生日者二名の大好きなドラ焼きを作ってお祝いしました。まずホットプレートで生地を焼き、生地を少し冷ましてから皆さんと一緒にあんこや生クリームを挟みました。皆さんあんこが足りなくならないか、心配しながら上手に作っていました。お料理上手が作っている間、盛り上げ上手の利用者さんやご家族様が歌を披露して下さいました。最後に上手に出来たドラ焼きを食べ終始笑顔が絶えず、楽しい時間を過ごすことが出来ました。

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療養棟三階  待ちに待った運動会

十月二十日療養棟三階で運動会を行いました。利用者様、職員共に紅組、白組に分かれパン食い競争、玉入れを行い日々のリハビリの成果を発揮しました。どちらも白熱した戦いになり、パン食い競争では職員の声援をうけ一生懸命パンを口で取ろうとする姿が印象的でした。又、大きな盛り上がりを見せたのが玉入れ合戦で、一進一退の攻防を見せる中、カゴを各利用者様の前に持って行くなど職員のほうが熱くなっている場面など見られ大変盛り上がりました。最後は院長先生も参加して頂いた職員によるフォークダンスと椅子取り合戦を行い皆様の手拍子の中、限られた椅子を取ろうとする姿に大きな笑い声や拍手などが響き渡り、締めは全員で万歳三唱をし幕を閉じました。終わった後はパン食い競争で取ったパンを皆で食べ、「楽しかった。」「毎日運動会やりたいね。」とお言葉を頂き楽しんで頂けたと実感できました。次回のイベントも皆様に満足して頂けるイベントにしたいと思いました。

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春らんらん  コスモス畑の思い出

春らんらんでは、十月十三・十四・十七・十八・十九日の五日間、吉岡町にある大久保コスモス園へドライブに行ってきました。天候にも恵まれ、道沿いには、赤・白・ピンク色のコスモスが畑一面に咲いて「わぁーきれい」「すごいね!」と車を降りる前から感激されていました。コスモス畑を散策しながら記念撮影や、コスモスを眺めながらおやつを召し上がっていただきました。「外で食べるとおいしいね」「また来ようね!」と皆様喜んでお土産にコスモスをたくさん摘んで、春らんらんに飾りました。記念撮影した写真は、先月作ったフォトフレームに入れて利用者様全員にプレゼントしました。「ありがとう。大事にするね!」と喜んでいただけました。素敵な秋の思い出になりました。

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朱咲の家  クラリネット演奏慰問

十月三十日に、長井理恵さんによるクラリネット演奏会が開催されました。二回目となる今回は、季節にちなんだ曲の「夕焼け小焼け」「小さい秋見つけた」などの童謡から始まり、スタジオジブリ作品から「さんぽ」「崖の上のポニョ」など、のどかな曲の演奏を披露していただきました。演奏中はみなさん静かに聞き入っていて、演奏が終わると拍手とともに称賛の言葉をかけてとても喜ばれていました。フィギアスケート選手の荒川静香の演技で使用された「ユーレイズミーアップ」の演奏では感動のあまり、涙を流して喜ばれる方もいらっしゃりました。今月の歌として設けていた「里の秋」は演奏に合わせて利用者様みんなと歌い、越路吹雪の「愛の讃歌」の話では覚えているよー!と昔を懐かしく話される様子がありました。徐々に冷え込んでくるこの時期に、情緒あふれる暖かな演奏会となりました。

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今月の行事予定

☆涼風の家☆
11日 こんにゃく作り
21日 オレンジカフェ
23日 くらぶちやまなみ祭
未定 おやつ作り

☆わきあいあい☆
紅葉散策(日程は、未定)

