2025年9月号「春らんらん」特集!  

もくじ

 

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「春らんらん」特集!

 「春らんらん」特集!

春らんらんの日常より~

八月。
蝉の声が響くなか、春らんらんでは室内での静かで穏やかな時間が流れています。
酷暑の続くこの季節、無理な外出行事は避けつつも、利用者様が毎日を心地よく、安心して過ごしていただけるよう、職員一同工夫を重ねています。

この夏、特に大切にしているのが「日常の中の対話」です。
午前中のリハビリや午後のおやつの時間には、利用者様と職員が自然と寄り添い、昔話や体調のこと、家族への思いなどを語り合う場面が多く見られます。
「戦後の暑さはもっとすごかったよ」「私の田舎では、井戸でスイカを冷やしたものさ」そんな一言に、周囲の方も「懐かしいねー」「うちもそうだった」と、笑顔が広がります。
また、レクリエーションの時間には、季節の唱歌や昭和の流行歌を一緒に口ずさむ機会も。
今月は「夏の思い出」「椰子の実」「浜辺の歌」など、涼やかな曲を中心に選びました。
「歌詞を見なくても歌えるのよ」と自信をのぞかせる方も多く、歌声が重なると、自然と空間がやさしく満たされていくのを感じます。
歌い終えたあとは「若返った気がするね」と笑い合いながら、しばらく拍手と談笑の時間が続きます。

こうした何気ない時間こそが、春らんらんの大切な「夏の風景」です。
表情の変化や声の調子を通じて、日々のご様子を丁寧に見守りながら、安心できる人とのつながりを育んでいけるよう、私たちはこれからも利用者様と向き合っていきます。

いつの世も、心と心が寄り添う日常は、静かで優しい輝きを放ちます。

これからも、皆さまにとって穏やかな季節のひとときが続きますよう、職員一同、心を込めて支援してまいります。

 

今月の事業所便り

菜摘荘 夏だ!野菜だ!カレーだ!

菜摘荘では八月五日にイベント食を実施致しました。
連日、四十度に迫る猛暑を乗り越えて頂くために、夏野菜を使用したカレーをご用意しました。
利用者様のいるフロアーにもカレーの良い香りが漂い、昼食前からお昼を楽しみに待っている利用者様が大勢いらっしゃいました。
彩り豊かな夏野菜を素揚げしてカレーの上にのせたらカレーの完成です。
チョレギサラダとコンソメスープと一緒に提供しました。
カレーを一口食べて、「うまい!」と舌鼓を打つ方や「これで元気になるよ。」と満面の笑みで喜んで下さる方もいました。
今後も利用者様の笑顔をたくさん見るべく、菜摘荘職員一丸となって、サービスの向上に努めて参ります。

菜摘荘 夏だ!野菜だ!カレーだ!

菜摘荘 夏だ!野菜だ!カレーだ!

 

朱咲  喫茶店のクリームソーダ?

前橋市の気温が四十度に到達した八月五日、朱咲では冷たくて美味しい物を皆で飲みました。
それはSNSで話題のクリームソーダです。
ただ作って飲むだけでは面白くない!と言う事で、飲む前に暑くなって頂こうとコップすくいゲームを行いました。
コップをすくう棒は少し曲げた竹ひご。
実はコップの裏に点数を仕込んでおり、沢山すくってもマイナス五百点など思う様に点数が伸びない方も居れば、二つすくって千五百点などで、上手く得点される方も。
「勝ち負けより腕を上手く使って頂くのが目的でした!と伝え納得して頂けたところで、クリームソーダ登場です。
普段水分摂取が進まない方々も「美味しいねぇ」「懐かしいわねぇ」など話をしながらあっという間に平らげてしまわれました。
夏はクリームソーダも案外おススメです。

朱咲  喫茶店のクリームソーダ?

朱咲  喫茶店のクリームソーダ?

 

GH明月 盛り上がった誕生会

八月二十日、GH明月では利用者様の誕生日会を開催しました。
事前に食べたい物を聞き、お昼にはお寿司・チョコレートのデコレーションケーキを注文しました。
お昼のお寿司では、本人のみならず他の利用者様からも「豪華でいいね。美味しそう!」との声が上がりました。
午後の誕生日会は、皆様で誕生日の歌を歌い、ろうそくの火を吹き消して頂き、他の利用者様は涙ぐまれる場面もあり、また、職員手作りの誕生日カードも手渡し、「ありがとう」と嬉しそうにされていた姿がとても印象的でした。
乾杯では、ぶどうジュースを手に笑顔が見られ、ケーキも美味しそうに召し上がられていました。
一年に一回の誕生日、これからも笑顔が溢れるイベントの一つになっていければと思います。

