平成23年11月号

さんぽみち11月号もくじ

・感謝祭特集
・今月の事業所便り
・我輩はジータである
・院長先生の健康豆知識
・文芸
・今月の行事予定
・老健大会に参加してきました
・施設利用及び空き情報
・編集後記

富士たちばなクリニック15周年感謝祭

模擬店・バザー・ステージ発表を皆様大いに楽しまれました。

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行事企画委員長から

先日の10月2日(日)創春館にて感謝祭が行なわれました。当日は少し風が強かったのですが、過ごしやすい天気で事故もなく無事了えることができ、ほっとしています。

感謝祭が迫るにつれ、緊張してあせってしまう自分を委員の皆さんや、周りのスタッフが励ましてくれ無事やりきることができました。準備から後片付けまで手伝ってくれたスタッフの方々、お忙しい中感謝祭にお越しくださった多くの方々に感謝の気持ちでいっぱいです。おかげで大盛況に終わることができました。この場をお借りして心からお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

行事企画委員長 飯野 美歩

 

ステージ発表

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今年はバンド「レキオ」さんとカラオケバトル大会の2本をメインステージで行ないました。レキオとはポルトガル語で琉球の意味で、琉球音楽中心で活動している4人組のバンドです。ヒット曲「島唄」や「涙そうそう」のときは一緒に口ずさむ方もいて盛り上がり、海無し県の群馬ではなかなか馴染みの無い現地の音楽ですが、一旦曲が始まると心地よい南国のリズムと琉球音階で作り出されるメロディーそして、お囃子の「エイサーサー」で遠い沖縄の土地を近くに感じることができ、とても楽しい時間でした。

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その後職員によるカラオケバトル大会では予選を突破した歌自慢が集まり、ただ歌うだけではなく衣装や振り付けにこだわったステージでとても見ごたえのあるエンターテイメントに仕上っていました。普段の職場での雰囲気とは別の顔を見せ熱唱するスタッフに皆さんびっくりされとても印象深いものになりました。

司会  望月 昭

 

バザー

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今年のバザーは去年よりも品数は少なかったものの、中身が充実していました。食器類、タオル類、靴、洗剤類、ポーチ・バッグ類、おもちゃ類、野菜等ほとんどの商品が新品でした。入ってきてくださるお客様は必ず何品か買って下さいました。ぽらりすが不参加で客足が少なかったですが、一人当たりの単価が高かったようです。売り上げは去年を大きく上回るものでした。バザーに出品してくださった方々のお陰で売上金のすべてを東日本大震災の義援金として送ることができました。ご協力くださった方々、本当にありがとうございました。

バザー班  柳澤

 

模擬店

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今年の感謝祭での模擬店は、外のテントで焼きそば、唐揚げ、じゃがバターをその場で手作りし、その他豚汁、心太、ジュースを提供しました。
室内では射的、スーパーボールすくい、かき氷、ホットドリンクを用意し、ケーキを低価格で提供しました。
今年はチケットを配布せず来館していただいた方々にお好きな物を好きなだけ提供したこともあり、売り切れになるものが続出しました。また、射的とスーパーボールすくいでは、子供達の列ができていました。
好天のもと、おいしい物、楽しいものを皆さんに提供できたと思っています。

模擬店班  柳澤 敏幸

 

今月の事業所便り

療養棟3階 誕生日に人形劇

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療養棟3階では10月20日のお誕生日会に「サルカニ合戦」の人形劇を行いました。何日も前からシナリオに合わせた背景を描いたり、いろいろな効果音も用意して、何度も何度も読み合わせを行って、(気持ちだけは・・・)ハリウッド映画にも負けない名(迷?)作を作り上げました。10月生まれの方をご家族の方々と一緒に皆さんでお祝いした後、いよいよ劇の上演です。いざ上演してみると効果音が出なかったり、タイミングが合わなかったりとなかなか上手くできませんでした。でも皆さんは真剣に劇を見てくださり、「良かったよ」と話されていました。次の機会にはうまく上演して、皆さんにもっと喜んでいただける様に頑張りたいと思います。