☆明月☆
DS:中旬 収穫祭
中旬 スイーツバイキング
GH:中旬 焼き芋
中旬 十日夜

☆通所リハビリ☆
3日 アロハエンジェルス
8日 芙謡会
9,18,19,29日 お誕生日会
15日 マルラニフラダンス
28日 ローリンググレイス

☆GHゆめさき☆
3日 文化の日
4日 原東文化展
11日 避難訓練
13日 朱咲合同運動会
20日 お誕生日会
23日 勤労感謝の日

☆星辰の家☆
7~11日  紅葉ドライブ
下旬    お誕生日会

☆あかしあの里Ⅲ☆
未定  紅葉ドライブ
14日 手作りおやつ
23日 パンバイキング

☆しらさぎ☆
上旬 お誕生日会
上旬 秋の紅葉ドライブ
中旬 おやつ作り

☆朱咲の家☆
1日 ハロウィン仮装大会
17日 お誕生日会&巨大プリン作り
27日 焼き芋パーティー

☆春らんらん☆
2・4・7・8日 紅葉ドライブ
30日     外食ツアー

☆あかしあの里Ⅰ☆
5日  パンバイキング
中旬  焼き芋
21日 お誕生日会

☆あかしあの里Ⅱ☆
13日 紅葉ドライブ
17日 日輪寺文化祭参加
下旬 おやつ作り

☆ゆめさきDS☆
1日~7日 外食ツアー
     紅葉ドライブ
8日 久保さんカラオケショー
9日 上映会
10日フォークダンスクラブ慰問
17日 富士 敬子様 慰問
23日 お誕生日会
24日 富士見民謡会慰問
26・28日 お誕生日会
30日 柳扇会慰問

☆療養棟二階☆
2日 買い物ツアー
9日 外出ドライブ
16日 おやつ作り
23日 お誕生日会

☆療養棟三階☆
上旬 お誕生日会
上旬 秋の紅葉ドライブ>
中旬 おやつ作り

 

院長先生の健康豆知識

「触れること」「触れられること」の重要性について

 開設以来年に一度、健康診断の為に高崎から来られる五十代の女性の方がいます。若しくておばあちゃんになったのは、長い間のよもやま話でよく知っていました。快活でふっくらした可愛い顔立ちなので、会った事もない娘さんもさぞや可愛いだろうし、すぐに相手が見つかったんだろうなと想像していました。一通り検査も終わり、「お孫さんは何人になったのですか?」と話しかけると、さっと表情が曇りました。「五人になりましたが、実は・・・。」と、言い淀んだ後、見る間に涙が出てきました。こらえてきた悲しい気持があふれ出る表情でした。「娘に女の子が生まれたんですけど、その子が産まれつき脳の発育が悪く、目が見えないんです。滅多にない病気だと先生も言っているんですが、目の構造自体は問題ないようですが、脳の問題で見えないようなんです。」「物が見えるというのは、光が網膜に写り、その信号が脳の後頭葉という所に伝達されることが必要です。映ったものをどう解釈するかは、次に前頭葉で処理され、最終的にそれがペンであるとかノートであるとか、言葉とともに学習していくのです。お孫さんの場合、多分後頭葉に、もしくは後頭葉に至る経路に問題がある為、網膜の情報が伝達されず、『見えない』という事になっていると思われます。何とか伝達できればいいのですが・・・。」「それが、本当に可愛い目で、キョロキョロ目を動かすんです。たまらなくなってきます。替われるものなら替わってあげたいのですが、それもならず、娘も苦しんでいますし、何でこんな事になってしまったのかと、寝床に入ると泣けて泣けて。」「乙武さんのお母さんは、初めて見た我が子を『可愛い』と、言ったというのですから、すごい人ですね。」と言いましたが、そんな言葉は何の慰めにもならないと感じました。「こんな時こそ、おばあさんの知恵で娘さんを励ましてあげなくては。おばあさんが悲しんでいては駄目じゃないですか。」と話しましたが、多分そんなことはとっくにやっており、私の前だからこそ(娘の前では言えない)弱気の言葉も吐けたんだと、今ではそんな風に反省しています。天のこういう理不尽な仕打ちには言葉を失います。「神さんええ加減にせいよ。」と叫びたい気持ちです。物は考えようと言っても、なかなかそうは考えられないのが普通の人でしょう。

 「見る、聴く、臭う、感じる、味わう」という感覚のうち、どれか一つだけ残り、あとは全部ダメになるとしたら、あなたはどの感覚を選びますか?」という問いかけがあります。日頃考えたことのない問いかけですが、その人の性向を考えるにはいい問いかけだと思います。私なら見る事だけは失いたくない、見えなくなったらどんなにつらい事だろうと考える人間ですが(多分、高崎の親娘の方も同じ様です)、あなたなら如何でしょう?なかには、何はなくとも聞く楽しみは捨てがたいという人もいるでしょうし、食べる楽しみ以外に私の人生はないって方もいるに違いありません。でも、「感じる」という感覚だけはどうしても残しておきたい、という人はどれくらいいるでしょうか?

