2025年12月号 菜摘荘 特集!
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【菜摘荘】特集! 学生さんとの交流で活性化を図る!

【心と体をほぐすひととき 作業療法士の学生さんが企画】
菜摘荘では、群馬医療福祉大学作業療法専攻の学生一名が訪れて、一日体験ボランティアを行っています。
十一月三十日、今回で四回目となる訪問の目玉として、レクリエーションの企画・実施を行いました。
学生さんが用意していただいたのは、棒を使ってテーブルの輪っかをすくい上げる「輪っかすくい」。
誰でも気軽に挑戦できるゲームですが、やってみると意外と手先を使うため、いい運動にもなります。
今回は四名ずつのグループに分かれ、順番に挑戦していただきました。
はじめは「難しそう」「できるかな」と不安そうな利用者様も、いざやってみると真剣そのもの。
次々とテーブルの輪っかがすくわれていき、最後の一個を誰がすくうか!?と白熱の場面もありました。
棒ですくうところを思わず手が出てしまう様子も真剣な一興で、「ズルは駄目よ」「あっ、そうか」と笑いも沸き起こりました。
一つ一つ数えての採点では、皆さんの得点は均衡。
見事一番の方には周囲からも拍手が起こるなど、温かく和やかな雰囲気に包まれていました。
体を動かした後は、甘いプリンのおやつを皆さんに召し上がっていただき、また学生さんとも交流のひとときでは「やってみて楽しかったよ」「また次の時も楽しみ」との声が聞かれました。
活動後、学生さんからも「皆さんの反応がすごく楽しそうな様子が励みになりました」と話され、
「また次の機会でも企画を考えていきたい」と意欲的な様子が伺えて、職員にとっても利用者の方々の笑顔を引き出す貴重な機会となりました。
今回のレクリエーションが、利用者の皆様にとって楽しい刺激となり、学生さんの学びにも繋がったことを嬉しく思います。
また次回以降もこのような機会となるように、ぜひ一緒に盛り上げていきたいと感じる時間でした。
今月の事業所便り
朱咲の家 誕生会&栗どらやき作り
朱咲では十一月一八日、お誕生日会と栗どら焼き作りを行いました。
まず初めに、十一月生まれの利用者様をお祝いしました。お名前を呼ばれると、少々困惑している様子でしたが、職員から「何日生まれですか?」「おいくつになられましたか?」などの質問で緊張がほぐれてきたところで、お誕生日プレゼントをお渡ししたところ、大変喜んでいただけました。
その後、秋の味覚を味わって頂きたく、栗どら焼き作りを行いました。
下準備が手こずり、生地を焼いて形が中々整わない物もありましたが、皆様一様に「美味しいね」「豪華だね」等のお声を頂きました。
かなりの数を作ってしまい、おかわりをする方もいらっしゃり、満足されたご様子でした。
とても有意義なお誕生会を行う事が出来て良かったです。


デイトレkaisei 元気に下肢筋力トレーニング!
下肢筋力を鍛えることで活動量が増え『自分らしく生きる』ことに繋がります。
デイトレセンターkaiseiでの人気メニューの下肢トレーニングマシンを三つご紹介いたします。
(1)レッグプレス→足を曲げ伸ばしすることで下半身全体のパワーアップができるトレーニングです。
太もも・ふくらはぎなど足の主要な筋肉全体に効果があります。
(2)アブダクション・アダクション→足を開く閉じることで、おしり・太もも内側と外側それぞれのパワーアップができるトレーニングです。
(3)レッグエクステンション・カール→膝を曲げ伸ばしすることで、太もも前面と後面それぞれのパワーアップができるトレーニングです。
三つのマシンで五種類の運動が行えます。
時にスタッフが付き添いながら、個人の状態に合った運動量の調整や指導を行っています。
みんなで元気に下肢トレーニングを実施しているデイトレセンターkaiseiです!