 

療養棟2階

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2階療養棟では、10月12日に運動会を行ないました。種目はパン食い競争、職員対抗の障害物リレー、玉入れでした。職員対抗の障害物リレーには名倉院長も参加され、悪戦苦闘する院長や職員の姿に皆さん大笑いで応援できないほどでした。その他の競技でも皆さん日頃のリハビリの成果を存分に発揮され、怪我もなく大盛り上がりで終わることが出来ました。利用者の皆様、本当にお疲れ様でした!

 

涼風の家

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10月6日に倉渕中学校の紅葉祭を見学に行きました。
中学生の合唱を聞き、1、2、3年生学年ごとに特色があり、何度も練習し頑張った様子が伝わるくらい素晴らしい合唱でした。利用者様に話しを聞き「よかったんね」「またこようね」などみなさん喜ばれていました。
倉渕中学校の皆さん素晴らしい合唱をありがとうございました。
思い出に残る紅葉祭になりました。ぜひ来年もよろしくお願いします。

 

あかしあの里Ⅱ

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10月1日に入居者3名とスタッフ3名でドライブに行きました。お天気も良く、嶺公園や大胡のぐりーんふらわー牧場などを巡りながら、コスモスや彼岸花を車窓から眺めました。
帰り道にりんごのお土産を買って、ホームに戻り昼食に美味しくいただきました。
また、楽しいドライブを企画していきたいと思います。

通所リハビリ

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10月29日(土)に「車椅子ダンス協会 前橋支部」の方々が、車椅子ダンスを披露して下さいました。
通所リハビリ菅野邦夫様のご紹介により、今回はじめての慰問となりました。菅野様も以前、車椅子ダンスをされ、様々な大会で優秀な成績を収められたそうです。車椅子ダンスを初めて観る方が多く、利用者様と共に職員もこの日を楽しみに待っていました。
色鮮やかなドレスとタキシードでビシッと決めた、協会の方々が音楽にあわせて登場すると、デイルームは一瞬にしてダンスホールへと変身です。ワルツ「君は心の妻だから」で始まり、タンゴ「真っ赤な太陽」、ルンバ「くちなしの花」、チャチャチャ「きよしのズンドコ節」と、誰もが知っている歌謡曲が踊られたので、自然と体も動いてしまいそうでした。その他に、「サンバ」「パリドブレ」を華やかに踊って下さり、私たちを魅了していきました。
楽しそうに踊られる姿を見て、羨ましく感じた方も沢山いらっしゃったと思います。約30分程経つと、今度は職員も中央へ出て、全員で「バーディーダンス」と、「マカレナダンス」に挑戦しました。とてもノリのいい曲でしたが、始めは間違えてばかりで・・・。徐々にリズムにも合い、最後は軽やかに踊ることが出来ました。
また、実際に車椅子ダンスを体験することができました。協会の方と、利用者様がペアになり、優雅にクルクルと車椅子上で風をきる様は見ていて気持ちよく、遠慮がちだった方も手をのばして参加されていました。職員もリード役を体験しましたが、とても協会の方のようにはできず苦戦しました。決めポーズで、写真撮影をしました。
皆様とても素晴しい笑顔でした。車椅子ダンスは、16年前に発足しましたが、車椅子バスケットと比べて知名度も低く、会員数も少ないそうです。また、スポーツとしてもまだ認められていないのが現状とのことでした。今回、実際に車椅子ダンスを観て、体験してみると、『こんなにも素晴しい競技をもっと早く知りたかった』『もっと、もっと沢山の方々に見ていただき、感動を味わって頂きたい!!』と感じました。
次の機会には皆様も是非是非、ご覧になってください。

 