GH明月 盛り上がった誕生会

GH明月 盛り上がった誕生会

 

あかしあの里Ⅲ 皆で作った「私の風鈴」

あかしあの里Ⅲでは八月十九日、折り紙で風鈴づくりを行いました。
色々な色の折り紙からお好きな色を選び、スタッフの説明を聞きながら風鈴づくりに挑戦しました。
最初は「難しいねぇ~」「貼れないねぇ」と戸惑う声もありましたが、スタッフと一緒に少しずつ進めていくうちに皆さま上手に張り付けることが出来ました。
完成した風鈴を見て「かわいい!」「きれいだね~」「風が吹くとゆらゆら揺れていい感じ」と言った嬉しそうな声が聞かれ笑顔が広がりました。
今年の夏の思い出に涼やかな音色と、ゆらゆら揺れる風鈴の姿が季節を感じさせてくれます。

あかしあの里Ⅲ
皆で作った「私の風鈴」

あかしあの里Ⅲ
皆で作った「私の風鈴」

 

デイトレセンターKaisei これで免疫力アップ!

デイトレセンターKaiseiのトレーニングの大きな特徴の一つに、レッドコードがあげられます。
さんぽみちの記事としても数回登場していますので、ご存じの方もいらっしゃるかと思います。
レッドコードの最大の特長は、体幹部の関節を動かすトレーニングができる点にあります。
体幹部とは、骨でいうと背骨・肋骨・骨盤・頭蓋骨で構成される身体の部分をいい、体幹部だけで実に182個の関節があります。
ちなみに全身の関節の数は365個ですので、体幹部が占める関節の多さが分かるかと思います。
体幹部の関節が動いてくると、呼吸が深くなり、身体の代謝が自然と上がり、免疫力が向上したり、内臓系の不調が整ったりと、嬉しい効果が期待できます。
日常生活において、年々関節の動きが乏しくなる中で、利用メンバーの皆さんの関節稼働を支える、頼もしい存在なのです。

デイトレセンターKaisei これで免疫力アップ!

 

名倉理事長の健康豆知識

血液循環シリーズ(4)

 
心臓の進化について
私達が生きているのは、身体の各臓器がその役割を果たしてくれているからですが、その仕事の為のエネルギーは、日頃食べている食物から供給されます。
そして、そのエネルギーを分配するのが、血液です。
ローマ帝国時代の医師ガレノスが「食べた物が血液になる」と考えたのは、血液がエネルギーの源であると見越していた点に於て、エネルギーの配分というのを考えていたと言えるのではないでしょうか。
心臓はそんな血液が一杯詰まった「筋肉の袋のような物」です。
「袋のような」と形容したのは、心臓は弁で仕切られているとはいえ、連続的に血管と継った臓器だからです。
そんな心臓ですから、心臓を形造る袋は、幅二十ミリメートルにも満たない筋肉という事になります。
そんな厚いとも言えない筋肉にも血液を送る必要があります。
カエルやトカゲの心臓の筋肉は、袋の中の血液を利用してエネルギーを得ていますが、進化によって、ヒトは筋肉の外からそれを得ています。
じっとしている時の心臓の基礎代謝量は約百五十キロカロリーと見積られています。
およそ、おにぎりニケ分ですね。
心臓をポンプと考え、一日に筋肉の袋が十万回収縮し、送り出す血液量が七千リットルと計算すると、心臓が消費するエネルギーは、余りに少いと感じられるのではないでしょうか?
医療的な現場では、老衰の末、亡くなられる何人もの人が、一日百キロカロリー程度の点滴で何ケ月も生きられます。
そういう現実を見ると、心臓が必要としているエネルギーは、百キロカロリーを超えないのではないかとも考えられます。
そうすると、ヒトの身体は、少いエネルギーで血液を循環させるよう進化してきたと考えるのですが、心臓がポンプであり、多大の力を産み出すよう進化してきたと考える人がいます。
むしろこう考える方が一般的なのでしょうか。
こう考える人の中に、心臓は「心臓病になるように進化した」と言う方がいます。
「狭心症や心筋梗塞になりやすくなった理由は、元はと言えば、高い圧力で血液を全身に送るためだった。
高い圧力で全身に血液を送れた結果、頭を高く上げて機敏に行動することができたのであれば、そし心筋梗塞で死んだ個体数を補って余るほど子供をたくさん残せたなら、そういう形質は自然淘汰によって「進化」するのだ。」(「残酷な進化論」更科功著)狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患は、肥満やメタボリック症候群を原因とするというのは明白な事実です。
著者の進化の説では、ヒトは、肥満やメタボリックの人がそうでない人よりも沢山子孫を残せたから進化したという事になります。
また、心臓が高い圧力で血液を全身に送るのであれば、そのエネルギー源は?という考察もない、とんでもない進化論ですが、進化の道筋を心臓のポンプの歴史として考えると、こんな風にとんでもない結論が導びかれる例として挙げてみました。
ヒトへ至る進化というのは、いかに効率よく沢山のエネルギーを獲得し、いかに沢山の子孫を残すかの、エネルギーをめぐる歴史だとも考えられます。
現在の地球を支配するヒトは、エネルギー獲得の面から見ると、最も成功に至った動物と言えるのではないでしょうか。
このヒトの繁栄に至る進化の要因は沢山あると思われますが、その大きな要因の一つは、血液循環システムの進化であり、システムの進化の一つとして心臓の進化があると考えているのです。
血管に接続する小さな心臓と、それに巻きつく細い栄養血管(冠動脈)、そして消費エネルギーの少なさというのは、地上を制覇する事になる進化の究極の姿であり、決して病気になるように進化したのではないのです。
百歳を超える人が、十万人に達しようかという日本の現状を見ても、ヒトは、最適化を求めて進化してきた究極の姿だと思うのです。
心臓の進化については、更に考察していきたいと考えています。