 ヘレン・ケラーさんは「見る」事も「聴く」事も出来なかった人です。ヘレンさんは一歳九ヶ月の時に、脳炎(?)で見ることも聴くこともできなくなった方です。勿論話すことも出来ませんでした。六歳の時に奇蹟が起こります。盲学校の卒業生。弱冠二十歳のサリバン先生が家庭教師でやってきたのです。ある日、サリバン先生はヘレンと散歩中に井戸に立ち寄ります。井戸の水をヘレンの手に注ぎながら、「ウォーター」をいう言葉を何度も指で綴ったそうです。具体的な方法は分かりませんが、指、口唇などの触覚を使い、言葉というものを教えたようです。その時、ヘレンは突如として言葉と物が結びつき、全ての物に名前があることに気付いたというのです。その時のことを「それは私の魂の誕生日だった。」と表現し、「二歳から五年間身を置いた暗闇に光が差した。」と言っています。この時の光をもたらしたのは、まぎれもなくヘレンの触覚でしょうね。水というものの触感が前頭葉で言葉となった瞬間、言葉というものを獲得することによって、人間としての一歩を踏み出した瞬間と言えるのではないでしょうか?映画やドラマでも、劇的に表現される場面でもあります。ヘレンさんは触れる、触れられる事で世界を獲得し、充実した人生を送られた方でした。

 私達の日々の生活で、触れる事、触れられる事が大きな役割を果たしている事について考えてみましょう。スキンシップとか肌触りと言ったものが、私達の幸せ感に大きな影響を与えているかも知れません。目の見えない人の世界について想像するとき、その世界は目の見える人以上のものである可能性があることをお伝えしたくて書いてみました。物は考えようの一助となるよう願っています。

 

文芸作品

山里の 父祖は落武者 猿(ましら)酒

妻の背の 何を繕ふ 夜寒かな

点滴の 窓より望む ながれぼし

肌寒く 寝酒の慣れひ 断ち難し

松茸の 路辺に売らるる 峠道

ふる里に 寄り添ふ五戸や 霧深し

工藤 庫男様

 

さっぱりと 老いて行きたし 髪洗う

寒く成り 床を出るのが つらくなる

菅野 邦夫様

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安藤 さだ子様

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小澤 道治様

 

リハビリコラム

高齢者の骨折

 高齢になると骨密度が低下し、ちょっとしたことで骨折しやすくなってしまいます。高齢者の転倒による骨折で多いものをご存知ですか?

①大腿骨頚部骨折(尻もち等による足のつけ根)

②腰椎圧迫骨折(尻もちにより腰骨が圧迫されて砕けたもの)

③橈骨遠位端骨折(手をついたときの手首)

④上腕骨近位端骨折(肩や肘をついたときの肩付近)

 腰や足の骨折により立ったり歩いたりすることが困難になってしまう場合、ベッド上での安静が必要となります。寝たきりによる筋力低下は、若い人であっても一週間で二〇%、二週間で三〇%以上であると言われています。また、それを取り戻すためには多大の努力を要します。それを防ぐために、今一度、日常生活の中に危険がないかを見直し、転倒予防に努めてみてはいかがでしょうか?

理学療法士 関口 香央里

 

編集後記

十月号さんぽみち最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます。季節もすっかり秋めいてきました。山の景色も彩りを見せ始めています。これからますます寒さも厳しくなってくると思いますが体調には十分に気を付けて行きましょう。次号も楽しみにしていてくださいね。

療養棟 須永 芳和