星辰の家

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星辰の家では、10月21日に秋の運動会を開催しました。赤と白のチームに分かれ、箸送りゲーム、パン食い競争、玉入れの3つの種目を行いました。箸送りゲームではスピード感や正確性が求められましたが、利用者様の見事な箸使いで難なくこなしていました。パン食い競争は箸送りゲームのようにうまくは行きませんでしたが、職員までもが楽しく参加することができ、大変盛り上がりました。玉入れも同様、盛り上がりを絶やさずにすることが出来ました。なお、このような行事を盛大に行えたのは、ボランティアとして参加して下さった方々のおかげです。とても思い出に残るものとなりました。

 

デイサービスわきあいあい

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デイサービスわきあいあいでは10月21日に外食ツアーで回転寿司へ出掛けました。秋といえば「食欲の秋」皆様、沢山召し上がられていました。
お腹いっぱいになったところで最後にデザートのプリン。甘いものはやはり別腹のようですね。外食後、赤城山へ紅葉見学ドライブへ出発。少し肌寒い陽気でしたが、車中から見える美しい景色に心温まる素敵な一日となりました。

 

ケアセンター朱咲

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センター朱咲では、10月27日にたこ焼きパーティーを行ないました。「上手く焼けるかな?」と職員の手付きに不安そうな声もありましたが、徐々に形が出来てくると「美味しそうだねぇ」「良い匂いがしてきたねぇ」とじっとしていられなくなり、お手伝いを率先して行なって下さいました。
お祭りの音楽をかけながら行なったので「お祭りにきたようだ」と焼き上がるのを待ち、焼き上がると大きな声で「いただきます!」と召し上がられました。
「美味しいね。目の前で焼くなんてなかなか無いからね」と皆さんとても喜ばれ楽しい時間を過ごされました。

 

クリニック通所リハビリ

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クリニック通所リハビリに通われている利用者様の小学6年生のお孫さんが、全日本少年柔道育成会杯、第8回少年柔道体重別大会の女子軽量のクラスにおいて見事全国大会準優勝を果たしました。大会を勝ち抜き、決勝戦は先月、茨城県で行われたそうです。その時に貰った賞状と銀メダルを持ってきて頂き、嬉しそうに報告してくれました。孫の成長をとても楽しみにされています。学校が休みのたびに大会があり、全国を飛び回っているそうです。全国制覇する日も近いかもしれません、将来が楽しみですね。陰ながら私達も応援しています。

 

デイサービスゆめさき  ゆめさき結婚式及びお披露目会

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10月20日木曜日の良き日、ゆめさき職員の角田拓郎君と、創春館療養棟の永井久美子さんの結婚お披露目会を行ないました。利用者、職員含め29人がお祝いをしたいと参加され、奥様になる方がどんなに美しいか、一目見たいと皆様楽しみにされて、色々な催し物をして盛り上がりました。最後に新郎のお母様をサプライズでお連れしたところ、新郎が感激と驚きで泣いてしまいました。お2人の微笑ましい光景に皆様の笑い声が館内に響き渡り良いお披露目会になりました。

 

GHしらさぎ

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10月14日、グループホームしらさぎでは、職場体験学習生3名と共に御家族にも多数ご参加頂き、賑やかで楽しい運動会を行いました。
今回初めての試みとして、御家族に少し早目に来て頂き、職員と一緒に会場作りや昼食作りのお手伝いをして頂く事から始めました。
パン食い競争では全員が車椅子を使い競技に参加。御家族からは「初めて車椅子に乗りましたよ」と車椅子での自走の難しさを語っていらっしゃいました。運動会最後には、体験学習の生徒さん3名による、演奏や歌をプレゼントされ利用者様や御家族の方たちもとても喜ばれ、みなさんが共に楽しい時間を過ごす事が出来た運動会でした。

 