 

リハビリコラム

~膝の痛みを予防するために~

・膝の仕組み
 膝は太腿の骨(大腿骨)、すねの骨(脛骨)、そしてお皿の骨(膝蓋骨)で構成されています。これらの骨が関節で繋がり、間に軟骨と半月板がクッションの役割を果たし、その周囲には靭帯や筋肉があり、膝を支えて安定させています。

・膝の痛みの原因
 高齢者の膝痛の多くは、変形性膝関節症と呼ばれる病気です。これは、長年の負担で軟骨がすり減り、骨と骨が擦り合う事で痛みや腫れが生じます。 筋力の低下 、肥満による負荷増加 、姿勢や歩き方のクセ等も影響します。

・リハビリコラム痛みを予防するには
予防策(1)【体重管理】
 膝は体重の三倍以上の負荷が掛かると言われています。 無理なダイエットではなく、バランスの取れた食事と軽い運動で体重を適正に保ちましょう。
予防策(2)【膝周りの筋肉を鍛える】
 特に太腿の前側(大腿四頭筋)を強化することが大切です。筋肉がしっかりしていれば、膝の負担が軽減されます。
予防策(3)【負担動作を避ける】
 日常生活の工夫では正座やしゃがみこみを避ける、段差昇降に注意 できるだけ歩く習慣をつけて、関節を固めない 冷え防止のために膝を温める事も有効です。

・簡単にできる膝のトレーニング方法
・椅子に座ったまま膝伸ばし運動
 背筋を伸ばして椅子に座る 片足をゆっくり前に伸ばす(膝を真っすぐに) 五秒キープして戻す 左右十回ずつ、一日二~三セット
※立位であれば軽くスクワットするのも効果的です。ゆっくり行ってください。
・タオルギャザー(足裏を鍛える)
 床にタオルを置く 足の指でタオルをたぐり寄せる 膝の負担を減らす為には、足のアーチを保つことも重要です。アーチとは、足の裏にある土踏まずを形成するアーチ状の構造の事です。床からの衝撃を吸収してくれています。

・最後に
 無理なく続けられる運動と生活習慣を心がけて、元気に歩ける毎日を保ちましょう!

 

作業療法士 但野 雄一

 

文芸作品


涼風の家 樋口京子様

涼風の家 樋口京子様

 

頑張り屋職員紹介

リスマワティ・デウィ(介護職)

所属 小規模多機能ホーム・グループホーム 春らんらん
エピソード どんなときにも優しく笑顔を絶やさず、イベントやレクリエーションでは一人ひとりに丁寧なサポートをしてくれているので、利用者様からの信頼が厚い職員です。
日本語や介護技術を一生懸命学ぶ姿勢から、職員も頑張る力をもらっています。

 

編集後記

暑い日が続く中、利用者様の笑顔やご家族様のあたたかい声援に、私たち職員もたくさんの元気をいただいております。
今月号では、少しでもその雰囲気をお伝えできれば幸いです。
引き続き体調に気を配りながら、心穏やかに過ごせる毎日をサポートしていきます。
来月号では、敬老の日に向けた特別企画を準備中です。
秋の気配を感じる頃、新たな思い出作りを、心を込めて進めてまいります。
どうぞお楽しみに!

春らんらん 奈良 真行