春らんらん 慰問&紅葉ドライブ
今月は、秋空の下で心温まる時間が過ごせた、二つのイベントをご紹介します。
まずは、長年地域で活躍されているバスガイドさん「なつ旅Cue」の皆さまによる懐メロ特集。
懐かしの名曲が次々と披露され、利用者様は自然と口ずさみ、手拍子をそろえたりと大盛り上がり。
笑顔の輪が広がり、歌声に包まれたひとときとなりました。
次に、中旬から下旬にかけて敷島公園や渋川方面へ紅葉ドライブを行いました。
車窓から見える鮮やかな赤や黄金色の木々に「きれいだねぇ」「来られてよかった」と喜びの声をいただき、ゆったりと秋風を感じながら、季節の移ろいを満喫することができました。
これからも心に残る季節の行事をお届けしてまいります。


グループホーム明月 「よせ鍋会」を楽しむ
グループホーム明月では、十一月十八日「よせ鍋会」を行いました。
行うにあたりリクエストを確認。
「ちゃんこ鍋が良いな」「キムチ鍋がいい」「辛いのは嫌い」「海鮮鍋が良いな」等々、具材もホタテや牡蛎、豚肉など事前に食べたい物を聞くことができました。
お昼ご飯に行うことをお話し、準備も協力して頂き、各々食べたい物を闇鍋風に具材を野菜に隠し、鍋を作りました。
よせ鍋が出来ると「豪華でいいね、美味しそう!」との声が上がりました。
召し上がられると、具材より出汁で野菜、キノコ類がとても美味しく、「また夕食も鍋にしよう」と話されている方もいらっしゃいました。
これからも笑顔が溢れるイベントを開催していきます!


あかしあの里Ⅲ「来年は午年」
あかしあの里Ⅲでは、日輪寺町の文化祭に出品する作品作りを行いました。今年は十二支の壁面飾りです。
スタッフが描いた十二支のイラストをご覧になり、「かわいいね、これは寅?私は寅年だよ」と教えてくださったり、「干支は何ですか?」とスタッフがお尋ねすると、「わん!わん!」と言われるので「もしかして戌年ですか?」と確認すると、「そうだよ」と笑っていらっしゃいました。
来年の干支の午年の利用者様も数名いらっしゃり、「来年は年女ですね」と伝えると、「そっかい、じゃあ頑張らないとね」と言ってくださったり、別の利用者様も「来年は年女だから良いことがありますよ」と伝えると、「そうだね、楽しみだなあ」と嬉しそうに話されていました。
みんなで楽しく力を合わせて製作することが出来ました。