あかしあの里Ⅰ

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あかしあの里Ⅰでは10月28日に誕生日会を行いました。プレゼントにモコモコしたパーカーをお渡しすると「似合うかしら」と照れながらもとても喜んでくださり、バースデーケーキもみんなで美味しく召し上がる事が出来ました。10年後、20年後も笑顔でお誕生日を迎えられるように、長生きのお手伝いをさせていただきたいと、スタッフ一同思いました。

 

あかしあの里Ⅲ  運動会

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10月29日に運動会を行いました。競技は「パン食い競争」「玉入れ」等を、紅白に分かれ力強い応援の中参加していただきました。パン食い競争では、ゆれるパンに思わず手が出たり2個取る方もいて、笑いの声援で楽しい1日でした。また来年みんなで楽しく運動会が出来るように、がんばっていきたいと思います。

 

春らんらん

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春らんらんでは、10月7日に民謡の慰問に来ていただきました。
尺八や三味線を演奏して頂き、利用者様は懐かしい曲に耳を傾けられ、マイクを傾けられると恥ずかしそうに口ずさんでいました。女性職員2人がこの日のために踊りの教室に通い、披露してくれました。歌と三味線と尺八に合わせ踊る姿を見て、利用者様も楽しまれていました。

 

GHゆめさき  外食&コスモスドライブ

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グループホームゆめさきでは、10月14日に外食(回転寿司)とコスモスドライブに出掛けました。久しぶりの外出とあって皆様楽しみにされており、早めの出発となりました。
回転寿司ではいつもは食の細い方も沢山食べられ最後にはデザートのアイスも嬉しそうに食べてられておりました。食後、コスモス畑に行き沢山の綺麗なコスモスに喜ばれ、コスモス畑の中を楽しそうに歩かれておりました。コスモスも素敵ですが・・・今日の皆様の笑顔の方が何倍も素敵でした。

 

明 月  食欲の秋なので・・・

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明月では、10月28日より「榛名湖外食ツアー」に行きました。榛名山も、鮮やかに赤・黄色と色付き始め木々の葉っぱ一枚一枚に、秋らしい雰囲気でドライブを行い「キレイだね。」と紅葉狩りを堪能され利用者様の瞳がキラキラと輝いていました。
昼食は、榛名湖で有名な「わかさぎ」を召し上がって頂き、日頃味わえないモノもあり大変喜んで完食されていました。帰る際「もう帰っちゃうの?」とおっしゃる方もいましたので、今後も楽しいイベントを待っていて下さいね。

 

我輩はジータである   そしてまた貴方に恋している

東郷 彦四郎

第十章 「石川 聖(たかし) 捕虜となる」

リンさんが、箱根の病院へ看護助手として勤め始めた頃(一九四四年末)、太平洋をとりまく日本本土以外の各地では、日本の敗色が濃厚となり、沢山の日本兵が傷つき、亡くなっていった。戦場では『生きて捕虜の辱しめを受けず』という言葉がお題目のように唱えられ、米軍の捕虜になる位なら、死を選べと教育されていた。そして日本本土では『玉砕』して亡くなった兵士を神として奉ったのじゃ。
『玉砕』という言葉は、古い中国の文章『割れていない瓦であるよりは、砕け散った宝石でありたい』という文章から取ったものだが、キラキラ輝きながらも砕け散る人生というのは何かもう破滅的な人生のイメージを呼び起こす言葉じゃ。しかし玉砕できず捕虜になった兵士もいたし、仕方なく自ら捕虜になった兵士もいたが、そうした兵士の存在は、あってはならないものとして末梢され、戦争が終わってもそんな経験を話す兵士はいなかった。

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そして、あの真一の友人石川聖は捕虜となった。硫黄島で戦った兵士は延べ二万九千三十三名、生き残った人はたったの八百四名、四十人クラスで二人も生き残れない数字じゃ。そのうちの一人に石川がいた。奇跡といっていいじゃろう。硫黄島からハワイへ送られた彼は、そこでアメリカ海軍情報将校ディープ・カルカベッキアの尋問を受ける事になる。

大きな机と椅子そして大型扇風機だけが置かれた部屋には、真珠湾からさわやかな風が流れ込んでいた。一m六十二cmと比較的小柄ながらも、豆タンクのようにふっくらしていた為、比較的大きく見えていた石川も、栄養失調からすっかりやせ衰え、向かいに坐った金髪で碧い瞳のディープが圧倒するような大きな身体に見えたが、その優しく穏やかな眼差しが、優しく石川を包んでいた。ディープ机の向こうにうつむくように目を伏せている石川に向かって、「左足の傷の痛みはいかがですか?」と話しかける。その流暢な日本語に、石川驚いた風に顔をあげ『大丈夫です』とはっきり答える。

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『私の日本語に驚きましたか?私は日本と戦争する前から、日本に興味があり、日本文学や日本語を勉強していました。戦争になり海軍で日本語の通訳を募集していたので応募し、入隊しました。今回こうしてあなたとお話しするのは、あなたから特別な情報を手に入れようと思ってやっている訳ではありません。それに、あなたのような普通の兵士が軍の秘密を持っているとも思えませんから、どうかリラックスしてお付き合い下さい。
私はレイテ島からこのハワイに来たのですが、緑も何もないレイテ島から、青空にヤシの木、さわやかな風を感じて、まるで天国へ来たような気分でした。ソルジャー石川、あなたはどんなきぶんでしたか?』

『こんなにいい思いをしていいのかという気持ちです。』

『それは一緒に戦った人に申し訳ないという気持ちですか?』

『それもありますが、捕虜になるとひどい目にあわせられると言われていたものですから、妙な気持もあります。それに、私が捕虜になったと知らされたら、家族が村の人達になんと言われるか心配です。』

『そうですか、私達アメリカ人は村の人ではなく、神様になんと言われるか心配なのですが、神様の事は考えた事はありますか?』

『イエスキリストは知っていますが・・・・』

『あなたに教えて欲しいのですが、どうして日本人はどんどん死んでいくのですか?何故なんでしょう、命が惜しくないのですか。レイテ島は悲惨でした、私はあの島で、日本の兵士が手榴弾を敵に投げるのではなく、自分のお腹に持ったまま死んでいくのを見ました。玉砕というのでしょうか、どうして、そんな意味の分からない死に方をするのか教えてください。』

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『ミスターディープ』と恐る恐る名前を口にする石川、

『ディープと呼んで下さい』

『ディープさん、そんなことは考えた事がありませんでした。敵に捕まるよりは、自分の身が砕け散った方が正しいと教えられてきましたし、それでこそ故郷の親や村の人達に誉めて貰えると考えていました。』

『そこのところが本当によく分からないのですが、一体何の為に死ななきゃいけないのですか、私は特攻隊の攻撃も見ました、ほとんどの飛行機が私達の船に当たる事もなく、海に消えて行きました。私達には理解できない攻撃でした。』

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『ディープさん、沢山の仲間が、国の為、家族の為に戦い死にました、私達には、少しでも米軍に復讐したいという気持ちもありました。ディープさん、日本は神の国です。私達は死ぬと私達の魂は日本に漂い、家族や村の人達に大切に守られるのです。それを信じているからこそ死ねるのです。』

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『少し話が型苦しくなってしまいましたね。ソルジャー石川、あなたは中学の時何かスポーツをやっていましたか?』

『野球をやっていました。』

『おー、野球ですか、ベースボールは私も大好きです。日本には沢村という素晴らしいピッチャーがいました。ご存知ですか?』

『ベーブルースやゲーリックを打ち取りました。』

『おー、彼等の名前まで知っているのですか。』

『ところでポジションはどこですか?』

『捕手です。』

『キャッチャーですか、チームメイトはいいピッチャーだったですか?』

『いい投手でしたし、いい男でした。彼とは一緒に志願し、故郷からここまでずっと一緒でした。』

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『彼はどうしたのですか?』石川何かに耐えるようにじっと下を向きながら