名倉理事長の健康豆知識
循環器シリーズ(7)
「動脈系と静脈系」
前回この欄では、心臓は肺から戻ってきた血液を全身に送り出す左心室と、全身から戻ってきた血液を肺に送り出す右心室からなり、二つの別々の機能を持つものが合体した臓器だという話をしました。
このような機能は、医学者であれば当然の知識ですが、実際のところ、心臓は一塊の臓器として考えられ、明確に区別して語られる事は多くありません。
解剖学者のこういう言葉があります。
「心臓を、左右のポンプに分ける機能的な考え方は、理解しやすい。
しかし、その心臓が、胸の中に収まっている解剖の図を見ても、右のポンプと左のポンプの境目がどこにあるか、心房と心室の境目がどこにあるか、その姿から窺い知ることは難しい。
解剖の図を見ても、実際に解剖しても、心臓の立体的な構造を理解するというのは、生やさしいことではない。」(血液六000キロの旅 坂井建雄著)
心臓について沢山の知識が集積された現代に於いてさえ、心臓は理解され難い存在として立ち現われていることが分かる言葉です。
実際の心臓を目の前にすればする程、心臓の働きをクリアカットに左右に分ける事ができないという事に、心臓の成り立ちの秘密があると考え、論をすすめているのです。
現代の循環器病学では、心臓の二つ働きを明確に意識していないのでは、と、思われる例はいくつかあります。
例えば人間の血液循環を語る時、決まりきったように「心臓は全身に血液を送り出すポンプである」という文句が語られます。
左心室は心臓の一部なのですから、間違いではありませんが、正しくは「心臓の左心室は…」と言われるべきですね。
またこの欄で度々でてくる現在キャンペーン中の「慢性心不全」という言葉は本当は「慢性左心不全」というのが実態に則した表現であり、キャンペーンとしても有効だと考えていますが、その有効性を理解していないようにも感じています。
「慢性心不全」として捉えられている問題は、高血圧や糖尿病、メタボなどによる動脈硬化の問題であり、それが反映され心臓に及んでいるのですから、それは左心室の問題であり、右心室には関係のない事ということになります。
実際にも、慢性心不全を評価する血液検査や心エコーなどは左心室の検査となっているのですから、「慢性左心不全」というべきだと考えています。
当然の事ながら左右の働きがあるといっても、先程述べたように、心臓は一塊のものとして動いていますから、いずれ右心室が影響を受ける事もあるでしょう。
しかし、実際のところ心不全といいつつ、収縮が低下しているのは左心室だけで、右心室がそれを補うようにしっかり動いている例は沢山あるのです。
勿論、右心室は肺につながっているのですから、肺に関わる問題から右心室が先にやられる場合もあります。
しかし、それは、左心室とは全く別の問題であり、極めて少数なのです。
そんな風に見てみますと、現代の循環器病学は心臓の左心室から大小の動脈に至る動脈の問題のみを扱っていると言えるのではないでしょうか。
左心室から送り出された血液は、大小の動脈を経て毛細血管に至り、全身の毛細血管が大小の静脈を経て右心室に戻ってくるのですが、この戻ってくる静脈というのが取り挙げられる事はほとんどありません。
私達の血液の七割以上が静脈の中にあるという事実をみても、静脈の問題というのは循環の中で重要性を孕んでいると思うのです。
私達の身体的活動というものを振り返る時、その活動に見合う血液供給(動脈)の働きに注目されがちです。
しかし、その元になるのは極めて安定的な血液供給部門である、静脈の働きなのです。
そんな風に動脈と静脈の問題を考えていますと、私の頭の中では、動脈と静脈の関係というのが、満々と水をたくわえた湖面(静脈)の上を心臓を震源地とする波が、次から次へと拡がっていく、そんな風にイメージされます。
震源地である心臓(左心室)は、大動脈を膨らませるだけでよく、膨らんだ大動脈が次の動脈を膨らませ、更に小さな動脈が…という風に、動脈というのは波のように血液を供給しているというのが私の動脈のイメージなのです。
リハビリコラム
【お正月は窒息にご注意を!】
大切な家族を守るため「異物除去法」を紹介します!
もうすぐお正月ですね!お餅やおせちなど美味しいものを食べる機会が増えますが、窒息事故には気を付けたいですね。
先日、当施設では救命処置と心肺蘇生法の講習会が行われました。消防士さんをお招きして、処置の流れや手技を教えていただきました。
今回は皆様と一緒に窒息事故の対応方法についておさらいしたいと思います。
では、窒息が疑われる場合の対処方法をご紹介します。①→②→③の手順で行いましょう。
(1)咳
まず、強く咳をするように促してください。声も出せず、咳もすることができない場合には119番通報と併せて②、③を行います。
(2)「背部叩打法(はいぶこうだ法)」
前かがみになるようにして、胸の部分でしっかりと支えます。“左右肩甲骨の中間あたり”を手の平の付け根で力強く何度も叩きます。
(3)「ハイムリック法(腹部突き上げ法)」
背中側に回り、体を密着させ両腕を脇から回し込みます。片手をグーにして、もう片方の手で包み込み、みぞおちから臍の上あたりを斜めに向け瞬時に引き上げます。
※この方法は妊婦・乳児には禁止です
ちなみに、お口の中や肺を傷つけてしまうため、窒息した際に“掃除機で吸うこと”は避けた方がよいそうです。
これらの手技に不安がある方は救急法の講習会に参加してみてください!
それでは楽しいお正月を迎えましょう!
言語聴覚士 松本 惇
文芸作品

「涼風の家」 樋口 京子様
頑張り屋職員紹介
ハイリルダ ジャニヤ ムットマイナー
| 所属 | 涼風の家 |
|---|---|
| エピソード | 令和六年十二月に来日して、涼風の家に配属になった(愛称)リルダさんを紹介いたします。 来日当初は、まだ少し日本語に慣れていない様子も見られましたが、すぐに言葉の壁も乗り越えて、約半年で日本語で記録も書けるようになりました。 一年もたたずに一人での夜勤や、調理もこなせるほど頑張ってくれています。 今では毎日入居者様と、笑顔で冗談も交わせるほど日本語も上達して、涼風の家に欠かせない職員です。 |
編集後記
十二月号をお読みいただきありがとうございました。
一年を振り返ると、日々の現場で皆さんに支えられ、利用者様の笑顔を届けられたことを改めて感じます。
忙しさの増す時期ですが、どうぞ体調に気をつけてお過ごし下さい。
来年も温かい記事を届けられるように努めてまいります。
菜摘荘 栗原 修