『分かりません。』と ぽつりと答える、ゆっくり思い出すように、

『あの頃私達は、米軍の攻撃から逃げるように、色々な所に作ってあった洞窟を転々としていました。
もう食べる物も水も全くなくて、何とか倒れた貴国の兵士のチョコや缶詰などを手に入れようと、フラフラの状態でうろうろ動いていました。あの夜、私が水を探そうと真一と離れて穴を出た直後、焼夷弾が打ち上げられ、あたりは昼間のような明るさとなりました。
私と真一は、捕手と投手の間柄ですから、二人だけの手のサインを作っていました。
あの時私は真一に穴から出てくるのを待てというサインを送りました。
その直後です、穴のあたりに爆弾が落ちたようなのですが、私の記憶はそこまでで、気が付いたらあなた方のベッドに寝ていたんです。ディープさん、山田真一は捕虜の中にいますか?』

と真剣な眼差しでディープを見つめる石川聖。

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『残念ながら、私の知る限りでは、その名前に覚えはありません。』

しばらく沈黙が続く。
石川ずっと下を向いていたが、思い直したように。

『ディープさん。真一とは山口からずっと一緒でした。小さいころからもずっと一緒でした。ディープさん、私は生きていていいんでしょうか。』

『ソルジャー石川、あなたに私の特別な秘密をお話ししましょう。
私は情報将校ですから、我が国の兵士が、故郷へ送る手紙を検閲する事があります。そうした手紙の中には、慰問で上映される映画がつまらないとか、毎日豚肉ばかりで耐えられないという内容の手紙もあるんですよ。そうした我が軍の兵士達を見つめてきた私には、文句も言わず死んでいくあなた達が信じられないくらい不思議なのですが、同時にそれだからこそ私は日本人が大好きで、日本人がとても崇高で大切な人達に思えるのです。ソルジャー石川、あなたにとっては無念でしょうが、日本は確実に負ける事になります、沖縄も占領されました、日本本土にも沢山の爆撃が行われています。今も多くの日本人が無駄に死んでいきます。敗戦は近いでしょう。敗戦の後、日本は再建されなくてはなりません。どうか日本の再建の為に生き延びてくれないでしょうか。』

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そんな石川聖の尋問が行われた約半年後、広島、長崎に原爆が落とされ、一九四五年八月十五日戦争が終わり、石川も翌年の昭和二十一年ハワイからサンフランシスコ、テキサス、シカゴ、ワシントンを経て、故郷山口へ帰る事となった。それ以後の話は次回としよう。

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悲しい事ばかりで楽しく面白い事など、一つもない話じゃったね。老人の繰り言?人生にはそんな時もあると思って読んでごらん。死にたい位つらい時には無駄死にという事を、じっくりよ~く考える参考になれば、ジータにはもう言うことはないんじゃ。

 

院長先生の健康豆知識

『肺炎球菌ワクチンについて』

『六十五才を過ぎたら肺炎球菌ワクチンを』というキャンペーンが大々的に行われています。肺炎予防推進プロジェクトと題し、肺炎予防大使として中尾彬と加賀まり子が任命されたとして、大きくポスターに二人の顔が写っていますが、別に国が任命した訳ではありません。これ程大々的に宣伝されると、私などはすぐに製薬会社の陰謀ではと勘ぐってしまいますが、実際のところ調べてみますとこのプロジェクトを積極的に後援しているのは、MSDという肺炎ワクチンを製造販売している会社である事が分かりました。これはちょっと変だぞと普通の感覚の人なら思いますよね。
『肺炎は年寄りのお友達』と言われ、年とともに肺炎にかかる率が高くなり、普通に生活している老人の肺炎のうち、肺炎球菌によるものが半分近くを占めるのですから、ワクチンによりそうした肺炎が防げるのであれば、ワクチンを接種するに越した事はないという説が成り立ちます。当老健施設でも、こんなに宣伝される前から、肺炎にかかる危険性の高い方々に積極的に勧めてきました。しかし、六十五才を過ぎたらのべつまくなしにやった方がいいのだという意見には疑問です。では、どうして最近になって肺炎球菌ワクチンがこんなにも宣伝される事になったのかというと、公式には

(一)マスコミの報道により、今まで一般に知られてなかったワクチンの存在が広く知れ渡ったこと。
(二)抗生剤が効きにくい耐性菌による肺炎が増加しており、ワクチンはこれらの耐性菌にも有効なので、抗生物質の補助的な役割も期待できるというのです。

(一)の広く知れ渡ったことというのは、先程述べましたように、ワクチン製造会社が大々的にマスコミを使って宣伝推進しているからなのですから、何をか言わんやですよね。ヒアルロン酸やグルコサミンなどまやかしの手法ととてもよく似たやり方です。

(二)の有効性については、うちの老健施設のような介護を必要とする方々に対しては、肺炎も、死亡者数も減っているという報告がありますが、元気な老人の方々にどこまで有効かは今のところ確定的な事は言えない状況です。
そして、ワクチンの効果も5年を経つと確実に低下するので、いつの時点でワクチンをやれば一番いいのか分かりませんし、体力、免疫能に個人差があるのを考えてみれば、いつやればいいかは誰にも分からない問題だと言っていいでしょう。
もし自分の体力に衰えを感じたら接種すればいいし、私にように自分の寿命を九十五才位に設定している人は、八十五~九十五位になったらやればいいのです。
最初のワクチンはインフルエンザと同じ位副反応は少ないものですが、二度目になるといくらか副反応が出る人もいて、二度目は五年間間隔をあけるよう指示されています。肺炎は高齢者の死因の四番目であるという脅し文句がありますが、そして実際のところ先程述べましたように、肺炎は高齢者のお友達なのですが、肺炎になるには、インフルエンザ等の強烈な攻撃と悪性腫瘍・糖尿病などの免疫能低下が必要です。基礎疾患もなく元気で過ごされている方は、肺炎球菌ワクチンなどやらなくてもいい、と言っても決して乱暴な意見ではないと考えています。

それにしても肺炎予防大使が中尾彬と加賀まり子というのは何を意図した組合せなのでしょう。若い頃の中尾彬は格好よかった記憶がありますが、今では見る影もありませんし、あの小悪魔的な加賀まり子が・・・という感じがしますが?中尾彬 六十九才、加賀まり子 六十八才です。あの人達もこんな老人になってしまったのかという感慨と共に接種を促そうという意図でしょうか。いずれにせよ今の世の中何とかして商業ベースに乗っけようと様々な戦略が隠されていますから、心して対処しなければなりません。信頼のおける医者に充分説明を受けてワクチン接種をやっていくべきでしょう。

 

文芸作品

亡き妻に 今日の出来事 語りかけ

小野澤 キミ様

 

秋立つは 水にかもにる あらわれて
  思うことごと 新しくなる

紅葉も 去りそめて 倉渕の
  里にも再び 秋はきにける

原田 カズヱ様

 

稲の穂の 波打つ色の 深々と
  取入れ季節 身近にせまりて

初霜の 便りが有りて 月が冴え

抜けるよな 青空高く 虫の声

なでしこも 胸を張って 咲いている

いわし雲 とんぼも匂い 嗅いでいる

高橋 三佐男様

 

秋深く なり物豊富 味知るべ

山登り 笑顔で会話 なつかしや

田中 愛子様

 

《月刊デイの介護川柳に投稿しました 》

○孫の手が そっとささえる 食事どき
○車椅子 遠くへ行けず 天仰ぐ

高橋 三佐男様

○化粧して 背中を伸ばし リハビリへ
○ありがとう そのひとことで 笑顔の輪
○デイケアで 再会果たす オレと俺
○横になる 癖になったら 起きられず
○いつかまた キッチンに立ち ごちそうを
○馬鹿な手と たたくその手も 稼いでた>
○通リハは 心の扉が 開くとこ
○かあさんや 天国への道 一緒にな

読み人知らず

 

今月の行事予定

☆あかしあの里Ⅱ☆
未定 運動会
23日 紙芝居
下旬 外食

☆GHしらさぎ☆
 7日 外食会と紅葉ドライブ
 9日 おやつ作り
16日 誕生会

☆療養棟三階☆
 6日 お茶会
10日 買い物ツアー
17日 おやつ作り(焼きまんじゅう)
24日 お誕生日会

☆あかしあの里Ⅲ☆
 9日 紅葉ドライブ
10日 紅葉ドライブ
22日 手作りおやつ
日程未定 外食

☆春らんらん☆
毎週日曜日 おやつ作り
 8日~12日 バラ園
16日~24日 鍋パーティー

☆療養棟二階☆
10日 買い物ツアー
16日 のど自慢大会
23日 おやつ作り
30日 お誕生日会

☆DSゆめさき☆
 2日~ 5日   紅葉狩ドライブ
12日、14日 外食ツアー
14日~16日 映画上映会
17日 お誕生日会
23日 イベント食(バイキング)
24日~26日 おやつ作り  

☆通所リハビリ☆
 8日 芙謡会
12日 ギターに合わせて歌いましょう
18、19日 お誕生日会
21日 さくら筝
26日 アロハエンジェルス

☆朱咲の家☆
6日 バラ園ドライブ
7日~11日 紅葉狩り
18日 焼き芋パーティー
30日 ホットケーキ作り
未定 外食(お寿司)

☆GHゆめさき☆
4日  バラ園ドライブ
16日けやきウォーク外食ツアー
20日  誕生日会

☆あかしあの里Ⅰ☆
中旬 おやつ&ドライブツアー
25日 誕生日会

☆涼風の家☆
15日 水沼獅子舞見学
17日 お抹茶会
18日 おやつ作り
26日 涼風大運動会
27日 運営推進会議

☆わきあいあい☆
2日~4日  紅葉ドライブ
7日     パンバイキング
15日~16日 鍋パーティー
25日    お誕生日会
30日    おやつ作り

☆明月☆
GH・DS合同 
 8日 秋刀魚の会
  収穫祭  
中旬 紅葉狩り週間
DS      GH
ドライブ    ドライブ
誕生会
外食ツアー

☆星辰の家☆
 9日 誕生日会
14~18日 紅葉ドライブ

 

老健大会に参加してきました

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十一月四日、伊勢崎市文化会館で行なわれた、第二十一回群馬県老人保健施設大会に、創春館通所リハビリの岩田実樹さんが当法人の代表として参加されました。老人保健施設大会とは、毎年県下の老人保健施設の職員が、日頃の業務の成果を発表する学術的な大会ですが、岩田さんは通リハで行なわれているレクリェーションへの取り組みについて発表をされました。他の施設の職員からも、当法人の業務/活動についての質問も聞かれ、有意義なものになりました。参加した他の職員も大変勉強になり、ここで学んだことをこれからの業務に生かしていきたいと思います。

 

施設利用及び空き状況

 

編集後記


今月のさんぽみちはいかがだったでしょうか。毎年恒例の感謝祭や運動会など秋のイベントを中心に掲載させて頂きました。感謝祭は天候にも恵まれ無事に終わることが出来、また利用者や家族の皆様に楽しんで参加して頂いたことに心から感謝いたします。行事企画委員の皆様大変ご苦労様でした。
これからの季節は秋も深まり寒さも増してきますが、師走に向けまだまだ楽しいイベントがたくさんあります。これからも楽しく読んでいただけるさんぽみちを作っていきたいと思いますので宜しくお願い致します。

広報委員 永倉淳也